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3〜5歳🏥健康・医療

子どもの熱性けいれん対応:6か月〜5歳の約8%が経験──『動画撮影・5分・横向き』の3原則と単純型/複雑型

熱性けいれんは6か月〜5歳の約8%が経験する小児科で最も多い発作性疾患。多くは『単純型熱性けいれん』で予後良好だが、初発・複雑型は鑑別が必要。発作時の3原則『動画撮影・5分計測・横向き寝かせ』、抗けいれん薬の使い分け、てんかんとの違い、ワクチン接種への影響まで整理しました。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-06-107分で読めます
情報の信頼性

情報源:日本小児神経学会・日本小児科学会・国立成育医療研究センター ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-06-10参考文献:4

受診の目安

  • 高熱が続く・ぐったりしている・水分が取れない場合はすぐに受診
  • 症状が3日以上改善しない場合はかかりつけ医に相談
  • 夜間・休日の急な症状は#8000(子ども医療電話相談)

この記事は情報提供を目的としたものであり、医療上の助言ではありません。

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この記事のポイント

  • まず結論:熱性けいれんは 6か月〜5歳の約8% が経験
  • 3原則動画撮影・5分計測・横向きで寝かせる
  • 「口に物を入れない・押さえつけない」が鉄則
  • 対象:6か月〜5歳のお子さんを持つ保護者向け

⚠️ 本記事の取り扱い

熱性けいれんは 多くは良性 ですが、5分以上続く・繰り返す ものは緊急。口に物を入れない・押さえつけない を必ず守ってください。

発作時の対応(まずこれ)

対応 内容
① 時計を見る・動画を撮る 開始時刻を確認、スマホで撮影(受診時の重要情報)
② 横向きに寝かせる 嘔吐物の誤嚥予防、平らな場所で
③ 危険物を遠ざける 周りの硬い物・尖った物
④ 衣服を緩める 首回り・お腹周り
⑤ 5分以上続けば119 救急要請、緊急
⑥ 単発でも初発なら受診 鑑別のため

受診のタイミング

状況 対応
すぐ救急(119) 5分以上続くけいれん繰り返す(24時間以内に複数回)/意識回復が遅い(けいれん後10分以上)/左右非対称のけいれん呼吸困難・チアノーゼ
すぐ受診(小児科・救急外来) 初発の熱性けいれん/既往あっても発作の様子が普段と違う/6か月未満・5歳以上のけいれん
電話相談 単発で短く回復した既往ありの2回目以降

熱性けいれんとは

日本小児神経学会 熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023 より:

基本

  • 6か月〜5歳の小児に発熱(38度以上)に伴うけいれん
  • 約8%の子が経験(5歳までに)
  • 小児科で最も多い発作性疾患
  • 家族集積性あり:両親・きょうだいに既往
  • 多くは予後良好

「熱性けいれん」と「熱性発作」

  • 以前は「熱性けいれん」
  • 2023年ガイドラインから「熱性発作」も併記
  • 国際的には「febrile seizure(FS)」
  • 一般には「熱性けいれん」がまだ広く使われる

発症の仕組み

  • 乳幼児期の脳の未熟さ
  • 急激な体温上昇 が引き金
  • 遺伝的素因
  • 発熱の原因は風邪・突発性発疹等の感染症がほとんど

単純型 vs 複雑型

日本小児神経学会 ガイドライン2023 より、最も重要な区別:

単純型(多数)

  • 全身性のけいれん(左右対称)
  • 5分以内に治まる
  • 24時間以内に1回のみ
  • 意識の回復が早い
  • 予後良好:てんかん移行率も低い

複雑型(少数だが要評価)

  • 部分性のけいれん(左右非対称)
  • 5分以上続く
  • 24時間以内に複数回
  • 意識回復が遅い
  • てんかん移行率↑:脳波等の精密検査

動画撮影が鑑別の重要情報

「3原則」発作時の対応

① 動画撮影・時刻記録

  • スマホで動画を撮る
  • 開始時刻を確認
  • 手足の動き・左右差 を記録
  • 医師の鑑別に最重要

② 5分を計測

  • 時計・スマホで秒単位で
  • 5分以上で救急(119)
  • 「あと数秒待とう」と無駄に時間を失わない

③ 横向きに寝かせる

  • 嘔吐物の誤嚥予防
  • 平らな場所:床・畳
  • 頭の下に柔らかい物:タオル
  • 回復体位(リカバリーポジション)

NG な対応

NG対応 理由
口に物を入れる(割り箸・スプーン等) 窒息・歯損傷・指噛みリスク。「舌を噛まないため」は誤り
押さえつける 骨折・脱臼リスク、効果なし
大声で名前を呼ぶ・揺さぶる 意味なし、ご家族のパニック
水を飲ませる 誤嚥リスク
「目を覚まさせよう」と強く刺激 効果なし

