この記事のポイント
- まず結論:冬は 複数の感染症が同時流行:インフル・RSV・ノロ・コロナ・アデノ
- 3本柱:加湿(50〜60%)・手洗い・ワクチン+換気
- 3か月未満の発熱・呼吸困難・脱水は救急
- 対象:0〜12歳のお子さんを持つ保護者向け
受診のタイミング
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ救急(119) | 呼吸困難・チアノーゼ/意識がぼんやり/けいれん/水分が摂れない/3か月未満の発熱 |
| すぐ受診(小児科) | 38度以上の高熱が3日以上/嘔吐下痢で脱水傾向/ぐったり/重症化リスク群(早産児・喘息・心疾患・免疫不全)の発熱 |
| 早めに受診 | 鼻水・咳が長引く/微熱が反復/登園を相談したい |
冬の感染症 主要5疾患
国立感染症研究所 感染症発生動向調査 や 日本小児科学会 より:
① インフルエンザ
- 12〜3月にピーク
- A型・B型、季節性・新型
- 発熱・倦怠感・関節痛
- 小児:インフルエンザ脳症・熱性けいれんリスク
- ワクチン:毎年接種、生後6か月から
- 詳しくは別記事「子どものインフルエンザ対策」
② RSウイルス(RSV)
- 2歳までにほぼ全員感染
- 乳児で重症化:細気管支炎
- 流行は冬中心 → 近年は夏〜秋にもシフト
- ハイリスク児にパリビズマブ
- 新生児ニルセビマブ・妊婦RSVワクチン(2024年〜)
- 詳しくは別記事「細気管支炎の対処法」
③ ノロウイルス(感染性胃腸炎)
- 11〜3月にピーク
- 嘔吐・下痢・微熱
- 感染力が強い
- アルコール無効、次亜塩素酸
- 詳しくは別記事「ノロウイルスから子どもを守る」
④ 新型コロナウイルス(COVID-19)
- 通年流行、冬に増加
- 子どもは多くは軽症だが、稀に MIS-C(小児多系統炎症性症候群)
- ワクチン接種は年齢別に検討
- 発熱・咳・倦怠感
⑤ アデノウイルス(プール熱・流行性角結膜炎)
- 冬にも流行(プール熱は夏中心だが冬も)
- 塩素消毒に強い
- 詳しくは別記事「プール熱(咽頭結膜熱)」
その他
- 百日咳:年中、登園基準あり
- マイコプラズマ:学童期、長引く咳
- ヘルパンギーナ・手足口病:夏中心だが冬も
- 溶連菌:冬〜春
3本柱の予防策
厚生労働省 より:
① 加湿
- 湿度50〜60% を維持
- ウイルスの活性が下がる(インフル等)
- 粘膜の防御機能を保つ
- 加湿器:清潔に保つ
- 濡れタオル・洗濯物でも
② 手洗い・うがい
- 石鹸で30秒以上
- 指の間・爪の間 も丁寧に
- 帰宅後・食事前・トイレ後
- うがい:ガラガラ・ブクブク
- アルコール手指消毒:ノロには無効、それ以外は有効
③ ワクチン
- インフルエンザ:毎年、6か月以降
- 肺炎球菌・Hib:定期接種
- コロナワクチン:年齢別に検討
- RSV予防:ハイリスク児・新生児(一部)
+ 換気
- 30分に1回・5分以上
- 対角の窓を開ける
- 暖房使用中も換気は必要
- 空気の入れ替えでウイルス濃度↓
家庭内感染を防ぐ
患者ケア
- 個室・別室 で過ごす
- タオル・食器を分ける
- マスク(年齢で)
- 共用物を最小限に
介護者の対策
- 手洗いの徹底
- マスク
- 使い捨て手袋(嘔吐物処理)
- 使用後の手洗い
洗濯
- 患者の衣類は別洗い
- 熱水・次亜塩素酸消毒(ノロ等)
- 乾燥機・天日干し
きょうだいへの配慮
- 接触を最小限に
- 共用物を分ける
- 症状観察
- 「もう感染した前提」で行動
登園・登校の目安
