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3〜5歳🏥健康・医療

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎):合併症の難聴・髄膜炎とワクチンの選択

おたふくかぜは耳下腺の腫れと発熱が特徴のウイルス感染症。多くは1〜2週間で治りますが、片側性難聴や髄膜炎などの合併症があり、現在のワクチンは任意接種です。出席停止「腫れから5日かつ全身状態良好」と合併症の見抜き方を整理しました。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-05-298分で読めます
情報の信頼性

情報源:国立感染症研究所 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-05-29参考文献:4

受診の目安

  • 高熱が続く・ぐったりしている・水分が取れない場合はすぐに受診
  • 症状が3日以上改善しない場合はかかりつけ医に相談
  • 夜間・休日の急な症状は#8000(子ども医療電話相談)

この記事は情報提供を目的としたものであり、医療上の助言ではありません。

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この記事のポイント

  • まず結論:おたふくかぜは耳の前下〜あごの下が腫れる ムンプスウイルス感染症。特効薬はなく対症療法。1〜2週間で多くは軽快
  • 合併症に注意片側性難聴(永続的)・無菌性髄膜炎膵炎思春期以降の精巣炎/卵巣炎
  • 出席停止:法定で「耳下腺等の腫れから5日 かつ 全身状態良好」(学校保健安全法 第2種)
  • 対象:1〜12歳のお子さんを持つ保護者向け

すぐ受診・数日以内に相談・家庭ケアで様子見

状況 対応
すぐ救急・受診 強い頭痛+繰り返す嘔吐(髄膜炎の可能性)/意識がぼんやり/けいれん/強い腹痛(膵炎の可能性)/聞こえにくい・呼んでも振り向かない(難聴の可能性)/顔色不良・ぐったり
小児科を受診 耳下腺の腫れと発熱が出始めた/思春期以降の本人で精巣の痛み・腫れ/3日以上の高熱/本人の活気がない
家庭ケアで様子見 受診済みで診断確定、対症療法中/腫れと軽度の発熱のみで本人は元気/食事・水分は取れる

夜間・休日で判断に迷うときは #8000 に電話できます。強い頭痛+嘔吐は髄膜炎のサイン なので迷わず受診を。

おたふくかぜとは

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎、ムンプス)は ムンプスウイルス による感染症で、学校保健安全法 第2種感染症 に指定されています(国立感染症研究所)。

典型的な経過

時期 症状
潜伏期(2〜3週間) 症状なし
発症初期(1〜2日目) 発熱(38℃前後)・倦怠感・耳の下の違和感
3〜5日目 耳の下〜あごの腫れ(片側ずつ/両側)、痛み、食欲低下
6〜10日目 腫れがピーク。発熱は2〜4日で落ち着く
2週間 腫れも徐々に治る

特徴的な腫れ

  • 耳の下から顎の下 が腫れる(耳下腺・顎下腺・舌下腺)
  • 片側から始まり、2〜3日後に反対側も腫れることが多い
  • 約30%は 片側のみ で終わる
  • 触ると痛い、咀嚼で痛む
  • 酸っぱい食べ物・飲み物で唾液が出ると痛む

感染経路と感染力

  • 飛沫感染(咳・くしゃみ・会話)
  • 接触感染
  • 潜伏期:14〜25日
  • 感染力は 腫れる7日前〜腫れた後9日まで とされ、無症状期間でも感染源になる
  • 集団生活で広がりやすい

合併症(軽視できない)

おたふくかぜは 特効薬がない上に合併症のリスクがある ため、ワクチンが推奨される理由になっています。

① 無菌性髄膜炎

  • 発生頻度:1〜10%(決して稀ではない)
  • 症状:強い頭痛・繰り返す嘔吐・首の硬さ・発熱
  • 多くは数日で軽快し後遺症は少ないとされる
  • 強い頭痛+嘔吐 → すぐ受診

② 難聴(ムンプス難聴)

  • 発生頻度:約 1/1,000
  • 多くは 片側性で永続的
  • 「呼んでも振り向かない」「片耳だけ聞こえが悪い」が手がかり
  • 治療法は確立されておらず、予防(ワクチン)が最善
  • 子どもの片側難聴は気づきにくいので、罹患後は 聴覚検査 が推奨されることも

③ 膵炎

  • 発生頻度:数%
  • 症状:強い腹痛、嘔吐
  • 受診で血液検査・治療

④ 精巣炎・卵巣炎(思春期以降)

  • 発生頻度:思春期以降の男性で約20%
  • 症状:精巣の腫れ・痛み
  • 不妊リスク があるとされる
  • 思春期前の子で発症することはまれだが、大人がかかる場合は要注意

⑤ その他

  • 脳炎(稀)
  • 心筋炎(稀)
  • 関節炎・腎炎(稀)

ワクチンについて

日本小児科学会 は、1歳と就学前の2回接種 を推奨しています。

現状

  • 任意接種(自治体によっては助成あり)
  • 1回接種で 80%程度、2回接種で 90%以上 の発症予防効果とされる
  • 副反応として 接種ワクチン株による無菌性髄膜炎(数千人に1人程度)が報告されているが、自然感染より頻度は低い
  • 日本小児科学会・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会等は 定期接種化 を推奨

接種スケジュール

  • 1回目:1歳(MR ワクチンと同時可)
  • 2回目:5〜6歳(就学前)(MR2期 と同時可)

