メインコンテンツへスキップ
0〜2歳🏥健康・医療

百日咳:特徴的な咳発作の見分け方と乳児期ワクチンの重要性

百日咳は2〜3か月にわたる長引く咳が特徴で、ワクチン未接種の乳児では呼吸停止・脳症のリスクがあります。発症2〜3週間以内のマクロライド系抗菌薬で感染拡大を防ぎ、五種混合ワクチンと家族の追加接種で予防します。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-05-299分で読めます
情報の信頼性

情報源:国立感染症研究所・厚生労働省 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-05-29参考文献:4
共有LINEX

この記事のポイント

  • まず結論:百日咳は 2〜3か月続く長引く咳 が特徴の細菌感染症。発症2〜3週間以内のマクロライド系抗菌薬 で感染拡大を防ぐ
  • 乳児は危険:ワクチン未接種の3か月未満で 無呼吸・けいれん・脳症 のリスク
  • 予防は五種混合ワクチン(生後2か月から)、家族の追加接種も推奨
  • 対象:0〜12歳のお子さんを持つ保護者向け、特に乳児の家族

すぐ救急・受診・家庭ケアで様子見

状況 対応
すぐ救急(119) 3か月未満の乳児で咳発作+顔色不良・呼吸停止(無呼吸発作)/けいれん/意識がぼんやり/呼吸が苦しい・チアノーゼ/咳の後に吐き続けて脱水
小児科を受診 2週間以上続く咳/咳発作のあとヒューと息を吸い込む音/咳で吐く/夜間の連続咳/家族・園で百日咳が流行/ワクチン未接種の子の長引く咳
家庭ケアで様子見 受診済み・抗菌薬服用中で症状が落ち着いている/咳は残るが本人は元気で食事・水分は取れる

夜間・休日で判断に迷うときは #8000 に電話できます。乳児の咳+呼吸異常は最緊急

百日咳とは

百日咳は 百日咳菌(Bordetella pertussis) による細菌感染症で、学校保健安全法 第2種感染症 に指定されています(国立感染症研究所)。

名前の由来

「咳が 100日続く ように長引く」が名前の由来。実際に2〜3か月(6〜10週間)の経過をたどります。

病期と特徴

病期 期間 症状 感染力
潜伏期 5〜10日 無症状 あり
カタル期 2〜3週間 鼻水・軽い咳・微熱(風邪と区別困難) 最も強い
痙咳期(けいがいき) 2〜3週間 激しい咳発作 → ヒューと息を吸う(吸気性笛声)/咳で吐く/顔が赤くなる/夜間に多い 中程度
回復期 2〜3週間 咳が徐々に減るが時々発作的に出る 弱い

「特徴的な咳発作」とは

  • 10〜30回の連続的な咳
  • 咳の合間に息ができず、顔が赤くなる
  • 咳の最後に 「ヒュー」「ウー」と息を吸い込む音(吸気性笛声)
  • 咳の後に 吐く(咳嘔吐)
  • 夜間に悪化
  • 発作の間は無症状で元気そう

年齢による違い

年齢 経過
3か月未満(ワクチン未接種) 典型的な咳発作が出ず、無呼吸発作・チアノーゼ・けいれん で発症。脳症・死亡リスクあり
乳児(ワクチン接種前後) 典型的な咳発作と咳嘔吐
学童・大人 軽症で長引く咳のみのことも多い。家族内で乳児への感染源 になりやすい

治療

マクロライド系抗菌薬

  • アジスロマイシン・クラリスロマイシン・エリスロマイシン が第一選択
  • 発症から2〜3週間以内 に開始すると、感染拡大を防ぐ効果あり
  • 発症から長期間経った後の投与は症状改善効果は限定的だが、他者への感染を防ぐ目的 で処方されることがある
  • 抗菌薬は 指示された日数を飲み切る

対症療法

  • 咳止めの効果は限定的(百日咳の咳は気管支拡張薬・通常の咳止めが効きにくい)
  • 水分・栄養補給:咳嘔吐で脱水しやすい
  • 加湿・安静
  • 重症例では入院・酸素投与

予防:ワクチンが最強

五種混合ワクチン(生後2か月〜)

百日咳の予防は ワクチン接種が最も効果的。2024年4月から 五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib) が定期接種に:

接種回数 時期
1回目 生後2か月
2回目 1回目から4週後
3回目 2回目から4週後
4回目(追加) 3回目から1年後(1歳半ごろ)

五種混合導入前は四種混合(DPT-IPV)+Hib単独接種でしたが、現在は1本の接種で済むよう統合されました。

二種混合(DT、11〜12歳)

学童期には DT(ジフテリア・破傷風)の追加接種

  • 11〜12歳で接種
  • ただし 百日咳成分は含まれない ため、思春期以降は再び免疫が低下することに

大人・周囲の追加接種

ワクチン効果は 4〜12年で低下 するため、思春期以降の家族・周囲は 任意の追加接種 が推奨されます:

  • 保護者・祖父母 の追加接種(特に乳児がいる家庭)
  • 医療従事者・保育士・教員
  • 妊婦の Tdap 接種(米国等で推奨、日本では任意)

