この記事のポイント
- まず結論:やけどは すぐに流水で10〜20分冷やす が鉄則
- 服は無理に脱がさず上から冷やす、水ぶくれは潰さない
- 手のひら以上の範囲・顔・陰部・関節 は受診
- 対象:0〜12歳のお子さんを持つ保護者向け
⚠️ 本記事の取り扱い
やけどは 広範囲・深い・気道熱傷で命に関わる ことがあります。広い範囲・煙を吸った・意識の異常 は迷わず119を。
応急処置(まずこれ)
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ冷やす | 流水で10〜20分(水道水・シャワー)/服の上から でもOK |
| 服がくっついている | 無理に脱がさない、服の上から冷やす |
| 水ぶくれ | 潰さない、清潔に保つ |
| 広範囲・重症 | 冷やしながら 119/全身を冷やしすぎない(低体温に注意) |
| 化学物質・電気 | 大量の流水で洗い流す/119・受診 |
緊急時の判断
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ救急(119) | 広範囲(手のひら何枚分も)/煙を吸った・声がかすれる(気道熱傷)/意識の異常/白く乾いた・黒いやけど/化学・電気やけど |
| すぐ受診(小児科・皮膚科・救急) | 手のひら以上の範囲/顔・陰部・関節/水ぶくれが大きい/2歳未満のやけど |
| 家庭ケアでOK | ごく狭い範囲/赤みのみ/水ぶくれなし/痛みが冷却で和らぐ |
やけどの重症度
日本熱傷学会 熱傷の応急処置 より:
深さの分類
| 度数 | 深さ | 症状 | 治癒 |
|---|---|---|---|
| I度 | 表皮 | 赤み・ヒリヒリ | 数日、跡なし |
| II度(浅い) | 真皮浅層 | 水ぶくれ・強い痛み | 1〜2週間 |
| II度(深い) | 真皮深層 | 水ぶくれ・痛み鈍い | 3〜4週間、跡残ることも |
| III度 | 皮下組織 | 白〜黒・痛み感じない | 手術が必要なことも |
範囲の評価
- 子どもの手のひら ≒ 体表面積の約1%
- 手のひら何枚分か で広さを把握
- 広範囲ほど重症:脱水・全身への影響
- 「9の法則」「5の法則」:医療者が使う
「痛みがない=軽い」ではない
- III度は神経まで損傷して痛みを感じない
- 白く乾いた・黒いやけどは重症
- 痛みの有無で判断しない
正しい応急処置
日本熱傷学会 より:
① すぐ冷やす
- 流水(水道水)で10〜20分
- シャワー・蛇口の水
- やけど直後ほど効果的
- 痛みが和らぐまで
② 服の扱い
- 服の上からやけどした場合:服の上から冷やす
- 服がくっついている:無理に脱がさない
- 脱がせられる服:そっと脱がせて冷やす
- おむつ・きつい服:腫れる前に外す
③ 水ぶくれ
- 潰さない:感染予防、自然な被覆
- 潰れてしまったら:清潔なガーゼで保護、受診
- 市販薬を勝手に塗らない
④ 冷却の注意
- 氷・氷水は使わない:凍傷・血流障害
- 広範囲を冷やしすぎない:低体温に注意(特に乳児)
- 保冷剤を直接当てない:タオル越しに
⑤ やってはいけない民間療法
- 「アロエ・みそ・しょうゆ・油」:感染・悪化
- 「氷で冷やす」:凍傷
- 「水ぶくれを潰す」:感染
- 「絆創膏でぴったり覆う」:蒸れ・感染
部位別の注意
顔・首
- 気道熱傷のリスク:煙・熱湯
- 声がかすれる・咳 は気道熱傷の疑い
- すぐ受診・119
手・指・関節
- 拘縮(引きつれ)のリスク
- 機能障害の可能性
- 必ず受診
陰部・お尻
- 感染しやすい
- おむつ部位は要注意
- 受診
広範囲
- 脱水・体温調節障害
- 全身管理が必要
