メインコンテンツへスキップ
6〜8歳🏥健康・医療

子どもの扁桃炎:ウイルス vs 溶連菌の見分け方──抗菌薬の適応・反復扁桃炎と扁桃摘出術

扁桃炎は子どもの咽頭痛・発熱の原因として多発。多くはウイルス性で抗菌薬は不要だが、A群溶連菌は抗菌薬10日間内服が標準(合併症予防のため)。年5回以上の反復扁桃炎は摘出術検討の目安。家庭ケア・受診目安・登園基準まで整理しました。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-06-097分で読めます
情報の信頼性

情報源:日本小児科学会・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・厚生労働省 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-06-09参考文献:4

受診の目安

  • 高熱が続く・ぐったりしている・水分が取れない場合はすぐに受診
  • 症状が3日以上改善しない場合はかかりつけ医に相談
  • 夜間・休日の急な症状は#8000(子ども医療電話相談)

この記事は情報提供を目的としたものであり、医療上の助言ではありません。

共有LINEX

この記事のポイント

  • まず結論:扁桃炎は 多くはウイルス性で抗菌薬不要
  • A群溶連菌は抗菌薬10日間 が標準(合併症予防)
  • 年5回以上の反復扁桃炎 は摘出術検討の目安
  • 対象:3〜12歳の喉痛・発熱があるお子さんを持つ保護者向け

⚠️ 本記事の取り扱い

扁桃炎は 稀に扁桃周囲膿瘍・気道閉塞 などの重症化があります。開口困難・呼吸困難・首が腫れる は救急受診を。

親のリアルな本音

「喉が痛いと言って高熱。何回も繰り返してる、扁桃の問題?」

「『溶連菌』って言われて10日分の薬。3日で治った気がするけど飲み切る?」

「年に何度も扁桃炎、もう手術した方が良いの?」

SNSや子育てコミュニティでよく聞かれる本音です(編集部が想定した典型例として整えています)。「抗菌薬の飲み切り」「反復回数」 が親の悩みどころです。

受診のタイミング

状況 対応
すぐ救急(119/救急外来) 開口困難(口が開けられない)/呼吸が苦しい・喘鳴/よだれが止まらない/首が大きく腫れる/意識がぼんやり
すぐ受診(小児科・耳鼻咽喉科) 38度以上の発熱+強い喉痛/水分が摂れない/3日以上発熱/溶連菌の疑い
早めに受診 喉痛が続く/首のリンパ節の腫れ/反復する扁桃炎/いびきが強い
家庭ケアでOK 軽い喉痛のみ/微熱/水分・食事が摂れる

扁桃炎とは

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 扁桃炎・アデノイド より:

基本

  • 扁桃(口蓋扁桃):喉の奥両側にあるリンパ組織
  • 扁桃炎:扁桃の炎症
  • 子どもに頻発:3〜10歳が多い
  • 病原体:ウイルス(多数)または細菌(特に A群溶連菌

原因の内訳

原因 割合(学童期目安)
ウイルス 約70〜80%
A群溶連菌(細菌) 約15〜25%
その他細菌 数%
アデノイド肥大の合併 慢性化要因

急性 vs 慢性

  • 急性扁桃炎:発熱・強い喉痛
  • 慢性扁桃炎:反復する扁桃炎
  • 扁桃肥大:症状なくても物理的に大きい

症状

共通症状

  • 喉の強い痛み
  • 発熱:38〜40度
  • 扁桃の腫脹・発赤
  • 白苔(白い膿) が付着することも
  • 頸部リンパ節の腫脹
  • 嚥下痛:飲み込み困難
  • 食欲不振・倦怠感

ウイルス性の特徴

  • 咳・鼻水を伴う
  • 発熱は中等度
  • 数日で軽快
  • 白苔は少ないことが多い

A群溶連菌の特徴

  • 咳・鼻水は少ない
  • 高熱(38度以上)
  • 白苔が目立つ
  • 舌が「いちご舌」:赤くブツブツ
  • 頸部リンパ節の腫脹が強い
  • 時にかゆみのある発疹(猩紅熱様)
  • 腹痛・嘔吐を伴うことも

ウイルス vs 溶連菌の見分け方

日本小児科学会 より:

Centor 基準(参考)

成人向けですが小児にも参考に:

項目 あり
発熱(38度以上) +1
咳がない +1
扁桃の白苔 +1
頸部リンパ節の腫脹 +1
3〜14歳 +1

3点以上で溶連菌の可能性 → 検査 が一般的。

迅速検査

  • 耳鼻科・小児科で実施
  • 5〜10分 で結果
  • 陽性なら抗菌薬 開始

なぜ見分けが大事か

  • ウイルス性に抗菌薬は無効:薬剤耐性の問題
  • 溶連菌に抗菌薬を使わない とリウマチ熱・腎炎リスク

治療

ウイルス性

  • 対症療法:解熱剤・水分補給
  • 抗菌薬は不要
  • 数日で軽快

A群溶連菌

日本小児科学会厚労省 AMR対策 より:

  • 第一選択:ペニシリン系(アモキシシリン等)
  • 10日間の内服が標準(5日で症状軽快しても飲み切り)
  • セフェム系は5日処方 もあり(小児では7日推奨も)
  • マクロライドはペニシリンアレルギーの場合