家庭でできること

治療中のケア

  • 抗菌薬を指示された日数を飲み切る
  • 加湿:湿度50〜60%
  • 水分こまめに:咳嘔吐で脱水を防ぐ
  • 少量を頻回に食事:吐いてもまた食べる
  • 上半身を高くして寝る:咳が楽になる
  • 冷たい飲み物:のどの刺激を和らげる
  • 兄弟との距離を取る(特に乳児)

家族の感染対策

  • タオル・コップを分ける
  • 手洗い・換気
  • 乳児への接近を控える(咳のある家族は別室・マスク)
  • 乳児がいる家庭の大人は予防接種の追加 を検討

観察ポイント

  • 咳発作の 頻度・連続回数
  • 咳発作のあとの 吸気性笛声
  • 咳の 時間帯(夜間に多いか)
  • 咳嘔吐の有無
  • 食事・水分・尿量(脱水のサイン)
  • 乳児なら無呼吸・チアノーゼ

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
「長引く風邪」と2週間以上の咳を放置 百日咳の可能性。早期受診で感染拡大を防ぐ
抗菌薬を「咳が良くなったから」と自己中断 不完全な殺菌で再発・耐性化
咳止めを連続使用 効果が限定的、副作用のリスク。医師の指示通り
「ワクチンを打ったから大丈夫」と過信 効果は4〜12年で低下。学童期以降は再感染リスク
乳児がいる家庭で家族の咳を軽視 家族から乳児への感染が最も多い感染経路
乳児の予防接種を遅らせる 生後2か月での接種開始が重要。「6か月まで様子見」NG
登園・登校の判断を自己判断 「特有の咳消失まで or 5日間の抗菌薬完了まで」休む必要

出席停止と登園・登校

厚生労働省 保育所における感染症対策ガイドライン より:

  • 学校保健安全法 第2種感染症
  • 出席停止:特有の咳が消失するまで または 5日間の抗菌薬療法が終了するまで
  • 医師の登園許可証が必要な場合は受診時に依頼

受診の詳しい目安

小児科を受診

  • 咳が 2週間以上 続いている
  • 咳発作のあと ヒューと息を吸う音
  • 咳で吐く(咳嘔吐)
  • 夜間の連続咳
  • 家族・園・学校で百日咳が流行
  • ワクチン未接種の子 の長引く咳
  • 妊婦の家族がいる

すぐ救急 / 夜間休日相談

  • 3か月未満の乳児で咳発作+顔色不良・呼吸停止(無呼吸発作)
  • けいれん
  • 意識がぼんやり
  • 呼吸が苦しい・チアノーゼ
  • 咳の後に吐き続けて脱水

夜間・休日は #8000 に相談できます。

よくある誤解

Q. ワクチンを打ったのに百日咳にかかるの?

A. 効果は4〜12年で低下 するため、学童・思春期・成人で再感染することがあります。乳児が接種する前の月齢を家族で守る ことが重要。

Q. 百日咳のワクチンは大人にも必要?

A. 乳児がいる家庭の大人は追加接種が推奨。日本では現在 任意接種。

Q. 咳止めで治る?

A. 通常の咳止めは効果が限定的。マクロライド系抗菌薬による菌の根絶が治療の本体。

Q. ワクチンの副反応が心配です

A. 五種混合ワクチンは 接種部位の腫れ・微熱 が主な副反応で、重い副反応は稀。予防効果のほうがはるかに大きい とされます。

Q. 何科を受診すれば?

A. 小児科。長引く咳の評価・百日咳の迅速検査・抗菌薬処方が可能。

Q. 兄弟も予防的に薬を飲める?

A. 百日咳の場合、未接種・接種途中の乳児への家族内感染予防として予防投与が検討 されることがあります。医師に相談を。

この記事の根拠

  • 国立感染症研究所(現・国立健康危機管理研究機構)百日咳
  • 厚生労働省 百日せき
  • 厚生労働省 保育所における感染症対策ガイドライン
  • 学校保健安全法施行規則 第十九条(第二種感染症)
  • こども家庭庁 こども医療電話相談事業(#8000)

まとめ

  • 百日咳は 2〜3か月続く長引く咳 が特徴、痙咳期の連続咳+ヒューと息を吸う音 が手がかり
  • 3か月未満の乳児では無呼吸・けいれん・脳症のリスク あり、命に関わる感染症
  • 治療は マクロライド系抗菌薬、発症から 2〜3週間以内 が効果的
  • 予防は 五種混合ワクチン(生後2か月〜)、家族の追加接種も
  • 出席停止は 特有の咳消失まで or 抗菌薬5日完了まで

大切なお知らせ:本記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。医療行為の指示ではありません。お子さまの個別の症状・ワクチン接種については、必ずかかりつけ医や小児科の医師にご相談ください。

🌱

次のステージ:Pre Stage3〜5歳

お子さんが成長したら、こちらもどうぞ

あわせて読みたい

当サイトの情報は公的機関や専門家の発信をもとに編集部が独自にまとめたものです。各情報源の機関が監修・承認したものではありません。健康や発達について心配がある場合は医師や専門家にご相談ください。