- 119
やけどの原因と予防
消費者庁 子どもの事故防止(やけど) や こども家庭庁 より:
よくある原因
| 原因 | 予防 |
|---|---|
| 熱い飲み物・汁物 | テーブルの端に置かない、テーブルクロス使わない |
| 炊飯器・ポットの蒸気 | 手の届かない場所に |
| ストーブ・ヒーター | 柵を設置 |
| アイロン | 使用後も冷めるまで放置しない |
| 熱湯・お風呂 | 設定温度を下げる、追い焚き注意 |
| 花火・コンロ | 大人がそばに |
| 電気ケトル | コードを垂らさない |
入浴時のやけど
- 給湯温度を下げる:50度以上は危険
- 追い焚き中のお湯に注意
- シャワーの最初の熱湯
- 混合栓の操作
低温やけど
日本熱傷学会 より、見逃しやすいやけど:
特徴
- 44〜50度程度の低い温度 でも長時間で発生
- じわじわと深く進行:見た目より重症
- 痛みが少ない:気づきにくい
原因
- 湯たんぽ・カイロ
- ホットカーペット
- 電気毛布
- 暖房器具に長時間接触
予防
- 湯たんぽは直接肌に当てない
- カイロは衣類の上から
- 就寝中の暖房器具に注意
- 同じ場所に長時間当てない
化学やけど・電気やけど
化学やけど
- 洗剤・漂白剤・酸・アルカリ
- 大量の流水で洗い流す(15〜30分)
- 原因物質を保管して受診
- 目に入ったら大量の水で洗い119
電気やけど
- コンセント・コード
- 見た目より深いことが多い
- 不整脈のリスク
- 必ず受診
受診時の準備
- やけどの原因:何で・いつ
- 応急処置の内容:冷やした時間
- 範囲・部位
- 化学物質の場合は製品情報
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| アロエ・みそ・油を塗る | 感染・悪化 |
| 氷・氷水で冷やす | 凍傷・血流障害 |
| 水ぶくれを潰す | 感染 |
| 服を無理に脱がす | 皮膚が剥がれる |
| 「痛くないから軽い」と判断 | III度は痛みなし |
| 広範囲を冷やし続ける | 低体温(特に乳児) |
| 気道熱傷を様子見 | 命に関わる |
| 化学やけどを拭くだけ | 大量の流水が必要 |
よくある誤解
Q. やけどに冷やすのは何分?
A. 10〜20分。直後ほど効果的。痛みが和らぐまで。
Q. 水ぶくれは潰した方が早く治る?
A. 潰さない。自然な被覆・感染予防になる。
Q. アロエやみそが効く?
A. NG。感染・悪化のリスク。流水で冷やすのが正解。
Q. 痛くないやけどは軽い?
A. 逆。III度は神経まで損傷して痛みを感じない。重症。
Q. 低温やけどは大したことない?
A. 見た目より深いことが多い。湯たんぽ・カイロに注意。
Q. 何科を受診すれば?
A. 小児科・皮膚科・救急。広範囲・気道は 119。
この記事の根拠
- 日本熱傷学会 熱傷の応急処置
- 消費者庁 子どもの事故防止(やけど)
- こども家庭庁 子どもの事故防止ハンドブック
- 日本小児科学会 子どもがかかりやすい事故
まとめ
- やけどは すぐ流水で10〜20分冷やす が鉄則
- 服は無理に脱がさず上から冷やす、水ぶくれは潰さない
- 氷・アロエ・みそ・油はNG
- 手のひら以上・顔・陰部・関節 は受診
- 痛みがない=重症(III度) のことも
- 低温やけど は見た目より深い、湯たんぽ・カイロに注意
- 気道熱傷(煙を吸った)・化学・電気やけど は命に関わる
大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。やけどの程度の判断・治療は、迷わず受診し医師にご相談ください。

