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0〜2歳🏥健康・医療

クループ症候群の対応:『犬の遠吠え様の咳・嗄声・吸気性喘鳴』──秋〜春の夜に多発、ステロイドで多くは改善

クループは6か月〜3歳に多いウイルス性の上気道炎で、『犬吠様咳・嗄声・吸気性喘鳴』が特徴。秋〜春の夜中に急激に悪化することが多く、親が一番焦る疾患の一つ。多くはステロイド(デキサメタゾン)単回投与で改善。冷気を吸わせる家庭対応、急性喉頭蓋炎との鑑別、受診目安まで整理しました。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-06-107分で読めます
情報の信頼性

情報源:日本小児科学会・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・国立感染症研究所 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-06-10参考文献:4
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この記事のポイント

  • まず結論:クループは 6か月〜3歳に多いウイルス性上気道炎
  • 3徴犬吠様咳・嗄声(声がれ)・吸気性喘鳴
  • 秋〜春の夜中に急激に悪化 することが多い
  • 対象:6か月〜5歳のお子さんを持つ保護者向け

⚠️ 本記事の取り扱い

急性喉頭蓋炎との鑑別 が重要。よだれを垂らす・体を前傾は緊急。クループの呼吸困難も急速に進行することがあります。

受診のタイミング

状況 対応
すぐ救急(119) 吸気性喘鳴が安静時にも陥没呼吸チアノーゼよだれを垂らす(急性喉頭蓋炎疑い)/意識がぼんやり/「呼吸できない」と訴える
すぐ受診(小児科・救急外来) 犬吠様咳+嗄声+吸気性喘鳴/呼吸が苦しそう/哺乳力低下/3か月未満の症状/夜間悪化
早めに受診 軽い嗄声・咳が続く/微熱を伴う

クループとは

日本小児科学会日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 より:

基本

  • 「クループ症候群」「急性喉頭炎」「仮性クループ」
  • 上気道(喉頭・声門下)の炎症・浮腫
  • 6か月〜3歳に多い、ピークは1〜2歳
  • 男児にやや多い
  • 秋〜春に多い:10〜4月
  • 夜間に悪化 することが特徴

主な原因ウイルス

ウイルス 特徴
パラインフルエンザウイルス 最多
RSウイルス
インフルエンザウイルス
アデノウイルス
ライノウイルス
コロナウイルス 一部

病態

  • 声門下の浮腫:気道狭窄
  • 小さな腫れでも子どもの気道は細いので大きく影響
  • 吸う時に陰圧で狭くなる → 吸気性喘鳴
  • 咳の振動で犬の遠吠え様の音

3徴

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 より:

犬吠様咳(けんばいようがい)

  • 「ケンケン」「コンコン」:犬の遠吠え様
  • 乾いた金属音
  • アシカの鳴き声に例えられることも
  • 特徴的で聞けば分かる

嗄声(させい・声がれ)

  • 「ガラガラ声」
  • 泣き声も嗄れている
  • 完全に出ないこともある

吸気性喘鳴(stridor)

  • 吸う時に「ヒューヒュー」「ゼーゼー」
  • 気道狭窄のサイン
  • 泣くと悪化 することが
  • 安静時の吸気性喘鳴は重症サイン

他の症状

  • 発熱:多くは微熱〜38度
  • 鼻水・咳:先行することも
  • 不機嫌・哺乳力低下
  • 「夜中に突然」発症することが多い

重症度の評価

日本小児科学会 より、Westley クループスコアなどを参考に:

重症度 症状
軽症 嗄声・犬吠様咳・喘鳴は啼泣時のみ
中等症 安静時にも吸気性喘鳴、軽い陥没呼吸
重症 陥没呼吸・呼吸困難・チアノーゼ・意識低下

安静時の吸気性喘鳴・陥没呼吸 で救急受診

急性喉頭蓋炎との鑑別

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 より、最重要の鑑別:

急性喉頭蓋炎

  • Hib(インフルエンザ菌b型) が主因
  • 2〜7歳に多い(クループより少し年長)
  • Hibワクチン定期接種化で激減、ただしゼロではない
  • 数時間で気道閉塞・致死的:緊急

クループ vs 急性喉頭蓋炎

項目 クループ 急性喉頭蓋炎
病原体 ウイルス 細菌(Hib)
年齢 6か月〜3歳 2〜7歳
進行 数日 数時間で重症化
発熱 微熱〜38度 39度以上の高熱
犬吠様 少ない
嗄声 あり 少ない(くぐもった声)
よだれ なし あり(嚥下困難)
姿勢 自由 前傾・首を伸ばす(気道確保)
治療 ステロイド 緊急気道確保・抗菌薬

