この記事のポイント
- まず結論:りんご病は 両頬がりんごのように赤くなる のが特徴。原因はヒトパルボウイルスB19。多くは軽症で1〜2週間で自然に治る
- 重要:発疹が出た時には感染力はほぼなくなっている。感染力があるのは「発疹の出る前のかぜ症状の時期」。出席停止は不要
- 妊婦は要注意:妊娠中に感染すると 胎児水腫・流産 のリスク。家族に妊婦・妊娠の可能性がある人がいる場合は注意
- 対象:4〜10歳のお子さんを持つ保護者(および妊娠中の家族)向け
すぐ受診・数日以内に相談・家庭ケアで様子見
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ救急・受診 | 強い貧血症状(顔色が極端に悪い・ぐったり)/血液疾患をもつ子で発熱・元気消失/呼吸が苦しい/顔だけでなく全身むくみ |
| 小児科を受診 | 高熱が3日以上続く/関節の痛みが強く動かしにくい/家族に妊婦がいる(接触時期と症状の確認)/本人に慢性溶血性貧血など基礎疾患がある |
| 家庭ケアで様子見 | 頬の赤みのみで本人は元気/微熱はあるが食事・水分は取れている/発疹はあるがかゆみは軽度 |
夜間・休日で判断に迷うときは #8000 に電話できます。家族に妊婦 がいる場合は別途確認を。
りんご病とは
りんご病(正式名:伝染性紅斑、英名:fifth disease)は、ヒトパルボウイルスB19 によるウイルス感染症です(国立感染症研究所)。
症状と経過
| 時期 | 症状 | 感染力 |
|---|---|---|
| 感染〜10日 | 無症状 | あり(無自覚) |
| 10〜14日目(前駆期) | 微熱・鼻水・だるさ(風邪のような症状) | 強い(飛沫感染) |
| 15〜20日目(発疹期) | 両頬の赤い発疹 → 腕・体・足にレース状/網目状の赤い発疹 | ほぼなし |
| 発疹後 1〜3週間 | 発疹が出たり消えたり(運動・入浴・日光で再燃) | なし |
特徴的な発疹
- 両頬がりんごのように真っ赤 に:他の感染症との区別ポイント
- その後 腕・体・足にレース状(網目状) の赤い発疹
- かゆみは軽度〜中等度
- 発疹は 暖まると(運動・入浴・日光)一時的に再燃 することがある
- 大人がかかると 関節痛 が強く出ることがある
感染経路
- 飛沫感染(咳・くしゃみ)
- 接触感染
「発疹が出た時には感染力はほぼなし」の意味
これがりんご病の 最大の特徴 です(厚生労働省)。
- 発疹が出る前のかぜ症状の時期:感染力が最も強い(自覚なし)
- 発疹が出た時期:感染力はほぼなくなっている
- そのため 学校保健安全法上の出席停止対象ではない
気づいた時には人にうつせる時期はもう過ぎている ことが多い、というのがインフルエンザやノロとの違いです。
家庭でできること
基本ケア(対症療法)
特効薬はなく、症状をやわらげるケアが中心です。
- 発熱時の水分補給:薄めたイオン飲料・麦茶・スープ
- 解熱剤:38.5℃以上+本人がつらそうなら アセトアミノフェン(カロナール等)を用法用量通り
- 休息:本人がだるそうなら無理に活動させない
- 発疹は触らない・かかない:かゆければ冷たいタオルで冷やす
発疹が出やすい状況を避ける
発疹は 暖まる・刺激 で再燃しやすいので:
- 長湯・熱いお湯を避ける(さっとシャワーで)
- 強い日光(紫外線)に長時間当てない
- 激しい運動の後は冷ます
ただし完治のためにこれらを 絶対避ける必要はありません。本人が嫌がる程度かどうかで判断を。
兄弟・家族の管理
- 発疹が出た子は すでに感染力がほぼない ので、隔離は不要
- ただし 発疹の出る数日前から微熱・鼻水だった 期間にきょうだいや家族に既に感染している可能性あり
- 妊婦の家族がいる場合は次節を確認
⚠️ 妊婦への重要な注意
妊婦が 初めて ヒトパルボウイルスB19に感染すると、胎児に影響が出る可能性があります。
妊婦感染のリスク
- 胎児水腫(胎児の体に水がたまる)
- 流産・死産
- 特に 妊娠20週未満 で感染した場合のリスクが高いとされる
家族にりんご病の子がいる場合の妊婦の対応
- 既に感染して免疫がある成人は再感染のリスクが極めて低い(既往は血液検査でわかる)
- 過去に感染歴がない(または不明な)妊婦は 発疹のある子との接触をできるだけ控える
- ただし 発疹が出てからの感染リスクは低い ので、発疹を見て慌てる必要はない
- 不安があれば産婦人科に相談:血液検査で抗体の有無を確認できる
