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6〜8歳健康・医療

子どものマイコプラズマ肺炎:4歳以降の『歩く肺炎』──長引く乾いた咳・マクロライド耐性・周期流行

マイコプラズマ肺炎は4歳以降の学童期に多い『歩く肺炎』。中等度の発熱と長引く乾いた咳が特徴で、比較的元気なことも。マクロライド系抗菌薬が第一選択ですが耐性菌が増加中。流行の周期、登校基準、家族内感染対策を整理しました。

012.kids 編集部公開: 2026年3月11日更新: 2026年8月24日7分で読めます
情報の信頼性

情報源:日本小児科学会・日本マイコプラズマ学会 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026年3月11日最終確認:2026年8月24日現在参考文献:7

※記載内容は上記時点の情報です。制度・数値・窓口などは変わることがあるため、重要な事項は公式情報でご確認ください。

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この記事のポイント

  • まず結論:マイコプラズマ肺炎は 4歳以降の「歩く肺炎」
  • 特徴長引く乾いた咳・中等度の発熱・比較的元気
  • マクロライド耐性菌(MRMP)が増加
  • 対象:4〜15歳のお子さんを持つ保護者向け

⚠️ 本記事の取り扱い

マイコプラズマ肺炎は 稀に重症化 することがあります。呼吸困難・激しい咳・脱水 は迷わず受診を。

受診の目安

日本小児科学会は保護者向けに「長引く発熱・咳などの症状がみられた際はかかりつけ医を受診しましょう」と呼びかけており、「何日続いたら受診」という日数の線引きはしていませんマイコプラズマ肺炎流行に対する注意喚起)。下の表の日数は、判断の材料として 012.kids 編集部が置いた目安です。

状況 対応
すぐ受診・迷ったら救急(119) 呼吸が苦しい・息が荒い/唇や顔色が紫っぽい(チアノーゼ)/ぐったり・意識がぼんやり/水分が摂れない・半日以上尿が出ない/3か月未満の発熱
早めに受診(編集部の目安:数日以内) 発熱が3日以上続く/咳が1週間以上続く・夜眠れないほど/流行期に家族・園・学校で感染者がいて咳が出てきた
治療開始後の再受診 マクロライド系抗菌薬を飲み始めて48〜72時間たっても解熱しない(耐性菌の可能性・「マクロライド耐性(MRMP)」の節で詳述)
家庭ケアで様子見 解熱していて全身状態がよく、咳だけが徐々に軽くなっている/食事・水分が取れる

夜間・休日で判断に迷うときは #8000(こども医療電話相談)に電話できます。緊急時は 119。最終的な判断は医療機関の指示に従ってください。

マイコプラズマ肺炎とは

国立健康危機管理研究機構 マイコプラズマ肺炎とは より:

基本

  • マイコプラズマ・ニューモニエ(細菌の仲間):細胞壁を持たない
  • 「異型肺炎」:通常の細菌性肺炎と症状が異なる
  • 学童期に多い国立健康危機管理研究機構 は「幼児から若年層にかけての発生が中心」としています)
  • 3〜7年程度の間隔で大きな流行日本小児科学会 注意喚起)。オリンピック年に大流行と言われた時代も
  • 2024年は大流行年

感染経路

  • 飛沫感染:咳・くしゃみ
  • 接触感染:手・物
  • 家族内・学校・園で広がる
  • 潜伏期2〜3週間 と長め

「歩く肺炎」と呼ばれる理由

  • 発熱・全身症状が比較的軽い
  • 元気で活動できる ことが多い
  • でも胸部レントゲンでは肺炎の所見
  • 「自宅で寝ない」「学校に行ける」状態でも肺炎

症状

国立健康危機管理研究機構 より:

典型的な経過

経過 症状
潜伏期 2〜3週間
初期 発熱・倦怠感・頭痛
初発症状から3〜5日ごろ 乾いた咳が始まる
1〜2週目 咳がピーク・夜悪化
解熱後 咳だけが続く(3〜4週間

「咳が長引く」が手がかり

  • 解熱後も乾いた咳が3〜4週間続く国立健康危機管理研究機構
  • 夜間に悪化
  • 「治ったかな」と思ってもまた咳
  • 「咳が止まらない」が受診のきっかけ

他の症状

  • 頭痛・倦怠感
  • 発熱:38度以上だが極端な高熱は少ない
  • 喘鳴:時に
  • 皮膚症状:稀に発疹・蕁麻疹
  • 稀な合併症:髄膜炎・心筋炎・関節炎・Stevens-Johnson 症候群

「歩く肺炎」と他の肺炎の違い

下の表は、見分けの手がかりとして 012.kids 編集部が一般的な特徴を整理 したものです(特定の資料の記載を引き写したものではありません)。実際の鑑別は診察・検査によります。

項目 マイコプラズマ 細菌性肺炎 ウイルス性肺炎
年齢 4歳以降 全年齢 乳幼児多い
発熱 中等度 高熱 中等度
乾いた・長引く 湿った 様々
全身状態 比較的元気 ぐったり 様々
抗菌薬 マクロライド ペニシリン系 無効

診断

検査

  • 問診・診察:聴診で「ラ音」
  • 胸部レントゲン:間質性肺炎像
  • 血液検査:CRP・白血球
  • マイコプラズマ抗原・抗体検査
  • PCR検査:確定診断
  • LAMP法:迅速検査

