メインコンテンツへスキップ
0〜2歳🏥健康・医療

細気管支炎の対処法:2歳未満のRSウイルス感染症が主因──呼吸困難・無呼吸の見極めとパリビズマブ予防

細気管支炎は2歳未満の乳児に多い下気道感染症で、RSウイルスが主因。鼻水・咳から始まり、3〜5日目にぜいぜい・呼吸困難のピーク。早産児・先天性心疾患などハイリスク児にはパリビズマブ(シナジス)月1回筋注で予防。受診目安・無呼吸の警告・新生児ニルセビマブ・妊婦RSVワクチンまで整理しました。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-06-097分で読めます
情報の信頼性

情報源:国立感染症研究所・日本小児科学会・日本呼吸器学会 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-06-09参考文献:4

受診の目安

  • 高熱が続く・ぐったりしている・水分が取れない場合はすぐに受診
  • 症状が3日以上改善しない場合はかかりつけ医に相談
  • 夜間・休日の急な症状は#8000(子ども医療電話相談)

この記事は情報提供を目的としたものであり、医療上の助言ではありません。

共有LINEX

この記事のポイント

  • まず結論:細気管支炎は 2歳未満に多い下気道感染症RSウイルスが主因
  • 重症サイン陥没呼吸・SpO2低下・哺乳力低下・無呼吸
  • ハイリスク児にはパリビズマブ予防、新生児ニルセビマブも導入
  • 対象:0〜2歳のお子さんを持つ保護者向け

⚠️ 本記事の取り扱い

細気管支炎は 乳児で急速に悪化 することがあります。呼吸が苦しい・無呼吸・チアノーゼ は救急受診を。

受診のタイミング

状況 対応
すぐ救急(119/救急外来) 無呼吸エピソード陥没呼吸(みぞおち・肋骨間がへこむ)/チアノーゼ(唇・指先が青い)/意識がぼんやり/哺乳が全くできない/3か月未満の発熱・呼吸異常
すぐ受診(小児科) ぜいぜい・呼吸が苦しい/呼吸数が異常に速い/哺乳量が普段の半分以下/3か月未満の発熱
早めに受診 鼻水・咳が続く/微熱が続く/普段と様子が違う

細気管支炎とは

国立感染症研究所 RSウイルス感染症日本小児科学会 より:

基本

  • 下気道(細気管支)の感染症
  • 2歳未満に多い、特に 6か月未満
  • 冬〜春が流行のピーク(夏〜秋にもシフト)
  • 入院理由の上位:乳児の呼吸器疾患

原因ウイルス

ウイルス 割合・特徴
RSウイルス(RSV) 最多
ヒトメタニューモウイルス(hMPV) 2番目に多い、春に流行
パラインフルエンザウイルス
インフルエンザウイルス
アデノウイルス
ライノウイルス

RSウイルスの特徴

  • 2歳までにほぼ全員が感染
  • 何度もかかる(免疫が長続きしない)
  • 初感染の乳児で重症化リスク
  • 大人・年長児は風邪症状

症状

国立感染症研究所 より:

典型的な経過

経過 症状
潜伏期 2〜8日
1〜3日目 鼻水・咳・発熱(上気道炎症状)
3〜5日目 ぜいぜい・呼吸困難のピーク
5〜7日目 軽快に向かう
7〜10日目 多くは完治

乳児の症状

  • 鼻づまり・くしゃみ
  • 湿った咳
  • ぜいぜい・呼吸が苦しい
  • 発熱(多くは微熱)
  • 哺乳力低下
  • 不機嫌・睡眠の乱れ
  • 無呼吸(特に新生児・早産児)

「無呼吸」の警告

  • 新生児・早産児で特に
  • 数秒〜十数秒の呼吸停止
  • 顔色不良を伴う
  • すぐ救急

重症化リスク

ハイリスク群

  • 3か月未満
  • 早産児(特に妊娠29週未満)
  • 慢性肺疾患:肺気管支異形成症(BPD)等
  • 先天性心疾患(血行動態に問題)
  • 免疫不全
  • 神経筋疾患
  • 多胎児

重症化の指標

呼吸数・呼吸様式

  • 呼吸数増加(年齢別目安:別記事「小児肺炎」参照)
  • 陥没呼吸:吸う時にみぞおち・肋骨間がへこむ
  • 鼻翼呼吸:鼻の穴が広がる
  • 唸るような呼吸

全身状態

  • チアノーゼ:唇・指先が青い
  • SpO2 ≤ 94%:要受診、≤90%は救急
  • 哺乳力低下:普段の半分以下
  • 意識の異常
  • 無呼吸エピソード

治療

日本呼吸器学会 より:

