この記事のポイント
- まず結論:2026年は 第34週(8月17〜23日)に全国の定点当たり報告数が1.11 となり、流行開始の目安「1.0」を超えました。東京・神奈川は8月中に流行開始、9月に入って学級閉鎖の報告が出始めています
- 今すぐ決めておくこと:①どの症状ならその日に受診か ②出席停止の数え方(発症日・解熱日は「0日」) ③予防接種をいつ受けるかをかかりつけ医に相談
- 数字の見方:定点報告数は「流行の目安」。お子さんが感染する確率ではありません。公式の週次発表を1か所だけ追えば十分
- 対象:保育園・幼稚園・小学校に通うお子さんを持つ保護者向け
SNSや口コミで見られる「リアルな困りごと」
「9月なのにもうインフル?学級閉鎖のお知らせが来て、予防接種まだなのに…と焦った。」
「保育園の呼び出しコール、着信音だけで心拍数が上がるようになった。」
「解熱したのに『まだ登園できません』の日数計算、毎回自信がない。」
こうした声は、SNS や子育てコミュニティで実際によく見られるテーマです(編集部が想定した典型例として整えています)。今年は例年より1か月以上早く流行が始まったので、「まだ心の準備ができていない」のが普通です。
ここから先は、国と自治体の公式発表をもとに、9月の今、親が確認しておくことを順に整理します。
発熱した、その日に受診?様子見?
流行状況に関係なく、判断の軸はここです。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ救急(119) | 異常言動(うわ言・つじつまの合わない言葉・突然走り出す)/けいれん/意識がぼんやり/呼吸が苦しそう/唇や顔色が悪い |
| その日のうちに小児科 | 突然の38℃以上の発熱+全身のだるさ・関節痛/家族・クラスに感染者がいる/3か月未満の発熱/水分がとれない・おしっこが減った/5歳未満・基礎疾患あり(重症化リスク群) |
| 早めに受診 | 発熱から 48時間以内(抗インフルエンザ薬の適応の窓) |
| 家庭で様子見 | 水分がとれて、機嫌よく遊べる時間がある、呼吸が落ち着いている |
夜間・休日で迷ったら #8000(こども医療電話相談事業)で看護師等に相談できます。
抗インフルエンザ薬の年齢別の選び方・解熱剤の注意(アセトアミノフェン以外は使わない)・異常行動への備えは、子どものインフルエンザ:抗インフル薬の選択・出席停止・家庭ケア に詳しくまとめています。インフルエンザ脳症のサインは 子どものインフルエンザ対策 を参照してください。
2026年は何が「早い」のか:公式発表の数字
全国:第34週(8月17〜23日)に流行入り
厚生労働省「インフルエンザの発生状況について」(2026年8月28日) より:
- 第34週の全国の定点当たり報告数は 1.11(流行開始の目安「1.0」を超過)
- 感染症法が施行された1999年以降では、2009年に次いで2番目に早い流行入り(前年から流行が続いていた2023年を除く)
例年の流行入りは11〜12月です。今年は2〜3か月早いことになります。
東京・神奈川:8月中に流行開始
東京都「東京都内でインフルエンザが流行開始」(2026年8月27日) より:
- 第34週(8月17〜23日)の都内の定点当たり報告数は 1.49
- 昨年(令和7年)は第39週(9月22〜28日)に流行開始。1か月以上早い
- 夏休み明けで児童・生徒の接触機会が増えるため、学校・家庭での感染拡大に注意
神奈川県「インフルエンザの流行が始まりました!」(2026年) より:
- 第33週(8月10〜16日)の県内の定点当たり報告数は 1.37。東京より1週早く目安を超えた
- 昨年は第39週に 1.24 で流行開始。1か月半ほど早い
9月に入り、学級閉鎖の報告が出始めた
船橋市「船橋市内で今シーズン初の学級閉鎖がありました」 より:
- 市内の小学校で今シーズン初のインフルエンザ様疾患による学級閉鎖(2026年9月4日〜9月6日)