抗菌薬の飲み切りが大事な理由

  • 症状改善後も体内に菌が残る
  • 再燃のリスク
  • 薬剤耐性 (AMR) のリスク
  • リウマチ熱・急性腎炎の予防

解熱剤

  • アセトアミノフェン(カロナール):安全
  • イブプロフェン:小児科判断で
  • アスピリン禁忌:ライ症候群リスク

家庭でのケア

水分・栄養

  • 嚥下痛で水分摂取↓:脱水予防が大事
  • 冷たい・薄味のもの
  • 避けるもの:熱い・酸っぱい・塩辛い
  • 少量を頻回
  • アイス・ゼリー・プリン・スープ がおすすめ

過ごし方

  • 十分な休息
  • 室内で過ごす
  • 保湿:加湿器
  • タオル・食器を分ける

嘔吐・薬の管理

  • 食後または食間で内服
  • 嘔吐した時の再内服判断:医師に相談
  • 薬を分ける(粉・シロップ・ゼリー)

合併症

扁桃周囲膿瘍

  • 扁桃の周囲に膿 が溜まる
  • 激しい喉痛(片側)
  • 開口困難(口が開かない)
  • よだれ・嚥下困難
  • 緊急受診 → 切開排膿

気道閉塞

  • 大きく腫れて呼吸困難
  • 喘鳴
  • 緊急対応

リウマチ熱・急性糸球体腎炎

  • 溶連菌感染症の合併症
  • 抗菌薬未治療 で発症リスク↑
  • 数週間後 に発症
  • 抗菌薬10日間飲み切り で予防

中耳炎

  • 耳の痛み
  • 耳漏

反復扁桃炎・摘出術

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 より、摘出術の検討目安:

摘出術の適応

Paradise 基準(参考)

  • 年7回以上の急性扁桃炎が1年
  • 年5回以上が2年連続
  • 年3回以上が3年連続

その他の適応

  • 扁桃周囲膿瘍の既往
  • 慢性扁桃炎による合併症:腎炎・心内膜炎・関節炎
  • アデノイド・扁桃肥大による睡眠時無呼吸
  • 嚥下障害・発音障害

手術

  • 全身麻酔下
  • 入院5〜7日
  • 痛み・出血のリスク
  • 耳鼻咽喉科で相談

摘出後

  • 扁桃炎は減るが、扁桃の代わりは咽頭リンパ組織
  • 完全に風邪をひかなくなるわけではない
  • 6歳以上が一般的:年齢が低いと免疫への影響を考慮

登園・登校の目安

日本学校保健会 より:

ウイルス性扁桃炎

  • 第二種感染症ではない
  • 発熱がなく全身状態が良ければ登園可
  • 園・学校の規定 を確認

溶連菌感染症

  • 第三種感染症
  • 「適切な抗菌薬治療開始後24時間を経過していること」
  • 通常 抗菌薬服用 1〜2日後 に解熱・症状軽快で登校可
  • 抗菌薬は飲み切ること

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
抗菌薬を3日で中断 再燃・合併症・薬剤耐性
「軽い喉痛」で受診せず溶連菌 リウマチ熱・腎炎リスク
ウイルス性に抗菌薬を要求 薬剤耐性、不要な副作用
アスピリン投与 ライ症候群リスク
開口困難・呼吸困難を様子見 扁桃周囲膿瘍・気道閉塞
熱い・酸っぱい食事 喉痛で摂取困難
「うつる病気」を放置 家族・園・学校で拡大
反復扁桃炎を「体質」で放置 摘出術で QoL 改善も

よくある誤解

Q. 全部の喉痛に抗菌薬?

A. 誤り。ウイルス性には無効、薬剤耐性の問題も。検査と医師の判断で。

Q. 抗菌薬は症状軽快したら止めていい?

A. NG10日間(または処方期間)飲み切り。再燃・合併症予防のため。

Q. 扁桃を取ると免疫が落ちる?

A. 大きな影響は少ない とされる。他のリンパ組織が代償。

Q. 何歳から扁桃摘出?

A. 6歳以上が一般的。年齢が低いと免疫への影響を考慮。

Q. 何科を受診すれば?

A. 小児科 が入口、反復・摘出検討は 耳鼻咽喉科

Q. 兄弟にうつる?

A. 溶連菌は家族内で広がる、特に小学生。手洗い・タオル分け。

この記事の根拠

  • 日本小児科学会 子どもがかかりやすい感染症
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 扁桃炎・アデノイド
  • 厚生労働省 AMR(薬剤耐性)対策アクションプラン
  • 日本学校保健会 学校において予防すべき感染症の解説

まとめ

  • 扁桃炎は 多くはウイルス性で抗菌薬不要
  • A群溶連菌は抗菌薬10日間 が標準(合併症予防)
  • 抗菌薬の飲み切り がリウマチ熱・腎炎予防の鍵
  • 「いちご舌」「白苔」「咳なし高熱」 は溶連菌を疑う
  • 開口困難・呼吸困難扁桃周囲膿瘍・気道閉塞、救急
  • 年5回以上の反復扁桃炎 は摘出術検討
  • 溶連菌は「抗菌薬開始24時間後」 が登園基準

大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。診断・治療は必ず小児科・耳鼻咽喉科の医師にご相談ください。

🌱

次のステージ:Mid Stage9〜10歳

お子さんが成長したら、こちらもどうぞ

あわせて読みたい

当サイトの情報は公的機関や専門家の発信をもとに編集部が独自にまとめたものです。各情報源の機関が監修・承認したものではありません。健康や発達について心配がある場合は医師や専門家にご相談ください。