この記事のポイント
- まず結論:学校の健康診断は 就学時健診(年長秋) と 毎年の定期健診 の2種類
- 学校保健安全法 に基づく法定検査
- 「要再検査」の通知 は必ず指定医療機関を受診
- 対象:就学前〜学齢期のお子さんを持つ保護者向け
受診のタイミング
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 就学時健診 | 就学の前年(年長秋・10〜11月)に通知が来る、指定日に受診 |
| 定期健康診断 | 毎年4〜6月頃、学校で実施 |
| 要再検査 | 指定された医療機関を必ず受診:心電図・尿・聴力・視力等 |
| 就学前の心配ごと | 健診を待たず 小児科・保健センター で相談 |
学校保健安全法に基づく健診
e-Gov 学校保健安全法 より:
2種類の健診
| 健診 | 時期 | 法令上の位置づけ |
|---|---|---|
| 就学時健康診断 | 就学の前年秋 | 学校保健安全法 第11条 |
| 定期健康診断 | 毎学年4〜6月 | 学校保健安全法 第13条 |
| 臨時健康診断 | 必要時 | 学校保健安全法 第14条 |
目的
- 健康状態の把握
- 疾病の早期発見
- 学校生活への配慮の検討
- 特別な支援が必要な子の把握
就学時健康診断
文部科学省 就学時健康診断 より:
概要
- 就学の前年(年長児)の秋に実施
- 市町村教育委員会 が実施
- 集団健診 が多い:小学校等で
- 学校に入る前の最終チェック
- 無料(公費)
検査項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 身体測定 | 身長・体重 |
| 栄養状態 | |
| 脊柱・胸郭・四肢 | 姿勢・運動機能 |
| 視力 | 弱視・斜視のチェック |
| 聴力 | |
| 眼(眼科) | 結膜・角膜等 |
| 耳鼻咽喉 | |
| 皮膚 | 皮膚疾患 |
| 歯・口腔 | むし歯・噛み合わせ |
| 心臓 | 心音・必要に応じ心電図 |
| 知能検査 | 簡易検査・知的発達 |
流れ
- 市町村から案内通知
- 指定日に指定場所へ
- 問診票事前記入
- 当日:受付・身体測定・各検査・診察
- 結果通知:所要1〜2週間
- 要再検査 なら指定医療機関へ
知能検査について
- 就学先選択の参考
- 特別な支援が必要かの判断材料
- 「合否判定」ではない
- 必要なら就学相談へ
定期健康診断(毎学年)
日本学校保健会 学校保健の手引き より:
概要
- 毎学年6月30日までに実施
- 学校医・学校歯科医 が中心
- 学校で集団実施
- 学校保健安全法第13条で義務化
検査項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 身体測定 | 身長・体重・BMI |
| 視力 | 0.3未満は要再検査 |
| 聴力 | 1・3・5年(中学・高校で抜粋) |
| 眼 | |
| 耳鼻咽喉 | |
| 歯・口腔 | むし歯・歯肉炎・歯並び |
| 結核検診 | 問診票・X線 |
| 心臓検診 | 1・4年・中1・高1で心電図 |
| 尿検査 | タンパク・糖・潜血(全学年) |
| 運動器検診 | 2016年〜全学年で実施(学校保健安全法施行規則改正) |
検査時期
- 4〜6月 に集中
- 学校により実施日程が異なる
- 学校からの案内 に従う
運動器検診(2016年〜)
日本学校保健会 より、近年加わった項目:
背景
- 2016年4月、学校保健安全法施行規則改正で導入
- 運動不足・運動過多の二極化
- 脊柱側弯症 の早期発見
- スポーツ障害(オスグッド病等) の予防
検査内容
- 保健調査票:家庭で記入
- 姿勢のチェック:脊柱側弯症
- しゃがみ込みテスト:膝の屈曲制限
- 片足立ち:バランス
- 肩の動き:野球肘等
脊柱側弯症
- 思春期前後の女児に多い
- 早期発見・治療で進行を抑える
- 背骨を曲げて左右の高さを見る
- 「肩の高さが違う」「肩甲骨の出方が違う」
家庭でのチェック
- 入浴時に背中を観察
- 前屈時に左右の高さを見る
- 「肩甲骨の出方が違う」なら受診
心臓検診
日本学校保健会 より:
実施学年
- 小1・小4・中1・高1 で心電図
- その他の学年 は問診票・聴診