他の自治体でも新学期以降に学級閉鎖が報告されています。お住まいの自治体の状況は、各都道府県の感染症情報センターの「学級閉鎖等の状況」ページで確認できます。
注意:ここに載せた数値は2026年9月7日時点の公式発表です。定点報告数は毎週更新されるので、最新の状況は次の「流行状況の見方」からご自身で確認してください。
流行状況はどこを見ればいい?(毎週更新される公式ページ)
情報源は3つあれば十分です。SNS の「〇〇でインフル爆増」より、まずこちらを。
| 見たいこと | 公式ページ | 更新 |
|---|---|---|
| 全国の定点報告数(週ごと) | 厚生労働省 インフルエンザに関する報道発表資料 | 9〜4月は毎週金曜 |
| 都道府県ごとの流行レベル(色分け地図) | 厚生労働省 インフルエンザ流行状況レベルマップ | 週次 |
| 感染症全体の週報・過去との比較 | 国立健康危機管理研究機構 感染症発生動向調査週報(IDWR) | 週次 |
| 東京都の週次データ・保健所別 | 東京都インフルエンザ情報 | 週次 |
「定点当たり報告数」の読み方:都道府県が指定した医療機関(定点)1か所あたり、1週間に何人のインフルエンザ患者が受診したかの平均です。1.0 超え=流行開始の目安、10 超え=注意報、30 超え=警報の水準として使われます。お子さんが感染する確率そのものではなく、「地域でどれくらい広がっているか」の温度計だと思ってください。
学級閉鎖になったら:仕事と登園・登校はどうなる?
学級閉鎖中、本人が元気でも登校はできない
学級閉鎖は「そのクラスの子は登校しない」措置です。本人が元気でも登校はできません。閉鎖の期間・オンライン授業の有無・学童の受け入れは学校・自治体によって違うので、学校からの連絡文書をそのまま確認してください。
本人が発症したら:出席停止の数え方
学校保健安全法施行規則 第十九条 より:
発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで
数え方の注意:発症日・解熱日は「0日目」(その日は数に入れない)。条文が「発症した後」「解熱した後」と書いているとおり、発症した日・解熱した日は算定に入れず、その翌日を1日目として数えます。
- 発症日=体温が急に上がった日(0日)
- 解熱日=薬を使わず平熱に戻った最初の日(0日)
- 両方の条件を満たした日の翌日から登校・登園できます
- 抗インフルエンザ薬で熱が早く下がっても、「発症後5日」の条件は短くなりません
具体的な日付の例(「9月10日に発熱、13日に解熱」など)は 子どものインフルエンザ:抗インフル薬の選択・出席停止・家庭ケア の「出席停止の数え方」で確認できます。
保育園の登園基準は自治体・園によって「登園届」「意見書」の扱いが違います。園に直接確認してください。
予防接種、今年はいつ受ける?
子どものインフルエンザワクチンは何歳から?回数・時期・卵アレルギー にまとめたとおり、子どものインフルエンザワクチンは任意接種で、生後6か月から。13歳未満は2回接種(間隔2〜4週間)、13歳以上は1回です。効果が出るまでに2週間ほどかかるとされ、例年は「流行が本格化する前の秋」に受けるのが一般的です。
今年は流行入りが早いぶん、「いつ受けるか」をかかりつけ医に早めに相談するのが現実的です。次の点を伝えると相談がスムーズです。
- お子さんの年齢(13歳未満なら2回接種の間隔をどう取るか)
- 卵アレルギー・基礎疾患の有無
- 園・学校でのすでに出ている流行状況
- ワクチンの入荷時期(医療機関によって9月中〜10月以降と差があります)
ワクチンの供給時期・接種開始日は医療機関ごとに違います。「今年は早めに打つべき」と本記事が断定するものではなく、接種時期の判断は必ずかかりつけ医と相談してください。
家庭でできること:流行が早い年の「基本」
流行が早くても、やることは変わりません。特別な対策より、いつもの対策を9月から始めるだけです。
