この記事のポイント
- まず結論:学童(30kg目安)で 1日1.8〜2.4L が維持必要量
- 乳幼児:スプーン5〜10mL/5〜10分おき、幼児〜小学生:コップ75〜150mL/15〜30分おき
- 使い分け:普段は水・お茶/運動時はスポーツドリンク/嘔吐下痢時は経口補水液(OS-1等)
- 対象:0〜12歳のお子さんを持つ保護者向け
受診のタイミング
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ救急 | ぐったり・反応が鈍い/半日〜1日 おしっこが出ない/意識がぼんやり/けいれん/呼吸が苦しい |
| すぐ受診 | 嘔吐・下痢が続いて水分が取れない/6か月未満で発熱+脱水傾向/皮膚をつまんでなかなか戻らない/泣いても涙が出ない |
| 家庭ケアで様子見 | 軽い汗・短時間の運動後/普段通り元気でおしっこも出ている/少量ずつ水分が取れている |
夜間・休日で判断に迷うときは かかりつけ小児科 に電話してください。
1日に必要な水分量
大塚製薬工場 や厚労省の指針より、目安量:
| 年齢・体重 | 1日の維持必要水分量 |
|---|---|
| 0歳(乳児) | 体重1kgあたり 100〜150mL(哺乳量込み) |
| 1〜2歳 | 1.0〜1.4L |
| 3〜5歳(15kg程度) | 1.0〜1.5L |
| 6〜9歳(25kg程度) | 1.4〜1.8L |
| 10〜12歳(30kg程度) | 1.8〜2.4L |
食事に含まれる水分 も含めた量。飲料だけで全量摂る必要はありません。
水分量を増やすべき状況
- 夏(暑い日) :+20〜30%
- 発熱時:+20〜30%
- 下痢・嘔吐時:失われた分を追加
- 運動時:30分以上の活動で別途補給
なぜ子どもは脱水しやすいか
OS-1 幼児・乳児の脱水症 より:
体の仕組み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 体内水分割合 | 乳幼児 70〜80%(成人60%) |
| 体温調節機能 | 発達途中、汗のかき方が未熟 |
| 腎機能 | 成人より未熟、水分保持が苦手 |
| 体表面積 | 体重比で大、水分蒸発が多い |
| 本人の自覚 | 乳幼児は「のどが渇いた」を言葉にできない |
結果
- わずかな水分不足でも脱水になりやすい
- 大人より早く重症化する
- 本人の訴えを待たず、定期的に飲ませる が原則
脱水のサイン
軽度〜中等度
- 唇・口の中が乾く
- おしっこの回数が普段より少ない
- おしっこの色が濃い
- 元気がない・機嫌が悪い
- 泣いても涙が少ない
中等度〜重度(要受診)
- 皮膚をつまんでなかなか戻らない
- 目がくぼんで見える
- 手足が冷たい
- 呼吸が速い・浅い
- 半日〜1日おしっこが出ない
- ぐったり・反応が鈍い
「半日以上おしっこが出ない」は重要サイン。乳幼児は特に注意。
飲ませ方の基本
「少量を頻回」が原則
| 年齢 | 量 | 頻度 |
|---|---|---|
| 乳児(〜1歳) | スプーン1〜2杯(5〜10mL) | 5〜10分おき |
| 幼児(1〜5歳) | コップ半分〜1杯(75〜150mL) | 15〜30分おき |
| 小学生 | コップ1杯(150〜200mL) | 30分〜1時間おき |
一気飲みは避ける
- 吐く・下痢を悪化 させる
- 吸収効率も悪い
- 「ペットボトル直接ガブ飲み」より「少しずつコップで」
タイミング
- 起床後
- 食事と一緒に
- 遊び・運動の前後
- 入浴後
- 就寝前
- 発汗を見たら
飲み物の使い分け
| 飲み物 | 普段 | 運動時 | 嘔吐・下痢時 | 熱中症時 |
|---|---|---|---|---|
| 水 | ⭕ | △(運動程度で) | △ | △ |
| 麦茶(カフェインなし) | ⭕ | ⭕ | △ | △ |
| 牛乳 | ⭕(食事として) | × | × | × |
| 果汁ジュース | △(量を制限) | △ | × | △ |
| スポーツドリンク | △ | ⭕ | △(薄める) | ⭕ |