目的
- 先天性心疾患の未発見例
- 不整脈・QT延長症候群
- 心筋症
- 学校管理(運動制限)の判断
「要再検査」になったら
- 必ず指定医療機関を受診
- 小児循環器内科
- 多くは経過観察で済む
- 「心配ない」と勝手に判断しない
尿検査
目的
- タンパク尿:腎臓病
- 糖尿:糖尿病
- 潜血:腎臓・尿路疾患
採尿のコツ
- 当日朝の最初の尿(早朝尿)
- 採尿コップに少量
- 激しい運動後は避ける:偽陽性
- 女児は生理中を避ける:再検査も
「要再検査」になったら
- 小児腎臓内科 または 小児科
- 腎臓病の早期発見
- 無症状でも検査異常があれば受診
視力・聴力の再検査
日本眼科医会 より:
視力
- 0.3未満 は要再検査
- A・B・C・D 判定
- 眼科受診 で確定診断
- メガネ処方 が必要なことも
聴力
- オージオメーターで検査
- 音域別の聴力
- 要再検査は耳鼻科で:滲出性中耳炎等
健診結果の見方
「要受診」「要再検査」
- 必ず指定された医療機関を受診
- 「学校でやった」で済ませない
- 指定の用紙を持って受診
- 結果を学校に提出
「要観察」
- 次回健診まで観察
- 症状があれば受診
「異常なし」
- 大きな問題なし
- 次回まで通常生活
家庭での準備
就学時健診
- 問診票 を丁寧に記入
- 既往歴・予防接種歴 を確認
- アレルギー を漏れなく
- 発達の心配 も記入
定期健康診断
- 持ち物 を確認
- 当日朝の採尿(必要時)
- 服装:脱ぎ着しやすいもの
- 聞きたいことのメモ
普段から
- 母子手帳と一緒に成長記録
- 服薬・既往歴 を整理
- 学校の保健室との連携
アレルギー対応の伝達
文部科学省 学校におけるアレルギー疾患対応 も参考に:
- 学校生活管理指導表 を医師に記入してもらう
- アレルギー・喘息・てんかん などを学校に伝達
- 緊急時対応:エピペン・薬の保管
- 担任・養護教諭との連携
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 就学時健診を受けない | 法定健診、就学準備の機会を逃す |
| 「要再検査」を放置 | 早期発見・治療の機会を逃す |
| 問診票に既往・服薬を書かない | 学校での適切な対応ができない |
| 「学校でやった」で済ます | 再検査は医療機関で |
| アレルギーを学校に伝えない | 緊急時対応できない |
| 「異常なし」で安心しすぎ | 健診で発見できない疾患もある |
| 採尿で偽陽性の条件(運動後・生理中等)に注意せず | 不要な再検査・心配 |
| 脊柱側弯症の家庭チェックを怠る | 思春期の進行を見逃す |
よくある誤解
Q. 就学時健診の知能検査で「就学できない」?
A. そうではない。就学先選択の参考、特別支援の検討材料。
Q. 学校健診で「異常なし」なら病院不要?
A. 健診で発見できない疾患もある。気になる症状があれば受診。
Q. 「要再検査」って絶対病気?
A. 必ずしも。再検査で異常なしも多い。ただし放置せず受診を。
Q. 心電図異常 = 運動禁止?
A. 症例による。多くは経過観察で運動可。専門医で判断。
Q. アレルギーを学校に伝える必要?
A. 絶対に必要。生活管理指導表・エピペン情報も。
Q. 何科を受診すれば?
A. 「要再検査」の指定 に従う。心臓は 小児循環器内科、尿は 小児腎臓内科、視力は 眼科、聴力は 耳鼻科、運動器は 整形外科。
この記事の根拠
- e-Gov 学校保健安全法
- 文部科学省 就学時健康診断
- 日本学校保健会 学校保健の手引き
- 日本学校保健会 運動器検診
まとめ
- 学校の健康診断は 就学時健診(年長秋) と 毎年の定期健診 の2種類
- 学校保健安全法 に基づく法定検査
- 就学時健診:身体・視力・聴力・心臓・知能等
- 定期健診:毎年4〜6月、視力・聴力・心電図(1・4年)・尿・運動器
- 2016年〜運動器検診 が全学年で導入
- 「要再検査」は必ず指定医療機関 を受診
- アレルギーは生活管理指導表 で学校に伝達
大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。健診結果や気になる症状については、必ず小児科・専門医にご相談ください。