けいれん後

発作が終わったら

  • 意識回復を待つ:通常 数分以内
  • 横向きのまま様子見
  • 呼吸を確認
  • すぐ受診:初発・既往あっても普段と違う

受診時の情報

  • 発作の動画
  • 発作の時刻・持続時間
  • 発熱の有無・体温
  • 発作前の様子・症状
  • 既往歴

検査・治療

検査

  • 問診・診察:基本
  • 血液検査:発熱原因
  • 髄液検査:髄膜炎の疑い
  • 脳波:複雑型・繰り返す例
  • 頭部画像:複雑型

治療

急性期

  • 発熱の原因治療
  • 抗けいれん薬(5分以上続く場合):ジアゼパム坐薬・点滴

予防

  • ダイアップ坐薬(ジアゼパム):再発予防
  • 発熱時に投与:医師判断で
  • 「全員に予防が必要」ではない
  • ガイドラインで適応を明示

予防投与の適応

日本小児神経学会 ガイドライン2023 より、以下のいずれか:

  • 複雑型熱性けいれんの既往
  • 15分以上の発作の既往
  • 1歳未満での発症
  • てんかん家族歴
  • 3回以上の再発

→ 当てはまる場合は 発熱時に予防投与

てんかんとの違い

日本小児神経学会 より:

項目 熱性けいれん てんかん
発熱との関連 発熱に伴って起こる 発熱なくても起こる
年齢 6か月〜5歳が中心 全年齢
頻度 多くは年数回以下 反復・無誘発
予後 多くは良好、5歳までに終わる 慢性疾患
治療 多くは経過観察、必要時予防投与 抗てんかん薬の常用

てんかん移行率

  • 単純型熱性けいれん:約2〜3%(一般集団に比べやや高い)
  • 複雑型:約5〜10%
  • てんかん家族歴あり:高い

ワクチンとの関連

国立感染症研究所 予防接種スケジュール と日本小児神経学会の見解:

ワクチンによる発熱と熱性けいれん

  • MR・水痘ワクチン後 に発熱が起こりうる
  • 接種から1〜2週間後の発熱で稀に熱性けいれん
  • ワクチンを避ける積極的理由にはならない:感染症の方がリスク↑

予防投与

  • 過去に熱性けいれんあり で接種する場合は事前相談
  • 必要なら接種時に予防投与
  • 接種を諦めない

「単純型」の親へのメッセージ

日本小児神経学会 ガイドライン2023 より:

多くは良性

  • 約8%が経験:珍しくない
  • 多くは5歳までに終わる
  • 知的発達への影響はない(単純型)
  • てんかん移行は少数

発作を見た親の心理

  • 「死ぬかも」と本気で思う
  • PTSD様の反応
  • 保健センター・小児科で相談
  • 「次もありうる」備え

備え

  • ダイアップ坐薬の処方:適応があれば
  • 発作時対応のメモ
  • 動画撮影の準備
  • 救急連絡先

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
口に物を入れる 窒息・歯損傷・指噛みリスク
押さえつける 骨折・脱臼
発作中に水を飲ませる 誤嚥
時間計測をしない 5分判断ができない
動画撮影をしない 医師の鑑別情報を失う
「家族歴あるからワクチンしない」 感染症リスクの方が大きい
複雑型なのに「単純型」と自己判断 精密検査の機会を逃す
解熱剤で熱だけ下げて受診せず 原因疾患の見逃し

よくある誤解

Q. けいれん中、舌を噛まないため口に物?

A. 絶対NG。窒息リスク、舌を噛むことはほぼない。

Q. ワクチンで熱性けいれんが起こる?

A. 稀にあるが、感染症リスクの方が大きい。接種を諦めない。

Q. 熱性けいれん = てんかん?

A. 違う。多くは5歳までに終わる、てんかん移行は少数。

Q. 解熱剤で予防できる?

A. 熱性けいれんの予防効果は限定的。標準は対症療法と必要時の抗けいれん薬。

Q. 何回も繰り返すと頭が悪くなる?

A. 単純型では知的発達への影響なし。安心して。

Q. 何科を受診すれば?

A. 小児科、緊急は 救急外来・119、頻発・複雑型は 小児神経科

この記事の根拠

  • 日本小児神経学会 熱性けいれん(熱性発作)診療ガイドライン2023
  • 日本小児神経学会 一般向け情報
  • 日本小児科学会 子どもがかかりやすい病気
  • 国立感染症研究所 予防接種スケジュール

まとめ

  • 熱性けいれんは 6か月〜5歳の約8% が経験、小児科で最多の発作性疾患
  • 3原則:動画撮影・5分計測・横向きで寝かせる
  • 「口に物を入れない・押さえつけない」が鉄則
  • 単純型 vs 複雑型 を見分ける(左右対称・5分以内・24時間1回が単純型)
  • 5分以上・繰り返す・左右非対称 は救急
  • 適応があれば ダイアップ(ジアゼパム)坐薬 で予防
  • 単純型は 知的発達への影響なく予後良好

大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会のガイドラインをもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。診断・治療は必ず小児科・小児神経科の医師にご相談ください。

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