| 経口補水液(OS-1等) | × | × | ⭕ | ⭕ |
スポーツドリンクと経口補水液の違い
消費者庁 より:
- スポーツドリンク:日常〜運動時用、糖分多め
- 経口補水液:脱水時用、ナトリウム・カリウムが約3〜4倍、糖分は少なめ
- 経口補水液は WHO 経口補水療法(ORT) に用いる病者用飲料
経口補水液(OS-1等)の使い方
- 下痢・嘔吐・熱中症 に
- 目安:体重1kgあたり 30〜50mL/日(乳幼児)
- 健康時の普段使いは推奨されない(塩分が多い)
- 少量ずつ・頻回 に
熱中症対策
暑い日の水分補給
- 暑くなる前から飲む(喉が渇いてからでは遅い)
- 塩分も意識:汗で失われる
- 直射日光下では特に頻回
- 室内でも油断しない:エアコン使用で脱水気づきにくい
子どもの熱中症リスク
- 大人より高い位置の暑さ:地面に近く照り返し
- 車内放置は絶対NG:数分で重症化
- 遊びに夢中 で水分補給を忘れる
- マスク着用時 も注意
経口補水液を準備しておく
- 常備しておく(賞味期限管理)
- 症状が出てから買いに行くのは遅い
- 家庭・車・外出バッグに
病気の時の水分補給
嘔吐の時
- 嘔吐直後30〜60分は何も与えない(胃を休ませる)
- スプーン1杯から開始
- 吐かなければ少しずつ増やす
- 経口補水液が最適
下痢の時
- 失われた水分・電解質 を補う
- 経口補水液 が第一選択
- 牛乳・濃いジュースは下痢を悪化させる
発熱の時
- 平時より20〜30%多めに
- 冷たい水・常温の水を本人の好みで
- 体を冷やしすぎない
詳細は別記事「ノロウイルス胃腸炎」を参照。
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 「のどが渇いた」と言うまで待つ | 子どもは渇きを言語化できない、その時点で既に脱水傾向 |
| 一気飲みさせる | 吐く・吸収悪化 |
| 濃いジュースを大量に | 糖分過多で下痢・脱水悪化 |
| 冷たすぎる飲み物を一気に | 胃を冷やす、お腹を壊す |
| 経口補水液を健康時に常飲 | 塩分過多 |
| 「水を飲みたがらない」と諦める | 飲み物・温度・容器を工夫する |
| 車内放置 | 数分で熱中症リスク、絶対NG |
| エアコン使用中の油断 | 室内でも脱水起こる |
よくある誤解
Q. 牛乳で水分補給できる?
A. 食事としての位置づけ。水分・栄養補給にはなるが、運動時・脱水時には不向き。
Q. ジュースなら飲んでくれる
A. 糖分過多・虫歯リスク。少量に留め、水・麦茶を基本に。
Q. 経口補水液は健康な子も飲んでいい?
A. 塩分が多いので普段使いは推奨されません。脱水時・熱中症リスク時に。
Q. スポーツドリンクは薄めるべき?
A. そのままが本来の効果。乳児用は子ども用に薄めるものもある。
Q. 「水分摂りすぎ」はある?
A. 大量に一度に飲むと水中毒(低ナトリウム血症)のリスクが極めて稀にある。普通の量なら問題なし。
Q. 何科を受診すれば?
A. 小児科。重度の脱水は救急対応も。
この記事の根拠
- 消費者庁 経口補水液の適正使用について
- 厚生労働省 水分補給と休憩(熱中症ガイド)
- 大塚製薬工場 OS-1 幼児・乳児の脱水症
- 厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド
まとめ
- 学童(30kg目安)で1日1.8〜2.4L が目安、年齢・状況で調整
- 子どもは 体内水分70〜80%・体温調節未熟 で脱水しやすい
- 「少量を頻回」 が原則:乳児はスプーン5〜10mL、学童はコップ1杯
- 使い分け:普段は水・麦茶/運動時はスポーツドリンク/嘔吐下痢・熱中症は経口補水液
- 脱水サイン:おしっこ減少・唇乾き・元気消失・皮膚の戻り悪い
- 「半日以上おしっこが出ない」は要受診
- 車内放置・エアコン使用中の油断 にも注意
大切なお知らせ:本記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。お子さまの個別の症状については、必ずかかりつけ医・小児科の医師にご相談ください。

