この記事のポイント
- まず結論:小鼻をしっかりつまんで下を向く が正しい止血法
- 間違い:上を向く・首の後ろを叩く・ティッシュを詰める だけ
- 多くは数分で止まる、キーゼルバッハ部位からの出血
- 対象:3〜12歳のお子さんを持つ保護者向け
正しい止血法(まずこれ)
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① 座って下を向く | 血液を飲み込まないように、やや前かがみ |
| ② 小鼻をつまむ | 鼻の柔らかい部分(小鼻)を 指でしっかり つまむ |
| ③ 5〜10分つまみ続ける | 途中で離さない、時計を見て |
| ④ 口で呼吸 | 落ち着かせる |
| ⑤ 止まったら安静 | こすらない・かまない |
親のリアルな本音
「鼻血が出るたびに上を向かせてた。間違いだったの?」
「しょっちゅう鼻血を出す。何か悪い病気じゃないか心配」
「なかなか止まらない時、どこまで様子見ていい?」
SNSや子育てコミュニティでよく聞かれる本音です(編集部が想定した典型例として整えています)。「正しい止血法を知らない」 親が意外に多い領域です。
受診のタイミング
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ救急(119/救急外来) | 20分以上 圧迫しても止まらない/大量出血で顔色が悪い/頭部・顔面の強打後/意識がぼんやり |
| 早めに受診(耳鼻科・小児科) | 何度も繰り返す/あざ・歯茎出血を伴う/鼻の片側だけ繰り返す/鼻の異物の疑い/鼻血以外の出血傾向 |
| 家庭で対応OK | 正しい止血で数分で止まる/鼻ほじり・乾燥が原因と分かる/元気 |
なぜ子どもは鼻血が多いか
キーゼルバッハ部位
- 鼻の入口近くの粘膜:血管が集まる
- 鼻血の約9割がここから
- 粘膜が薄く傷つきやすい
- 指が届きやすい:鼻ほじりで出血
子どもに多い理由
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 鼻ほじり | 最多の原因 |
| 粘膜が薄い | 傷つきやすい |
| 乾燥 | 冬・エアコンで粘膜が乾く |
| アレルギー性鼻炎 | 鼻をこする・かむ |
| のぼせ・興奮 | 入浴・運動後 |
| 鼻を強くかむ | 風邪の時 |
正しい止血法の詳細
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 より:
やること
- 座らせて、やや前かがみ・下を向く
- 小鼻(鼻の柔らかい部分)を指でつまむ
- 5〜10分、しっかり圧迫し続ける
- 口で呼吸させる
- 落ち着かせる:泣くと血圧が上がり止まりにくい
よくある間違い
| 間違い | なぜダメか |
|---|---|
| 上を向かせる | 血液が喉に流れ込む、飲み込んで気持ち悪くなる・吐く |
| 首の後ろを叩く | 止血効果なし、医学的根拠なし |
| ティッシュを詰めるだけ | 圧迫不足、抜く時に再出血 |
| すぐ離して確認 | 止血が中断、何度も繰り返す |
| 鼻の硬い部分(骨)をつまむ | 出血部位を圧迫できていない |
ティッシュ・綿の使い方
- 詰める場合は圧迫の補助として
- 小鼻をつまむのが主
- 抜く時はそっと:かさぶたを剥がさない
受診が必要なサイン
緊急性が高い
- 20分以上、正しく圧迫しても止まらない
- 大量出血で顔色が悪い・ふらつく
- 頭部・顔面の強打後の鼻血(骨折の可能性)
- 意識の異常
背景の病気を疑う
- 頻繁に繰り返す
- あざができやすい:血液の病気の可能性
- 歯茎からも出血
- 鼻血以外の出血傾向
- 片側の鼻だけ繰り返す:腫瘍・異物の可能性
鼻の異物
- 片側だけ・悪臭を伴う鼻汁
- 小さな子が何か詰めた可能性
- 耳鼻科で除去
繰り返す鼻血への対応
多くは心配ないが
- 鼻ほじり・乾燥が大半
- 成長とともに減る
- ただし背景の病気の除外 も大事
家庭での予防
- 鼻をほじらせない:爪を短く
- 加湿:乾燥を防ぐ(湿度50〜60%)
- 鼻の入口に保湿:ワセリン等(医師相談)
- 強く鼻をかませない
- アレルギー性鼻炎の治療
耳鼻科での処置
- 出血部位の確認
- 電気凝固・薬剤での焼灼:繰り返す場合
- 背景疾患の検査
頭部打撲後の鼻血
頭・顔を強く打った後の鼻血は注意:
- 顔面・鼻骨の骨折の可能性
- 頭蓋底骨折で鼻から髄液が漏れることも(稀)
- 頭部打撲の症状(嘔吐・意識など)も観察
- 受診を推奨
→ 詳しくは別記事「頭部打撲の対処」も参照。
血液の病気との関連
日本血液学会 より、稀に背景にある病気:
疑うサイン
- あざが多い・大きい
- 歯茎・他の部位からも出血
- 点状出血(小さな赤い点)
- 長く止まらない
- 顔色不良・倦怠感
検査
- 血液検査:血小板・凝固機能
- 小児科・血液内科
→ 多くは心配ないが、出血傾向があれば検査を。
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 上を向かせる | 血液が喉に流れ込む |
| 首の後ろを叩く | 効果なし |
| すぐ離して確認 | 止血中断で繰り返す |
| 鼻の硬い部分をつまむ | 出血部位を圧迫できない |
| ティッシュだけ詰める | 圧迫不足 |
| 20分以上止まらないのに様子見 | 受診が必要 |
| 出血傾向(あざ等)を見逃す | 血液の病気の可能性 |
| 頭部打撲後の鼻血を放置 | 骨折・頭蓋内損傷の可能性 |
よくある誤解
Q. 鼻血は上を向く?
A. NG。下を向く(やや前かがみ)が正解。上を向くと血を飲み込む。
Q. 首の後ろを叩くと止まる?
A. 医学的根拠なし。小鼻をつまむのが正解。
Q. ティッシュを詰めれば止まる?
A. 圧迫が主。詰めるなら補助、抜く時に再出血注意。
Q. しょっちゅう鼻血、病気?
A. 多くは鼻ほじり・乾燥。ただし あざ・歯茎出血があれば受診を。
Q. 何分で止まらなければ受診?
A. 正しく圧迫して20分以上止まらなければ受診。
Q. 何科を受診すれば?
A. 耳鼻科が中心、出血傾向は 小児科・血液内科。
この記事の根拠
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 鼻出血
- 日本小児科学会 子どもがかかりやすい病気
- 日本血液学会 血液の病気
- こども家庭庁 子どもの事故防止ハンドブック
まとめ
- 小鼻をつまんで下を向く が正しい止血法
- 上を向く・首の後ろを叩く は間違い
- 5〜10分しっかり圧迫、途中で離さない
- 鼻血の 約9割はキーゼルバッハ部位、鼻ほじり・乾燥が原因
- 20分以上止まらない・頭部打撲後 は受診
- あざ・歯茎出血を伴う なら血液の病気の可能性
- 予防:爪を短く・加湿・鼻をほじらせない
大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。止まらない鼻血・繰り返す鼻血は、耳鼻科・小児科にご相談ください。