急性喉頭蓋炎を疑うサイン

  • よだれを垂らす:嚥下困難
  • 体を前傾:首を伸ばして「三点支持位」
  • 「呼吸できない」と訴える
  • 高熱を伴う
  • 激しい喉痛
  • 声がくぐもる

すぐ救急(119)、口腔内を覗き込まない(気道閉塞悪化)

家庭での対応

落ち着かせる

  • 泣くと悪化する:抱っこ・優しい声かけ
  • 本人を安心させる
  • 無理に診察しない

冷気を吸わせる

  • 窓を開けて外の冷気 を吸わせる
  • 冷蔵庫を開けて立つ
  • 冷たい飲み物:刺激を和らげる
  • 昔は「湯気・加湿」が推奨されたが、エビデンスは弱い:現在は冷気の方が有効との報告

姿勢

  • 抱っこ:縦抱きが楽
  • 上半身を高くする
  • 横にならせない:呼吸が苦しい時

観察

  • 喘鳴・陥没呼吸・顔色
  • 動画撮影:受診時の重要情報
  • 悪化サインに注意

治療

日本小児科学会 より:

ステロイド(中等症以上)

  • デキサメタゾン:単回投与で多くは改善
  • 内服・点滴・筋注
  • 国際的にも標準治療
  • 吸入ステロイド(ブデソニド)も

アドレナリン吸入(重症)

  • 救急外来で
  • 気道浮腫を急速に改善
  • 数時間効果

抗菌薬

  • 基本不要:ウイルス感染
  • 細菌の混合感染 が疑われる場合のみ

入院

  • 重症例・呼吸困難
  • 3か月未満
  • 基礎疾患

「夜中に急変」のメカニズム

  • 副交感神経優位:夜は気道分泌物↑
  • 横になる姿勢で悪化
  • 乾燥した寝室
  • 昼間は症状が軽くても夜悪化

「昼間ましだから安心」は危険、夜の悪化に備える

反復するクループ

  • 「反復性クループ」:何度も繰り返す
  • アレルギー素因との関連 が示唆
  • 気管支喘息に移行することも
  • 小児アレルギー科で評価

学校保健安全法

日本学校保健会 より:

  • 「その他の感染症」:出席停止対象外
  • 症状が良くなり全身状態が良好 なら登園可
  • 園・学校の規定 を確認

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
泣かせる・興奮させる 喘鳴・呼吸困難↑
口腔内を覗き込む(急性喉頭蓋炎疑い時) 気道閉塞悪化
「夜は仕方ない」と救急受診せず 重症化リスク
横に寝かせる(呼吸困難時) 呼吸悪化
市販の咳止め 効かない、乳児に推奨されない
「よだれ・前傾」を「クループ」と決めつけ 急性喉頭蓋炎の見逃し
3か月未満の症状を様子見 重症化
抗菌薬を要求 ウイルスには無効

よくある誤解

Q. クループは「子どもの定番」だから様子見?

A. 重症化することもある、特に夜中の悪化に注意。

Q. 加湿器・湯気が一番?

A. エビデンスは弱い、冷気の方が有効との報告も。

Q. ステロイドは怖い?

A. 単回投与で安全性高い、気道浮腫を改善。

Q. 急性喉頭蓋炎は Hib ワクチンで予防できる?

A. 大幅に減少、ただし完全には消えていない。よだれ・前傾は緊急サイン。

Q. 何科を受診すれば?

A. 小児科・救急外来、夜間休日は 救急

Q. 兄弟にうつる?

A. ウイルス感染なのでうつる、ただし兄弟は軽い風邪症状で済むことも。

この記事の根拠

  • 日本小児科学会 子どもがかかりやすい感染症
  • 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 急性喉頭炎・クループ
  • 国立感染症研究所 感染症発生動向調査
  • 日本学校保健会 学校において予防すべき感染症の解説

まとめ

  • クループは 6か月〜3歳に多いウイルス性上気道炎、秋〜春に多発
  • 3徴:犬吠様咳・嗄声・吸気性喘鳴
  • 夜中に急激に悪化 することが多い
  • 冷気を吸わせる・落ち着かせる:家庭での初期対応
  • ステロイド単回投与 が中等症以上の標準治療
  • 急性喉頭蓋炎(よだれ・前傾・高熱)との鑑別が重要、緊急
  • 反復例はアレルギー素因 を評価

大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。診断・治療は必ず小児科・耳鼻咽喉科の医師にご相談ください。

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