「臨床診断」も多い

  • 長引く咳+年齢+胸部所見 で診断
  • 流行期はより確信を持って
  • 検査結果を待たずに治療開始 することも

治療

厚生労働省 AMR対策 も参考に:

マクロライド系(第一選択)

  • 治療指針 が示す投与期間は アジスロマイシン3日間・クラリスロマイシン10日間・エリスロマイシン14日間
  • ただし 実際の日数は医師の指示が優先(体重・経過・薬剤で変わります)
  • マイコプラズマには細胞壁がないためペニシリンは無効

マクロライド耐性(MRMP)

  • 2000年代から急増:日本では一時 80% 超
  • アジア地域で特に多い
  • 解熱しない・改善しない 場合に疑う
  • 第二選択:テトラサイクリン系8歳未満には原則禁忌
  • 第三選択:ニューキノロン系(適応年齢に注意)

「48〜72時間で解熱」が目安

日本マイコプラズマ学会 肺炎マイコプラズマ肺炎に対する治療指針 および 日本小児科学会 小児のマイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方(2025年3月29日改訂)より:

  • マクロライド系薬の効果は投与後48〜72時間の解熱で概ね評価できる
  • 効く株では投与後48時間で大多数(80%以上)が解熱するが、耐性株では大多数(約70%)が解熱しない
  • そのため 48時間経過しても解熱しない場合は薬剤の変更を推奨 している
  • 医師の経過観察必須。「もう少し様子を見る」で数日待たない

解熱剤・咳止め

  • アセトアミノフェン:第一選択
  • アスピリン禁忌:ライ症候群
  • 咳止め:本人の症状に応じて医師判断

家庭でのケア

水分・栄養

  • 十分な水分
  • 消化のいい食事
  • 無理に食べさせない

咳への対応

  • 加湿:50〜60%
  • 蜂蜜:1歳以上の咳に有効(WHO推奨)
  • 頭を少し高くして寝かせる
  • 温かい飲み物:刺激を和らげる

観察

  • 発熱の経過:飲み始めて48〜72時間たっても解熱しなければ再受診
  • 呼吸数・呼吸様式
  • 食欲・元気

学校保健安全法

日本学校保健会 より:

出席停止

  • 「その他の感染症」:明確な日数指定なし
  • 「症状が安定し全身状態が良好」 で登校可
  • 解熱と全身状態が大事
  • 多くの園・学校で独自基準

「咳が長引くから登校できない」?

  • 咳のみで全身状態良好なら登校可 が多い
  • マスクの徹底
  • 学校・園と相談

家族内感染対策

患者ケア

  • マスク(年齢で)
  • 手洗い
  • タオル・食器分け

家族の症状監視

  • 2〜3週間の潜伏期
  • 咳が始まったら検査
  • 家族で順次発症する ことが多い

きょうだいへの感染

  • 共用物を分ける
  • 咳エチケット
  • 手洗いの徹底

重症化のサイン

国立健康危機管理研究機構 より、稀ながら:

重症肺炎

  • 呼吸困難・チアノーゼ
  • SpO2低下
  • 激しい咳で会話困難
  • 酸素投与・入院

肺外合併症

  • 髄膜炎・脳炎
  • 心筋炎
  • 関節炎
  • 皮膚症状:Stevens-Johnson 症候群
  • 溶血性貧血

→ 全身症状の悪化は再受診

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
マクロライドを飲んで48〜72時間たっても解熱せず放置 耐性菌の可能性。指針は48時間で解熱しなければ薬剤変更を推奨している
ペニシリン系を要求 マイコプラズマには無効
「歩く肺炎だから」と無理な活動 悪化リスク
アスピリン投与 ライ症候群
抗菌薬を症状軽快で中断 再燃・AMR
「咳だけ」と放置 肺炎の見逃し・家族感染
マスクなしで登校 集団感染
3か月未満の発熱を様子見 重症化

よくある誤解

Q. 「歩く肺炎」だから軽い?

A. 比較的元気でも肺炎は肺炎。長引く咳に注意。

Q. マクロライドは何日飲む?

A. 治療指針 では アジスロマイシン3日間・クラリスロマイシン10日間・エリスロマイシン14日間。実際の日数は医師の指示通りに飲み切ってください。

Q. ペニシリン系は効く?

A. 無効。マイコプラズマには細胞壁がない。

Q. 何回もかかる?

A. 再感染あり、免疫は長続きしない。

Q. ワクチンは?

A. マイコプラズマのワクチンはない(研究段階)。

Q. 何科を受診すれば?

A. 小児科、重症は 救急外来・119

この記事の根拠

まとめ

  • マイコプラズマ肺炎は 4歳以降の「歩く肺炎」
  • 特徴:長引く乾いた咳・中等度の発熱・比較的元気
  • マクロライド系が第一選択、飲み始めて48〜72時間たっても解熱しなければ耐性菌を疑い再受診
  • MRMP(マクロライド耐性)の増加、テトラサイクリン・ニューキノロンも視野
  • 3〜7年程度の間隔で大きな流行、2024年は大流行年
  • 登校:症状軽快・全身状態良好で
  • 稀に 肺外合併症(髄膜炎・心筋炎・SJS)

大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。診断・治療は必ず小児科の医師にご相談ください。

次のステージ:Mid Stage9〜10歳

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