メインコンテンツへスキップ
0〜2歳🏥健康・医療🤱妊娠・出産

妊娠中の下肢静脈瘤:原因・弾性ストッキング・産後の経過

妊娠中の下肢静脈瘤は妊婦の10〜20%が経験。血液量の増加・ホルモン・子宮による圧迫で起こります。弾性ストッキング・足の挙上・適度な運動が対策の柱で、多くは産後3〜6か月で改善。深部静脈血栓症との区別と受診の目安も整理しました。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-05-297分で読めます
情報の信頼性

情報源:産婦人科関連医療情報 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-05-29参考文献:4
共有LINEX

この記事のポイント

  • まず結論:妊娠中の下肢静脈瘤は妊婦の 10〜20%が経験。多くは産後3〜6か月で自然改善
  • 対策弾性ストッキング・足の挙上・適度な運動
  • 要受診サイン:片足だけ急に腫れる・強い痛み・皮膚色変化 → 深部静脈血栓症 の可能性
  • 対象:妊娠中・出産後の女性向け

受診のタイミング

状況 対応
すぐ受診 片足だけが急に腫れる・痛む(深部静脈血栓症の可能性)/皮膚の色が紫・赤く変わる/呼吸困難・胸痛(肺血栓塞栓症の疑い、救急)/静脈瘤の破裂・出血
産科・血管外科で相談 静脈瘤が痛む/日常生活に支障/皮膚に湿疹・色素沈着/産後も改善しない(産後6か月以上)
家庭ケア 軽い静脈瘤・足のだるさ/弾性ストッキング・挙上で対応中

なぜ妊娠中に静脈瘤ができやすいか

産婦人科関連情報 より、妊娠中の下肢静脈瘤は 3つの要因 で起こります:

① 血液量の増加

  • 妊娠後期に 妊娠前の約1.4倍
  • 下肢の静脈への負担増加

② 女性ホルモン(プロゲステロン)の影響

  • 血管壁の 平滑筋を弛緩 させる
  • 静脈の弁の機能低下

③ 子宮による圧迫

  • 大きくなった子宮が 骨盤内の太い静脈を圧迫
  • 下肢からの 血液の戻り が悪くなる
  • 静脈に血液がたまり拡張

発症のリスク因子

  • 妊娠回数が多い(経産婦)
  • 家族歴(遺伝的素因)
  • 多胎妊娠
  • 長時間の立ち仕事
  • 肥満
  • 加齢(高齢妊娠)

主な症状

見た目

  • 足の血管が浮き出る:太もも裏・ふくらはぎ・足首
  • ボコボコと膨らむ
  • クモの巣状の細い赤い血管
  • 外陰部の静脈瘤(妊娠中の2〜4%)

自覚症状

  • 足のだるさ・重さ
  • むくみ
  • こむら返り(特に夜中)
  • かゆみ
  • 熱感
  • 進行すると 痛み

慢性化のサイン

  • 皮膚の色素沈着(茶色く)
  • 湿疹・かゆみ
  • 皮膚が硬くなる
  • 潰瘍(重症)

深部静脈血栓症との区別

最も警戒すべき は深部静脈血栓症(DVT)。妊娠・産後はリスクが上がる:

症状 静脈瘤(多くは生理的) 深部静脈血栓症(要救急)
発症 徐々に 突然
左右差 両足 or 左右ほぼ同じ 片足だけ急に腫れる
痛み だるさ・重さ 強い痛み
皮膚色 通常 or 静脈の色 紫・赤く変色
熱感 軽度 明らかな発熱感
緊急性 経過観察 すぐ受診

肺血栓塞栓症に進展すると 呼吸困難・胸痛・突然死 のリスクがあるため、深部静脈血栓症を疑ったら すぐ救急受診

家庭でできる対策

① 弾性ストッキング(最も推奨)

各医療機関の解説 より、妊娠中の静脈瘤予防・対策の柱:

  • 段階的な圧迫力(足首が一番強く、上に向かって弱く)
  • 血液を心臓に押し戻す効果
  • 朝起きたらすぐ履く(足が腫れる前)
  • 夜寝る時は脱ぐ
  • 妊娠初期から 履き始めても可
  • 産後も継続使用

選び方のポイント

  • マタニティ用または医療用
  • 圧迫力は20〜30 mmHg程度(妊娠用)
  • サイズを正確に計測(足首・ふくらはぎ)
  • 助産師・薬剤師・血管外科に相談を