感染が疑われた妊婦
- 速やかに 産婦人科 を受診
- 必要に応じて血液検査・胎児エコーで経過を確認
- 万一胎児水腫が起きても 胎児輸血 などの治療で救命できることがあるので諦めない
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 発疹が出た時点で「うつるから」と隔離する | 発疹期は既に感染力がほぼない。本人の社会生活を制限しすぎない |
| 「発疹で再燃するからお風呂禁止」と長期入浴禁止 | 過剰反応。さっとシャワーで十分。清潔は大事 |
| アスピリンを解熱に使う | 子どもにはアセトアミノフェンが基本(ライ症候群の懸念) |
| 「妊婦の知人がいるから子の登園を1週間休ませる」 | 発疹期は感染力がほぼないので意味が薄い。むしろ「発疹前のかぜ症状の時期」に接触を避ける |
| 大人がかかって関節痛があるのを「子どもの病気だから軽い」と放置 | 大人は関節痛が強く出ることがある。整形外科でなく内科を受診 |
| 発疹を「アレルギー」と自己判断 | じんましん・薬疹との区別が必要。両頬の赤みが先行するならりんご病を疑う |
受診の詳しい目安
小児科を受診
- 高熱(39℃以上)が3日以上続く
- 関節の痛み・腫れがある(歩きにくい等)
- 慢性的な貧血疾患(球状赤血球症など)の子が発熱・元気消失
- 家族に妊婦がおり、症状の出始めの時期を相談したい
- 発疹が広範囲・強いかゆみで眠れない
救急 / 夜間休日相談
- 顔色が極端に悪い(青白い)・ぐったり
- 全身がむくむ(特に基礎疾患のある子)
- 呼吸が苦しい
- 意識がぼんやり
産婦人科を受診(妊婦)
- りんご病の子と濃厚接触があり、妊娠中
- 自分にも発熱・関節痛・発疹が出てきた
- 血液検査で抗体の有無を確認したい
出席停止と登園・登校
| 項目 | 扱い |
|---|---|
| 学校保健安全法上の出席停止 | 対象外(発疹期は感染力がほぼないため) |
| 保育園・幼稚園 | 本人が元気なら登園可。園のルールに従う |
| 小学校 | 本人が元気なら登校可 |
| プール | 法的禁止なし。本人の体調による |
「うつる病気だから休ませる」と考える保護者が多いですが、発疹が出た時点で感染力はほぼなく、本人の体調が良ければ普段通りの生活でOKです。
よくある誤解
Q. 頬が赤いだけで本人は元気。様子見でいい?
A. 多くの場合 その通りです。1〜2週間で自然に治ります。ただし家族に妊婦・血液疾患のある方がいる場合は別途配慮を。
Q. 何回もかかりますか?
A. 基本的に一度かかれば免疫ができ、再感染しない とされます。ただし免疫が弱った状態だとまれに再感染することも。
Q. 大人もかかる?
A. かかります。子どもより 関節痛が強く出る 傾向があります。
Q. 妊娠中で家族の子がりんご病に。どうすれば?
A. 産婦人科に連絡 し、抗体検査の必要性を相談してください。既に免疫があれば心配いりません。なければ経過観察・必要に応じて胎児エコー。
Q. 出席停止はないけど、休ませたほうがいい?
A. 本人が元気なら 休ませる医学的必要性はありません。発熱・関節痛がつらければ休養を。
Q. 解熱剤は使っていい?
A. アセトアミノフェン(カロナール等)を用法用量通り ならOK。アスピリン系は使わない。
この記事の根拠
- 国立感染症研究所 伝染性紅斑(ヒトパルボウイルスB19)
- 厚生労働省 伝染性紅斑(疾病情報)
- 厚生労働省 保育所における感染症対策ガイドライン
- 学校保健安全法施行規則(伝染性紅斑は出席停止対象外)
- こども家庭庁 こども医療電話相談事業(#8000)
まとめ
- りんご病は 両頬がりんごのように赤くなる ヒトパルボウイルスB19感染症
- 発疹が出た時点で感染力はほぼなくなっている が、その 前のかぜ症状の時期 に最も感染しやすい
- 出席停止は 不要、本人が元気なら登園・登校できる
- 妊婦は重大なリスク:胎児水腫・流産。家族・知人に妊婦がいるなら接触の時期について産婦人科に相談を
- 特効薬はなく、対症療法と休養が基本
大切なお知らせ:本記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。医療行為の指示ではありません。お子さまの個別の症状、および妊娠中の感染が疑われる場合は、必ずかかりつけ医・小児科・産婦人科の医師にご相談ください。