日本学校保健会 や 日本学校保健会 学校感染症一覧 より、主な疾患の出席停止:
| 疾患 | 出席停止 |
|---|---|
| インフルエンザ | 発症後5日 + 解熱後2日(幼児3日)経過まで |
| 流行性耳下腺炎(おたふく) | 耳下腺腫脹後5日 + 全身状態良好まで |
| 百日咳 | 特有の咳が消失または5日間の適正抗菌薬治療後 |
| コロナ | 発症後5日 + 症状軽快24時間後(学校・園規定に従う) |
| ノロ・ロタ | 主要症状消失後、医師判断 |
| 手足口病・ヘルパンギーナ | 出席停止対象外(全身状態回復まで) |
| プール熱 | 主要症状消失後2日 |
重症化リスク群
日本小児科学会 より:
特に注意
- 3か月未満:発熱は必ず受診
- 早産児・低出生体重児
- 慢性肺疾患:BPD・喘息
- 先天性心疾患
- 免疫不全
- 神経筋疾患
- 基礎疾患のある子
予防策強化
- ワクチン接種徹底
- 流行期の外出制限
- 手洗い・マスク
- 早めの受診
「同時流行」への備え
季節前の準備
- インフル・コロナワクチン 接種計画
- 体温計・解熱剤・経口補水液 の備蓄
- マスク・消毒液 の準備
- 次亜塩素酸ナトリウム(ノロ対策)
流行情報のチェック
- 国立感染症研究所 IDWR:週次情報
- 自治体の情報
- 園・学校の連絡網
予定の調整
- 流行ピーク時の外出を控える
- 病児保育 の情報を事前に
- 看病できる人手の確保
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 「ただの風邪」と3か月未満の発熱を様子見 | 重症化リスク |
| ワクチンを「副反応怖い」で接種せず | 重症化予防の最大の手段 |
| 加湿せず暖房だけ | 粘膜乾燥・ウイルス活性化 |
| 換気を「寒いから」と省く | ウイルス濃度↑ |
| アルコール消毒だけ | ノロには無効 |
| マスク・手洗いを「面倒」と省略 | 感染拡大 |
| 登園基準を曖昧に | 集団感染 |
| 重症化リスク群の発熱を様子見 | 急速に悪化 |
よくある誤解
Q. ワクチン打ったらかからない?
A. 完全予防ではないが重症化を防ぐ。流行期前に接種を。
Q. 手指のアルコール消毒だけで OK?
A. ノロには無効、石鹸での手洗いが基本。
Q. 加湿器は何度に?
A. 湿度50〜60%、温度20〜23度 が目安。
Q. マスクは何歳から?
A. 2歳以上から(窒息リスク)、3歳〜本人が嫌がらなければ。
Q. 解熱剤で熱だけ下げて出社・登園?
A. NG。感染拡大、本人も悪化リスク。
Q. 何科を受診すれば?
A. 小児科、緊急は 救急外来・119。
この記事の根拠
- 国立感染症研究所 感染症発生動向調査(IDWR)
- 国立感染症研究所 予防接種スケジュール
- 厚生労働省 感染症対策
- 日本小児科学会 子どもがかかりやすい感染症
まとめ
- 冬は 複数の感染症が同時流行:インフル・RSV・ノロ・コロナ・アデノ
- 3本柱:加湿・手洗い・ワクチン
- 湿度50〜60%・換気・マスク も併用
- 重症化リスク群(3か月未満・早産児・基礎疾患)は早めに受診
- アルコール消毒はノロに無効、石鹸での手洗いが基本
- 流行情報を季節前からチェック
- インフルエンザ・コロナワクチン は計画的に
大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。発熱・呼吸困難・脱水などの症状があれば、迷わず小児科にご相談ください。

