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6〜8歳健康・医療

マイコプラズマ肺炎:長引く乾いた咳と抗菌薬選択のポイント

マイコプラズマ肺炎は学童期に多い、頑固な乾いた咳が3週間以上続く呼吸器感染症。発熱が下がっても咳だけ長引くのが特徴で、マクロライド系抗菌薬が第一選択ですが、耐性菌の場合は別系統が必要です。公的情報をもとに整理しました。

012.kids 編集部公開: 2026年3月11日更新: 2026年8月24日9分で読めます
情報の信頼性

情報源:日本小児科学会・日本マイコプラズマ学会 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026年3月11日最終確認:2026年8月24日現在参考文献:7

※記載内容は上記時点の情報です。制度・数値・窓口などは変わることがあるため、重要な事項は公式情報でご確認ください。

受診の目安

  • 高熱が続く・ぐったりしている・水分が取れない場合はすぐに受診
  • 症状が3日以上改善しない場合はかかりつけ医に相談
  • 夜間・休日の急な症状は#8000(子ども医療電話相談)

この記事は情報提供を目的としたものであり、医療上の助言ではありません。

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この記事のポイント

  • まず結論:マイコプラズマ肺炎は 学童期に多い 呼吸器感染症。頑固な乾いた咳が解熱後も3〜4週間続く のが特徴。マクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシン等)が第一選択
  • 重要:抗菌薬開始から 48〜72時間 経っても解熱しないときは 耐性菌の可能性 → 再受診で別系統の薬へ
  • 登校:法定の出席停止はなし、全身状態が良ければ登校可
  • 対象:3〜12歳のお子さんを持つ保護者向け

受診の目安

日本小児科学会は保護者向けに「長引く発熱・咳などの症状がみられた際はかかりつけ医を受診しましょう」と呼びかけており、「何日続いたら受診」という日数の線引きはしていませんマイコプラズマ肺炎流行に対する注意喚起)。下の表の日数は、判断の材料として 012.kids 編集部が置いた目安です。

状況 対応
すぐ受診・迷ったら救急(119) 呼吸が苦しい・息が荒い/唇や顔色が紫っぽい(チアノーゼ)/ぐったり・意識がぼんやり/水分が摂れない・半日以上尿が出ない/3か月未満の発熱
早めに受診(編集部の目安:数日以内) 発熱が3日以上続く/咳が1週間以上続く・夜眠れないほど/流行期に家族・園・学校で感染者がいて咳が出てきた
治療開始後の再受診 マクロライド系抗菌薬を飲み始めて48〜72時間たっても解熱しない(耐性菌の可能性・「マクロライド耐性について」の節で詳述)
家庭ケアで様子見 解熱していて全身状態がよく、咳だけが徐々に軽くなっている/食事・水分が取れる

夜間・休日で判断に迷うときは #8000(こども医療電話相談)に電話できます。緊急時は 119。最終的な判断は医療機関の指示に従ってください。

マイコプラズマ肺炎とは

マイコプラズマ肺炎は 肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)という細菌類似の微生物による感染症です(国立健康危機管理研究機構)。

「歩く肺炎」と呼ばれる理由

  • レントゲンで 肺炎の影 が出ていても、本人は比較的元気
  • 発熱はあるが、ウイルス性肺炎ほど呼吸困難にならないことが多い
  • でも 咳は頑固で3〜4週間続く
  • 学童〜若年成人に多い

典型的な経過

国立健康危機管理研究機構 によれば、発熱・倦怠感・頭痛に続いて咳が現れ、咳は初発症状が出てから3〜5日後に始まることが多く、当初は乾いた咳で、経過に従って徐々に強くなり、解熱後も長く続きます(3〜4週間)

時期 症状
発症初期(1〜3日) 発熱・倦怠感・頭痛
3〜5日目ごろ 乾いた咳が出始め、徐々にひどくなる
1〜2週目 咳がピーク。夜間に咳き込んで眠れない/吐くほど
解熱後 発熱は治まるが咳だけ続く(3〜4週間

流行年齢

  • 学童期に多い(幼児から若年層が中心)
  • 保育園・幼稚園の集団生活でも発生
  • 日本小児科学会によれば 3〜7年程度の間隔 で大きな流行が起きることが報告されている(注意喚起
  • 2024年以降、世界的に流行

感染経路

  • 飛沫感染(咳・くしゃみ)
  • 接触感染
  • 潜伏期は 2〜3週間 と長い
  • 家庭内・学校内で広がりやすい

治療:マクロライド系が第一選択

主な抗菌薬

系統 主な薬剤 役割
マクロライド系 クラリスロマイシン、アジスロマイシン 第一選択(小児で安全)
テトラサイクリン系 ミノマイシン、ドキシサイクリン 耐性疑い時、8歳以上で使われやすい
ニューキノロン系 トスフロキサシン 耐性疑い時の選択肢

マクロライド耐性について

国立健康危機管理研究機構 の報告によれば、

効果を判定するタイミングは「48〜72時間」

日本マイコプラズマ学会 肺炎マイコプラズマ肺炎に対する治療指針 および 日本小児科学会 小児のマイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方(2025年3月29日改訂)では、マクロライド系抗菌薬の効果は投与後48〜72時間の解熱で概ね評価できる とされています。

  • マクロライドが効く株では、投与後48時間で大多数(80%以上)が解熱する
  • 耐性株では大多数(約70%)が解熱しない
  • そのため 48時間経過しても解熱しない場合は薬剤の変更を推奨 している

そのため:

  • 抗菌薬を飲み始めて48〜72時間たっても解熱しない ときは 再受診(「もう少し様子を見る」で数日待たない)
  • 自己判断で薬を中止しない
  • 医師の判断でテトラサイクリン系・ニューキノロン系(トスフロキサシン等)に変更することがある。テトラサイクリン系は8歳未満には原則禁忌

