この記事のポイント
- まず結論:やけどしたら すぐに流水で15〜20分以上冷やす。服を着ているなら 服の上から冷やしてから脱がせる。水ぶくれは潰さない
- 絶対NG:氷を直接当てる/民間療法(味噌・しょうゆ・アロエ・油)/市販の冷却シートを貼る
- 対象:0〜6歳のお子さんを持つ保護者向け
すぐ救急・受診・家庭ケアで様子見
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ救急車・救急受診 | 全身の広範囲/顔面・首・手・足・関節・陰部のやけど/水ぶくれが手のひらより大きい/意識がぼんやり/呼吸が苦しい/電気やけど・化学やけど/衣服が皮膚に張りついている |
| その日のうちに小児科または皮膚科 | 水ぶくれができている(小さくても)/白くなっている部分がある/手のひらより狭くても赤みが強い/本人がかなり痛がる/低温やけどの疑い |
| 家庭ケアで様子見 | 範囲が500円玉以下/赤くなっただけで水ぶくれなし/十分に冷やしたあと痛みが治まり、本人は元気 |
夜間・休日で判断に迷うときは #8000 に電話できます。範囲が広いやけど・顔のやけど・電気やけどはためらわず救急へ。
子どものやけどが大人より重くなりやすい理由
子どもは大人より 皮膚が薄い ため、同じ温度・時間でも深く重いやけどになります(こども家庭庁 応急手当方法)。
- 大人なら「熱い」と感じてすぐ離せる温度でも、子どもは反応が遅く長く触れてしまう
- 皮膚の厚さは大人の約半分、同じ熱でも深部まで傷害が及ぶ
- 体表面積に対する皮膚の割合が大きく、広範囲のやけどは脱水・ショック につながりやすい
そのため、見た目が軽そうでも 冷却の時間を惜しまず、判断に迷ったら受診 が原則です。
子どものやけどでよくある原因
- 炊飯器・電気ポット・カップ麺の 蒸気 に触れる
- テーブルから垂れた 電気コード を引いて、上の鍋やコーヒーをかぶる
- ストーブ・ヒーター に触れる
- お風呂の 熱い湯(給湯温度設定) にいきなり触れる
- アイロン・ヘアアイロン が冷める前に触れる
- 使い捨てカイロ・湯たんぽ の低温やけど
家庭でできること(正しい冷やし方)
1〜5分以内にやること
- すぐに流水で冷やし始める:水道水・シャワーの やさしい流れ で患部に直接当てる。強い水圧は皮膚を傷つけるのでNG
- 服を着ているなら服の上から冷やす:張りついた服を無理に脱がせると皮膚が剥がれる
- 十分冷えた後、ハサミで服を切って取り除く:脱がせるのではなく切る
- 15〜20分以上冷やし続ける:痛みが落ち着くまで(政府広報オンライン)
- 氷や冷却シートは使わない:凍傷になる/市販の冷却シートはやけどに使えない
冷やしている間に確認すること
- やけどの 範囲(手のひらの大きさを基準にする:子どもの手のひら1枚分が体の約1%)
- 水ぶくれ の有無と大きさ
- 白くなっている部分 や黒く焦げた部分の有無(深い傷害のサイン)
- 本人の 意識・呼吸
冷やし終わったあと
- 清潔なガーゼやラップ で軽く覆って受診(水ぶくれ保護)
- 痛みが強ければ受診前に アセトアミノフェン(カロナール等)を用法用量通りに
- 受診まで 絶飲食ではない(手術の予定がないため、水分はOK)
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 氷・氷水を直接当てる | 凍傷を起こし、組織を余計に傷害する |
| 市販の冷却シート(熱さまし用)を貼る | やけど用ではない。粘着剤が皮膚を傷つける |
| 水ぶくれを潰す | 感染の入り口になる。皮膚が天然のドレッシング |
| 民間療法(味噌・しょうゆ・アロエ・油・歯磨き粉)を塗る | 感染を起こす/医師の処置の妨げになる |
| 市販のステロイド軟膏や抗生剤を自己判断で塗る | やけどに適さない薬で悪化することがある |
| 張りついた服を無理に脱がせる | 皮膚ごと剥がれる。服の上から冷やしてから切って取る |
| 5分だけ冷やして「もういいかな」と切り上げる | 深部の熱が残り、後から症状が広がる |
| 「水ぶくれが小さいから様子見」と一晩放置 | 感染・色素沈着・瘢痕のリスクが上がる |
特に注意したいやけど
低温やけど
40〜50℃の比較的低い温度 で、長時間触れることで起こるやけど。
- 湯たんぽ・電気毛布・使い捨てカイロ・ホットカーペット で寝てしまう
- 一見ただの赤みでも 深いところまで傷害 が及んでいることが多い
- 必ず受診:見た目より重症の可能性
電気やけど
コンセントに金属を差した・電気コードを噛んだなど。
- 見える傷より深部の損傷が大きい(電流が体内を流れる)
- 心電図異常・不整脈のリスク
- 必ず救急受診:見た目で判断しない
化学やけど
漂白剤・洗剤・トイレ用洗浄剤などが皮膚に付着。
- 大量の流水で20〜30分以上洗い流す
- 何の薬剤か(容器を持参) を病院に伝える
- 必ず救急受診
よくある誤解
Q. 冷やしすぎて低体温になりませんか?
A. 広範囲のやけど(体の10%以上=両腕や体幹) では低体温のリスクがあります。その場合は患部だけ冷却して、体は毛布で保温しつつ救急へ。狭い範囲なら長く冷やして問題ありません。
Q. 水ぶくれを潰して中の液を抜けば治りが早い?
A. 逆効果 です。水ぶくれの皮膚は天然の被覆材で、感染を防ぎ治癒を助けます。受診で医師が必要と判断すれば適切に処置します。
Q. アロエや味噌を塗ると治ると聞きました
A. 民間療法は 感染・色素沈着・治癒の遅れ の原因になります。医師の処置を受ける前に何かを塗ると、診察の妨げにもなります。流水と清潔なガーゼだけで十分です。
Q. 冷えピタ(冷却シート)は使えますか?
A. 使えません。冷却シートは発熱時の不快感を和らげるためのもので、やけどの治療効果はなく、粘着剤が皮膚を傷つけます。
Q. 軽そうなら病院に行かなくていい?
A. 水ぶくれがある時点で受診 を検討してください。手のひらサイズより広い・顔や関節・低温やけどの疑いがあれば必ず受診を。
Q. 何科を受診すれば?
A. 小児科・皮膚科・形成外科 が一般的です。広範囲・顔・関節・電気・化学やけどは 救急外来 へ。
この記事の根拠
- こども家庭庁「もしもの時の応急手当方法」
- 政府広報オンライン(内閣府)「乳幼児のやけど事故」
- こども家庭庁 子どもの不慮の事故予防
- 日本小児科学会 こどもの救急 ONLINE-QQ
- こども家庭庁 こども医療電話相談事業(#8000)
まとめ
- まず 流水で15〜20分以上冷やす。痛みが落ち着くまで継続
- 服を着ているなら 服の上から冷やしてから切って取る(無理に脱がせない)
- 氷・冷却シート・民間療法・自己判断の薬 はすべてNG
- 水ぶくれあり/顔・関節/手のひらより広い/低温・電気・化学やけど は受診
- 広範囲のやけど・呼吸困難・意識障害は 救急車を要請
大切なお知らせ:本記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。医療行為の指示ではありません。お子さまの個別の症状については、必ずかかりつけ医や皮膚科・小児科・救急外来の医師にご相談ください。