- 手洗い:帰宅後・食事前・トイレ後。石けんで20〜30秒
- 咳エチケット:マスクができる年齢なら、咳・くしゃみのときはマスクか肘で
- 睡眠と食事:新学期の疲れが出る時期。寝不足は免疫の敵
- 看病の備え:解熱剤(アセトアミノフェン)の残量、経口補水液、体温計の電池、兄弟姉妹の隔離スペース
- 仕事の段取り:学級閉鎖・出席停止は1週間前後続きます。祖父母・病児保育・在宅勤務の選択肢を今のうちに確認
- 登校前の検温:発熱に気づかず登校すると、クラス全体の閉鎖につながります
やってはいけないこと
- 解熱剤にアスピリン・ロキソプロフェン系を使う(子どもはアセトアミノフェン一択)
- 熱が下がったからと「発症後5日」を待たずに登校させる(法定の出席停止期間は薬で短縮しない)
- 発症から2日間、子どもを1人にする(異常行動は薬の有無に関わらず報告されています。窓・玄関のロックを)
- SNS の「〇〇で爆増」だけで受診を決める(定点報告数は地域の温度計。受診の判断は症状で)
- 予防接種の時期を自己判断で前倒し・見送りする(かかりつけ医と相談)
よくある誤解
Q. 8月に流行入りなんて、今年のインフルは特別に強いの? A. 公式発表が示しているのは「時期が早い」ことで、「症状が重い」ことではありません。ウイルスの型や重症度の傾向は今後の週報で更新されます。数字の意味を分けて受け取ってください。
Q. 夏なのにインフル?熱中症との見分けは? A. 突然の高熱に全身のだるさ・関節痛・咳が伴えばインフルエンザを疑います。熱中症は暑い環境で起き、頭痛・吐き気・めまいが前に出ます。迷ったら受診で、検査で分かります。
Q. 学級閉鎖のクラスの子と遊んでしまった。すぐ検査すべき? A. 症状が無いうちの検査は、正確に判定できないことがあります。発熱などの症状が出てから受診してください。それまでは手洗いと検温を。
Q. 予防接種を打てば、学級閉鎖でも登校できる? A. できません。学級閉鎖はクラス単位の措置で、個人の接種歴に関係なく適用されます。
この記事の根拠
- 厚生労働省「インフルエンザの発生状況について」(2026年8月28日)
- 厚生労働省 インフルエンザに関する報道発表資料
- 厚生労働省 インフルエンザ流行状況レベルマップ
- 東京都「東京都内でインフルエンザが流行開始」(2026年8月27日)
- 東京都感染症情報センター 東京都インフルエンザ情報
- 神奈川県「インフルエンザの流行が始まりました!」(2026年)
- 船橋市「船橋市内で今シーズン初の学級閉鎖がありました」
- 国立健康危機管理研究機構 感染症発生動向調査週報(IDWR)
- 国立健康危機管理研究機構 インフルエンザとは
- 学校保健安全法施行規則 第十九条
- 厚生労働省 こども医療電話相談事業(#8000)について
まとめ
- 2026年は 第34週(8月17〜23日)に全国で流行入り(定点1.11)。東京1.49・神奈川1.37と、首都圏は8月中に流行開始。9月に学級閉鎖が出始めた
- 受診の軸は流行状況ではなく症状。異常言動・けいれん・呼吸困難は 119、迷ったら #8000
- 出席停止は 「発症後5日 かつ 解熱後2日(幼児3日)」。発症日・解熱日は「0日」と数え、薬で熱が下がっても短縮しない
- 予防接種は 生後6か月から・13歳未満は2回。今年の接種時期はかかりつけ医と早めに相談
- 最新の流行状況は 厚労省の週次発表・レベルマップ・IDWR の3か所で足りる
大切なお知らせ:本記事は公的機関の発表情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報であり、掲載している数値は2026年9月7日時点の目安です。流行状況・学級閉鎖の基準・ワクチンの供給状況は変わりうるため、受診・接種の前に各公式ページや医療機関でご自身で直接ご確認ください。本記事の情報のみで判断せず、緊急時は 119、迷うときは #8000 へ。最終的な判断は医療機関の指示を優先してください。