家庭でできること

服薬の徹底

  • 抗菌薬は指示された日数を飲み切る(症状が良くなっても続ける)
  • 治療指針 が示す投与期間は アジスロマイシン3日間・クラリスロマイシン10日間・エリスロマイシン14日間
  • ただし 実際の日数は医師の指示が優先 です(体重・経過・薬剤で変わります)

咳への対処

  • 加湿:湿度50〜60%
  • 温かい水分:のどを潤すと咳が和らぐ(白湯・はちみつ入りお茶 ※1歳未満ははちみつNG)
  • 上半身を高くして寝る:仰向けより咳き込みにくい
  • 咳止め:医師の指示通り。子どもの咳は気道を守る反射なので、強い咳止めは慎重に
  • 市販の風邪薬で自己判断しない:成分が重複したり、子どもに不適切なものがある

発熱への対処

  • アセトアミノフェン(カロナール等)を医師の指示通りに
  • 38.5℃以上+本人がつらそうな時に使う
  • アスピリンは使わない(小児)

水分・食事

  • 水分こまめに:脱水を防ぐ
  • 食欲がなければ無理しない、薄味のおかゆ・うどん・ゼリーなどで
  • 咳が止まらず吐いてしまったら、少量ずつ何回かに分けて

家族の感染対策

  • 飛沫感染するので マスク・手洗い・換気
  • タオル・コップを分ける
  • 兄弟に 咳・発熱 が出たら早めに受診
  • 親や祖父母も感染し得る

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
抗菌薬を飲んで48〜72時間たっても熱が下がらないのに「もう少し様子見」 耐性菌の可能性。指針は48時間で解熱しなければ薬剤変更を推奨している
症状が改善したからと抗菌薬を自己中断 再発・耐性化のリスク
「咳がつらいだろう」と強い市販の咳止めを連用 咳は気道を守る反射。安易に止めない
市販の総合感冒薬を子ども用にあわせて自己治療 マクロライド系が必要なので市販薬では治らない
長引く咳に「気管支炎が悪化した」と別の抗生剤を要求 自己判断で増やさない。再受診で適切な判断を
登校・登園を「咳が残っているから」と過剰に休ませる 全身状態が良ければ登校可。むしろ運動制限はストレスに
抗菌薬を「念のため」と兄弟に予防的に飲ませる 耐性菌の原因。検査と処方を受ける

受診の詳しい目安

小児科を受診

  • 発熱が 3日以上 続いている(編集部の目安)
  • 咳が 1週間以上 続いている、または乾いた咳が頑固で夜眠れない/吐くほど(編集部の目安)
  • 家族・園・学校でマイコプラズマが流行
  • 抗菌薬を飲み始めて 48〜72時間たっても解熱しない(耐性疑い、再受診)
  • レントゲンで肺炎を指摘されたあとの経過観察

すぐ救急 / 夜間休日相談

  • 呼吸が苦しい・息が荒い
  • 唇が紫(チアノーゼ)
  • 意識がぼんやり・ぐったり
  • 高熱(40℃以上)が続いて元気消失
  • 半日以上尿が出ない・水分が取れない

夜間・休日は #8000 に相談できます。

登校・登園の判断

こども家庭庁 保育所における感染症対策ガイドライン より:

  • 学校保健安全法上の出席停止期間は定められていない(第3種「その他の感染症」の扱いになることはある)
  • 一般的な目安:発熱が下がり、全身状態が良ければ登園・登校可
  • 咳だけ残っていても、本人が元気なら登校可 が原則
  • 園・学校によって「医師の許可書」を求められることがある

よくある誤解

Q. 熱は下がったのに咳だけ3週間続いています。治っていない?

A. マイコプラズマ肺炎の特徴的な経過 です。咳が3〜4週間続くのは珍しくありません。発熱が下がり全身状態が良ければ、咳だけ残るのは回復過程です。

Q. 咳止めを強く出してもらえば早く治る?

A. 咳は 気道を守る反射 で、安易に強く止めると痰が出にくくなり経過が悪化することも。医師の指示の範囲で。

Q. 抗菌薬を飲んでも効かないので別の病院に行きたい

A. 同じ医師に再受診 を推奨します。48〜72時間で解熱しない=耐性の可能性として、テトラサイクリン系・ニューキノロン系に変更する判断ができます。新しい病院では経過がわからず治療がやり直しになる可能性。

Q. 何度もかかります。

A. マイコプラズマには 免疫がつきにくい ため、何度もかかります。流行期は対策を。

Q. 大人もかかる?

A. かかります。子どもよりも症状が長引く傾向。家庭内で大人にうつることも。

Q. 検査はどのようにしますか?

A. のどの拭い液で 迅速検査(15〜30分)が可能。確定診断には LAMP法・PCR検査・抗体検査 などを使います。レントゲンで肺炎の所見を確認することも。

Q. 何科を受診すれば?

A. 小児科。長引く咳ならまず小児科で評価を。レントゲン・血液検査が必要なら同院で対応します。

この記事の根拠

まとめ

  • マイコプラズマ肺炎は 学童期に多い 呼吸器感染症。乾いた咳が解熱後も 3〜4週間 続く
  • マクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシン・アジスロマイシン)が第一選択
  • 48〜72時間たっても解熱しないときは耐性菌の可能性 → 再受診で薬を変更
  • 「歩く肺炎」と呼ばれるが、呼吸困難・チアノーゼ が出たら救急へ
  • 法定の出席停止はなし、全身状態が良ければ 咳が残っていても登校可

大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。医療行為の指示ではありません。お子さまの個別の症状については、必ずかかりつけ医や小児科の医師にご相談ください。

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