基本は対症療法

  • 特効薬なし(RSウイルス用の治療薬は研究段階)
  • 水分補給:脱水予防
  • 加湿・吸引:鼻づまり対策
  • 発熱には解熱剤:アセトアミノフェン

入院加療

  • 酸素投与:SpO2 維持
  • 点滴・経管栄養:哺乳不良時
  • モニター観察:無呼吸・SpO2
  • 吸引:気道確保

抗菌薬

  • 基本不要:ウイルス感染のため
  • 細菌の混合感染 が疑われる場合のみ

ステロイド・気管支拡張薬

  • エビデンス限定的:使用は症例選択
  • 施設・医師判断で

予防

パリビズマブ(シナジス)

国立感染症研究所 より:

  • RSウイルスの抗体製剤
  • ハイリスク児に月1回 筋肉注射:流行期間中
  • 保険適用(条件あり):
    • 早産児(妊娠29週未満は1歳未満、29〜35週は6か月未満)
    • 慢性肺疾患(24か月未満)
    • 先天性心疾患(24か月未満)
    • 免疫不全・神経筋疾患
  • 流行期に合わせて開始

ニルセビマブ(新生児RSV予防)

  • 2024年〜日本でも導入
  • シーズン全体をカバーする1回投与の長時間作用型抗体
  • 健常児も含む対象拡大
  • 詳細は小児科・新生児科に相談

妊婦RSVワクチン

  • 2024年に承認
  • 妊娠後期に接種
  • 新生児に移行抗体で保護
  • 小児科・産科で相談

家庭での予防

  • 手洗い・うがい
  • 手指消毒:アルコール有効
  • マスク:流行期の大人
  • きょうだいから赤ちゃんへの感染防止
  • 保育園の流行情報チェック
  • 集団生活の年齢を考慮

家庭でのケア

鼻づまりへの対応

  • 市販の鼻吸い器:手動・電動
  • 生理食塩水点鼻
  • 加湿器:50〜60%
  • 頭を少し高くして寝かせる

水分補給

  • 少量を頻回
  • 母乳・ミルクは続ける
  • 湯冷まし・経口補水液

観察ポイント

  • 呼吸数・呼吸様式
  • SpO2(あれば)
  • 哺乳量
  • おしっこの回数
  • 機嫌・睡眠

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
「ただの風邪」と乳児の咳・ぜいぜいを放置 急速に悪化
陥没呼吸・SpO2低下を様子見 酸素不足で重症化
無呼吸エピソードを軽視 命に関わる
「3か月未満」の発熱・呼吸異常を様子見 迷わず受診
市販の咳止め・抗ヒスタミン薬を勝手に 乳児に推奨されない
抗菌薬を要求 ウイルスには無効
ハイリスク児なのにパリビズマブ受けず 予防効果あり
流行期の集団生活を軽視 感染拡大

よくある誤解

Q. RSウイルスは1回かかれば免疫がつく?

A. 何度もかかる、ただし年齢が上がるほど症状は軽くなる。

Q. パリビズマブは誰でも受けられる?

A. 保険適用は条件付き。早産児・心疾患・慢性肺疾患・免疫不全などが対象。

Q. RSVは大人にもうつる?

A. うつる、大人は風邪症状。乳児に再感染させる経路に。

Q. 抗菌薬は効く?

A. ウイルス感染には無効。混合感染が疑われる時のみ。

Q. ステロイド吸入は効く?

A. 明確なエビデンス限定的、使用は症例選択。

Q. 何科を受診すれば?

A. 小児科、重症は 救急外来・119、長期管理は 小児呼吸器科

この記事の根拠

  • 国立感染症研究所 RSウイルス感染症
  • 日本小児科学会 子どもがかかりやすい感染症
  • 日本呼吸器学会 呼吸器疾患
  • 国立感染症研究所 予防接種スケジュール

まとめ

  • 細気管支炎は 2歳未満に多い下気道感染症RSウイルス が主因
  • 3〜5日目に呼吸困難のピーク
  • 重症サイン:陥没呼吸・SpO2低下・哺乳力低下・無呼吸
  • ハイリスク児はパリビズマブで予防
  • 新生児ニルセビマブ・妊婦RSVワクチン が2024年に導入
  • 抗菌薬は基本不要、対症療法が中心
  • 3か月未満・早産児は低い閾値で受診

大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。診断・治療は必ず小児科の医師にご相談ください。

🌱

次のステージ:Pre Stage3〜5歳

お子さんが成長したら、こちらもどうぞ

あわせて読みたい

当サイトの情報は公的機関や専門家の発信をもとに編集部が独自にまとめたものです。各情報源の機関が監修・承認したものではありません。健康や発達について心配がある場合は医師や専門家にご相談ください。