ワクチン費用は自治体・医療機関で異なります。任意接種ですが、合併症リスクを考えると 積極的に検討すべき ワクチンの1つです。

家庭でできること

対症療法

特効薬はなく、症状を和らげるケアが中心です。

  • 発熱対策:アセトアミノフェン(カロナール)を医師の指示通り
  • 冷却:腫れた部位を冷たいタオルで冷やすと楽になる
  • 食事酸っぱいもの・噛む必要があるもの・熱いもの を避ける。プリン・ゼリー・冷たいおかゆ・スープ
  • 水分補給:脱水予防
  • 休養:本人がだるそうなら無理させない

痛みへの対処

  • 噛むと痛むので 柔らかいもの
  • 冷たい飲み物・ヨーグルト などのどを通りやすい
  • アセトアミノフェン が鎮痛にも有効

観察ポイント

  • 頭痛の強さ・嘔吐の頻度(髄膜炎のサイン)
  • 聞こえに変化はないか(難聴のサイン)
  • 腹痛の有無(膵炎のサイン)
  • 思春期以降の本人なら 精巣の腫れ・痛み
  • 解熱までの日数

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
「ただの腫れ」と強い頭痛・嘔吐を放置 髄膜炎の可能性。すぐ受診
酸っぱいもの・固いもの・熱いもの 唾液分泌・咀嚼で激痛
「ワクチンは任意だから不要」と判断 合併症リスクを考えると推奨される
腫れた部位を強く揉む・温める 痛み増強、組織損傷の可能性
解熱剤にアスピリン・イブプロフェン系を使う 子どもにはアセトアミノフェンが基本
「もう熱が下がったから」と腫れがあるまま登園 出席停止期間は「腫れから5日経過+全身状態良好」
「片耳だけ聞こえにくい」を子どもの様子だけで判断 片側難聴は気づきにくい。罹患後の聴覚検査を

出席停止と登園・登校

学校保健安全法施行規則 より:

  • 学校保健安全法 第2種感染症
  • 出席停止:耳下腺・顎下腺・舌下腺の腫脹が発現した後5日経過 かつ 全身状態が良好 になるまで
  • 数え方:腫れた日(0日)から数えて5日が経過し、全身状態が良くなれば登校・登園可
  • 医師の 登園許可証 が必要な場合は受診時に依頼

  • 月曜に腫れ始め(0日) → 土曜(5日経過)以降に全身状態が良ければ翌週月曜から登校可

受診の詳しい目安

小児科を受診

  • 耳下腺の腫れと発熱
  • 思春期以降の本人で精巣の痛み・腫れ
  • 3日以上の高熱
  • 本人の活気がない
  • 周囲(家族・園・学校)におたふくかぜが流行

すぐ救急 / 夜間休日相談

  • 強い頭痛 + 繰り返す嘔吐(髄膜炎の可能性)
  • 意識がぼんやり・けいれん
  • 強い腹痛(膵炎の可能性)
  • 聞こえにくい・呼んでも振り向かない(難聴の可能性)
  • 顔色不良・ぐったり

夜間・休日は #8000 に相談できます。

受診時に伝えること

  • 腫れ始めの日時
  • 発熱・痛みの経過
  • 家族・園・学校の感染状況
  • ワクチン接種歴(おたふくかぜワクチンの有無・時期)
  • アレルギーの有無

よくある誤解

Q. 一度かかれば免疫がつく?

A. 基本的に終生免疫 がつき、再感染はほぼありません。ただし稀に再感染の報告も。

Q. ワクチンを打つと髄膜炎になる?

A. ワクチン株による無菌性髄膜炎が 数千人に1人程度 報告されていますが、自然感染による髄膜炎の頻度(1〜10%)よりはるかに低いです。

Q. 大人もかかる?

A. かかります。むしろ大人の方が 精巣炎・卵巣炎・難聴 の合併症リスクが高いです。

Q. 抗生物質をもらいたい

A. ウイルス感染なので効きません。対症療法が中心。

Q. 妊娠中におたふくかぜにかかったら?

A. 妊婦感染で 先天性奇形のリスクは確立していない とされますが、妊娠中の感染は避けるのが望ましく、妊娠前の予防接種が推奨されます。

Q. 罹患後の聴覚検査は必要?

A. 片側難聴は気づきにくい ので、罹患後は耳鼻咽喉科で 聴覚検査 を受けることが推奨されます。

Q. 何科を受診すれば?

A. 小児科 が第一選択。難聴の疑いがあれば 耳鼻咽喉科 に紹介されます。

この記事の根拠

  • 国立感染症研究所 流行性耳下腺炎
  • 厚生労働省 保育所における感染症対策ガイドライン
  • 学校保健安全法施行規則 第十九条(第二種感染症)
  • 日本小児科学会 おたふくかぜ予防接種推奨

まとめ

  • おたふくかぜは ムンプスウイルス による感染症。1〜2週間で軽快、特効薬なし
  • 合併症:片側性難聴(永続)・無菌性髄膜炎・膵炎・思春期以降の精巣炎/卵巣炎
  • 出席停止は 「腫れから5日かつ全身状態良好」
  • 強い頭痛+嘔吐・聞こえの変化 は要すぐ受診
  • ワクチンは任意接種だが推奨(1歳・就学前の2回接種)

大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。医療行為の指示ではありません。お子さまの個別の症状・ワクチン接種については、必ずかかりつけ医や小児科の医師にご相談ください。

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