② 足の挙上

  • 横になる時、足を心臓より高く(クッション・枕)
  • 1日数回 10〜20分
  • 寝る時も足元を少し高く

③ 適度な運動

  • ウォーキング:ふくらはぎのポンプ機能を使う
  • 足首の上下運動(座り作業中の合間に)
  • マタニティスイミング
  • 切迫早産等の指示がない範囲で

④ 生活習慣

  • 長時間の立ちっぱなし・座りっぱなしを避ける
  • 立ち仕事の合間に座る、座り仕事の合間に歩く
  • きつい下着・ベルトを避ける
  • 体重管理(適正な妊娠中体重増加)
  • 十分な水分
  • 塩分を控えめに(むくみ予防)

⑤ マッサージ

  • 下から上へ 軽く撫でる
  • 強い指圧はNG
  • お風呂上がりに

産後の経過

  • 妊娠中に出現した静脈瘤の 多くは産後3〜6か月で改善
  • ただし 完全に消えない ことも(特に経産婦・家族歴あり)
  • 産後も 弾性ストッキング を継続
  • 6か月以上経っても症状が強い・痛む場合は 血管外科 に相談

産後の治療選択肢

  • 硬化療法:血管に薬を注入して閉塞させる
  • レーザー治療
  • 手術(ストリッピング)
  • 適切な治療法は血管外科医と相談

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
「妊娠中だから諦める」と何もしない 弾性ストッキング・挙上で症状緩和可能
市販の弾性ストッキングを自己判断で強圧迫タイプ 妊娠中は適切な圧迫力が大事。専門相談を
長時間の立ちっぱなし・座りっぱなし 血流停滞で静脈瘤悪化
きつい下着・ベルト・補正下着 血流を妨げる
強いマッサージ 血管を傷つける可能性
「左右差・突然の腫れ」を様子見 深部静脈血栓症の可能性、すぐ受診
塩分の過剰摂取 むくみ悪化
産後に症状が強いのに放置 治療で改善可能。血管外科に相談を

よくある誤解

Q. 静脈瘤は治る?

A. 多くは産後3〜6か月で改善。残った場合は治療法(硬化療法・手術)があります。

Q. 弾性ストッキングは妊娠初期から?

A. 早めの着用が予防効果 が高い。妊娠初期からでも可。

Q. 外陰部の静脈瘤はどうすれば?

A. 妊娠中の2〜4%に発生。多くは産後に改善。気になる場合は産科に相談を。

Q. クモの巣状の血管も静脈瘤?

A. 細い赤い血管の浮き上がり(クモの巣状静脈)も妊娠中によくある変化。多くは美容的問題のみで治療は任意。

Q. むくみと静脈瘤の違い

A. むくみは血管外に水分がたまる状態、静脈瘤は 血管自体が拡張。両者は併発することも。急なむくみ・体重増加 は妊娠高血圧症候群のサインなので別途受診を。

Q. 何科を受診すれば?

A. まず 産科、必要に応じて 血管外科 に紹介されます。深部静脈血栓症の疑いは 救急受診

この記事の根拠

  • 日本産科婦人科学会
  • 厚生労働省 深部静脈血栓症関連情報
  • こども家庭庁 母子保健

まとめ

  • 妊娠中の下肢静脈瘤は妊婦の 10〜20%が経験、多くは生理的
  • 原因:血液量増加・ホルモン・子宮による圧迫 の3要素
  • 対策:弾性ストッキング・足の挙上・適度な運動・生活習慣
  • 片足だけ急に腫れる・強い痛み・皮膚色変化 は深部静脈血栓症の可能性、すぐ受診
  • 多くは産後3〜6か月で改善、残った場合は血管外科で治療可能
  • 肺血栓塞栓症のサイン(呼吸困難・胸痛)は救急対応

大切なお知らせ:本記事は公的医療情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。妊娠中の症状については、必ずかかりつけ産科の医師にご相談ください。深部静脈血栓症が疑われる場合はすぐ救急受診してください。

🌱

次のステージ:Pre Stage3〜5歳

お子さんが成長したら、こちらもどうぞ

あわせて読みたい

当サイトの情報は公的機関や専門家の発信をもとに編集部が独自にまとめたものです。各情報源の機関が監修・承認したものではありません。健康や発達について心配がある場合は医師や専門家にご相談ください。