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6〜8歳🏥健康・医療

ADHDの子どもへの理解と支援:DSM-5の診断基準・3タイプ(不注意・多動衝動・混合)・家庭/学校/医療の連携

ADHDは『不注意・多動衝動・混合』の3タイプ。日本では学童期で約5%とされ、決して稀ではない。DSM-5の診断基準、薬物療法(メチルフェニデート・アトモキセチン・グアンファシン)の選択肢、ペアレントトレーニング、学校での合理的配慮まで整理しました。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-06-107分で読めます
情報の信頼性

情報源:国立障害者リハビリテーションセンター・日本児童青年精神医学会・厚生労働省 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-06-10参考文献:4
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この記事のポイント

  • まず結論:ADHDは 「不注意・多動衝動・混合」の3タイプ、学童期約5%
  • DSM-5の診断基準 で評価
  • 薬物療法 + 心理社会的治療 + 環境調整 の組み合わせ
  • 対象:ADHDが気になるお子さんを持つ保護者向け

受診のタイミング

状況 対応
早めに受診(小児神経科・児童精神科) 学校・園で集団生活に大きな支障注意され続けて自己肯定感↓/二次障害(抑うつ・自傷)の兆候/日常生活が回らない
発達相談(保健センター・発達相談センター) 多動・不注意が気になる/健診で指摘された/本人や親が困っている
見守り 多動だが日常生活に支障少ない(特に幼児期は判断慎重に)

ADHDとは

国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害ナビポータル より:

基本

  • 「注意欠如・多動症」(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)
  • 発達障害の一つ
  • 学童期で約5%(日本児童青年精神医学会)
  • 男児に多い:女児の2〜3倍
  • 女児は不注意型が多く見逃されやすい
  • 多くは6〜7歳以前から症状あり

DSM-5の3タイプ

タイプ 主な特徴
不注意優勢型 集中できない・忘れ物・うっかりミス
多動衝動優勢型 じっとしていられない・順番が待てない・しゃべりすぎ
混合型 不注意 + 多動衝動 の両方

「グレーゾーン」の認識

  • 診断基準を完全に満たさないが困りごとがある子
  • 「特性」として理解・支援
  • 診断書がなくても支援は可能

主な症状

日本児童青年精神医学会 ADHD診療ガイドライン より、DSM-5の主要症状:

不注意の症状

  • 細かい注意がうまく払えない・うっかりミス
  • 注意を持続するのが困難
  • 話しかけられても聞いていないようにみえる
  • 指示に従えない・課題を最後までできない
  • 整理整頓が苦手
  • 集中力を要する課題を避ける
  • 物をなくす
  • 外的刺激で気が散る
  • 忘れっぽい

6項目以上が6か月以上持続 で診断検討

多動衝動の症状

  • そわそわ・手足を動かす
  • 席を離れる
  • 走り回る・高い所に登る
  • 静かに遊べない
  • 「じっとしていない」
  • しゃべりすぎる
  • 答えを先回り
  • 順番が待てない
  • 他人を遮る

6項目以上が6か月以上持続 で診断検討

「複数の場面」が条件

  • 家庭・学校など複数の場面で症状
  • 「家ではOKだが学校では」だけは ADHD と診断しにくい

診断

日本児童青年精神医学会 より:

診断プロセス

  • 問診:本人・親・学校
  • 行動観察
  • 発達検査:WISC・新版K式
  • 質問票:Conners3・ADHD-RS等
  • 鑑別:他疾患の除外

鑑別すべき状態

状態 内容
自閉スペクトラム症(ASD) 合併も多い
学習障害(SLD) 合併も多い
不安症 集中困難の原因
抑うつ 子どもの場合は多動でも出る
甲状腺機能亢進症 多動の身体的原因
睡眠障害 不注意の原因
環境要因 虐待・家庭環境

「年齢相応」の判断

  • 幼児期は多動・衝動が普通
  • 6〜7歳前後で診断に進む ことが多い
  • 「ADHD だから早く診断」と焦らない

治療:3本柱

日本児童青年精神医学会 ADHD診療ガイドライン より、現代の標準:

① 心理社会的治療(最重要)

ペアレントトレーニング

  • 親の関わり方を学ぶ
  • 良い行動を増やす
  • 適切な指示の出し方
  • 発達相談センター・児童精神科で

行動療法

  • 本人への直接的な関わり
  • 「望ましい行動を増やす」
  • 報酬・ルール設定

ソーシャルスキルトレーニング(SST)

  • 対人関係スキル
  • 感情コントロール

② 環境調整

  • 学校での合理的配慮:席の位置・指示の出し方・課題量
  • 家庭での環境:刺激を減らす・予定の見える化
  • 「困った行動」が出にくい環境 を作る

③ 薬物療法

日本児童青年精神医学会 より、主な薬剤:

コンサータ(メチルフェニデート徐放錠)

  • 6歳以上
  • 中枢神経刺激薬:1日1回
  • 不注意・多動衝動に効果
  • 登録医・登録薬局 での処方(流通管理)

ストラテラ(アトモキセチン)

  • 6歳以上
  • 非中枢神経刺激薬:1日1〜2回
  • チック・不安併発例で

インチュニブ(グアンファシン)

  • 6〜17歳
  • 降圧薬として開発、ADHDにも:1日1回
  • 興奮性・攻撃性に効果

ビバンセ(リスデキサンフェタミン)

  • 6〜17歳
  • 中枢神経刺激薬:1日1回
  • 流通管理あり

副作用

  • 食欲低下・不眠:刺激薬
  • 眠気・血圧低下:グアンファシン
  • 医師と相談の上で

「薬物療法 = 最後の手段」ではない

  • 適切な選択肢の一つ
  • 環境調整・心理社会的治療と組み合わせ
  • 本人・親・医師で相談

二次障害の予防

国立成育医療研究センター より:

二次障害とは

  • ADHD 自体ではなく、未支援・誤解の継続で起こる
  • 抑うつ・自己肯定感低下
  • 不登校
  • 反社会的行動
  • 物質依存

予防

  • 早期診断・早期支援
  • 本人を否定しない
  • 「特性」として理解
  • 強みを伸ばす関わり
  • 適切な医療

「叱責の繰り返し」のリスク

  • 「困った行動」への注意・叱責のみ
  • 「ダメな子」と本人が思う
  • 自己肯定感↓ → 二次障害

家庭でできること

指示の出し方

  • 短く・具体的に
  • 一度に1つ
  • 目を見て
  • 「視覚的に提示」:絵カード・チェックリスト

環境

  • 刺激を減らす:テレビ・おもちゃを片付ける
  • 机の上はシンプル
  • 静かな勉強場所
  • 時間の見える化:タイマー

ルーティン

  • 同じ時間に同じ行動
  • 予定の見える化:絵カード・ホワイトボード
  • 「次は何」を予告

良い行動を褒める

  • 「○○できたね」と具体的に
  • すぐに褒める:時間が経つと効果↓
  • 「ダメ出し」より「OK 出し」

親自身のケア

  • 「育て方が悪い」と自責しない
  • ペアレントトレーニング
  • 同じ立場の親のグループ
  • 必要なら自分も支援

学校との連携

厚生労働省 発達障害者支援 より:

合理的配慮

  • 席の位置:黒板に近く・刺激の少ない場所
  • 指示の出し方:個別・視覚的
  • 課題量の調整
  • テスト時間の延長
  • 休憩時間の確保

通級指導教室・特別支援学級

  • 本人の特性に合った環境
  • 通常学級との組み合わせ
  • 就学相談:教育委員会

学校への伝達

  • 担任への情報共有
  • 個別の教育支援計画
  • スクールカウンセラー との連携
  • 医療機関との情報交換

「ADHD = 個性」の議論

国立障害者リハビリテーションセンター より:

「特性」としての理解

  • 「直す病気」ではない
  • 強み:好奇心・行動力・創造性
  • 弱み:集中・整理・衝動
  • 環境次第で強みになる

「個性」と「障害」の境界

  • 困っているか が判断基準
  • 困っていなければ「個性」でも
  • 困っているなら適切な支援を

強みを伸ばす

  • 好きなこと・興味のあることに集中:「過集中」
  • クリエイティブ
  • 行動力・冒険心
  • 「枠にとらわれない発想」

→ 環境次第で大きな力に。

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
「育て方が悪い」と自責 ADHD は脳機能の特性
「叱責の繰り返し」 二次障害のリスク
「薬物療法 = 最後の手段」と拒否し続ける 適切な選択肢の一つ
「ADHD = 怠け」と決めつけ 脳機能の特性
学校に伝えず一人で抱える 合理的配慮の機会を逃す
二次障害サインを見逃す 抑うつ・不登校
強みを認めない 自己肯定感↓
早期診断を「決めつけ」と拒否 支援機会を逃す

よくある誤解

Q. ADHD = 落ち着きがない?

A. 不注意優勢型は落ち着いて見える、女児に多い。見逃されやすい。

Q. 薬を使うと依存・人格変わる?

A. 適切な使用で安全、ADHDの中枢神経刺激薬は乱用リスク管理あり。

Q. 大人になれば治る?

A. 約半数は成人期も持続、特性として付き合う。

Q. ADHD は遺伝?

A. 遺伝的要因は大きい、家族歴も評価。

Q. 何科を受診すれば?

A. 小児科・小児神経科・児童精神科、発達相談センターも。

Q. 診断書なしに支援を受けられる?

A. 「困っている」が支援基準、診断書なしでも合理的配慮は可能。

この記事の根拠

  • 国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害ナビポータル
  • 日本児童青年精神医学会 ADHD診療ガイドライン
  • 国立成育医療研究センター 子どものこころの診療部
  • 厚生労働省 発達障害者支援

まとめ

  • ADHDは 「不注意・多動衝動・混合」の3タイプ、学童期約5%
  • DSM-5の診断基準:複数場面で6か月以上の症状
  • 治療3本柱:心理社会的治療・環境調整・薬物療法
  • 薬物:コンサータ・ストラテラ・インチュニブ・ビバンセ
  • 二次障害(抑うつ・自己肯定感↓・不登校)の予防が大事
  • 学校での合理的配慮:席・指示・課題量
  • 強みを認めて伸ばす関わり

大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会のガイドラインをもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。診断・治療は必ず小児神経科・児童精神科の医師にご相談ください。

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