この記事のポイント
- まず結論:1歳半・3歳児健診で歯科検診は法定、それ以外は 3〜6か月ごとの定期検診 が推奨
- 中心:フッ化物塗布・歯磨き指導・咬合チェック
- 仕上げ磨きは小学校入学頃まで 継続推奨
- 対象:1歳以降のお子さんを持つ保護者向け
受診のタイミング
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ受診(小児歯科) | 歯の外傷(折れた・ぐらつく)/激しい歯痛/口の中の腫れ/進行したむし歯(黒い・痛い) |
| 計画的に受診 | 3〜6か月ごとの定期検診/健診で指摘された/歯並びが気になる |
| 健診で確認 | 1歳半・3歳児健診の歯科 |
子どもの歯科検診の体系
厚生労働省 歯科口腔保健の推進 より:
法定(無料)
- 1歳6ヶ月健診の歯科:法定
- 3歳児健診の歯科:法定
- 就学時健診の歯科:学校保健安全法
学校歯科健診
- 毎年(小・中・高):学校保健安全法
- 学校歯科医 が実施
自主的な定期検診
- 3〜6か月ごと:小児歯科で
- フッ化物塗布:費用は地域・施設で
- 多くの自治体で乳幼児医療証で無料
チェック項目
主な検査項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| むし歯のチェック | 現在のむし歯・進行度 |
| 歯並び・噛み合わせ | 開咬・反対咬合・叢生 |
| 歯肉・歯周組織 | 炎症・出血 |
| 口腔粘膜 | 異常・舌小帯 |
| 歯垢・歯石 | 付着量 |
| 歯磨き指導 | 親の仕上げ磨き含め |
| フッ化物塗布(希望時) | むし歯予防 |
乳歯の生え方
| 月齢・年齢 | 歯の本数 |
|---|---|
| 6〜10か月 | 下の前歯(中切歯) |
| 1歳 | 6〜8本 |
| 2歳 | 16本前後 |
| 3歳 | 20本揃う(乳歯完了) |
むし歯予防の3本柱
日本小児歯科学会 より:
① 仕上げ磨き
- 歯が生え始めたら開始
- 就寝前が最重要
- 小学校入学頃まで継続 推奨
- 「歯ブラシ+デンタルフロス」:永久歯萌出後
- ヘッドの小さい子ども用歯ブラシ
② フッ化物(フッ素)
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 歯磨き粉 | フッ化物入り(年齢別の濃度) |
| フッ化物塗布 | 歯科で3〜6か月ごと |
| フッ化物洗口 | 学校・家庭で(4歳以降) |
歯磨き粉のフッ化物濃度
- 6か月〜2歳:900〜1000ppm 米粒程度
- 3〜5歳:900〜1000ppm グリーンピース程度
- 6歳以降:1450ppm 1.5〜2cm
→ 日本小児歯科学会・日本歯科保存学会等の推奨(2023年)
③ 食習慣
- だらだら食いを避ける:時間を決める
- 甘い飲み物を控える:ジュース・スポーツドリンク
- 就寝中の哺乳瓶でジュース・ミルクはNG
- キシリトール:完全予防ではないが補助
哺乳瓶虫歯(ボトルカリエス)
日本小児歯科学会 より:
特徴
- 就寝中の哺乳瓶でジュース・ミルク
- 唾液が減る就寝中 に糖分が口内に長時間
- 前歯のむし歯:急速に進行
- 乳児・幼児に多い
予防
- 就寝中の哺乳瓶=水・お茶
- 就寝前に必ず歯を拭く・磨く
- 断乳・卒乳のタイミング も考慮
- 「夜泣きで哺乳瓶」を習慣化しない
「乳歯虫歯」を軽視しない
影響
- 永久歯の歯並び:乳歯虫歯で永久歯生え変わりに影響
- 永久歯の質:乳歯虫歯の細菌が永久歯にも
- 本人の痛み・不快
- 食事・発音への影響
「いずれ抜ける乳歯」の誤解
- 乳歯は永久歯の土台
- 適切な治療・予防 が大事
- 「抜けるから治療不要」は誤り
歯並び・噛み合わせ
日本小児歯科学会 より:
子どもの不正咬合
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 開咬 | 前歯が噛み合わない |
| 反対咬合 | 下の歯が前 |
| 過蓋咬合 | 噛み合わせが深い |
| 叢生 | 歯が重なる |
| 空隙歯列 | 隙間がある |
「指しゃぶり・おしゃぶり」の影響
- 長期使用で開咬・上顎前突 のリスク
- 詳しくは別記事「指しゃぶり卒業」「おしゃぶり依存」
矯正治療
- 時期は症例による:乳歯期 or 永久歯期
- 「気になれば小児歯科・矯正歯科に相談」
- 自費治療 が中心
歯ブラシの選び方
日本小児歯科学会 より:
子ども用
- ヘッドが小さい
- 柔らかい毛
- 持ちやすい柄
- 年齢別の製品
親の仕上げ磨き用
- 歯ブラシのヘッドが大きい
- 大人用とは別の歯ブラシ
- 本人の口に合ったサイズ
学校歯科健診との連携
日本学校保健会 より:
学校歯科健診
- 毎年実施
- 学校歯科医 が
- 「むし歯」「歯並び」「歯肉炎」 をチェック
- 要受診 の通知
「要受診」になったら
- 指定された医療機関を受診
- 「学校でやった」では済まない
- 早期治療
むし歯になりにくい食生活
- 甘い飲食物の頻度を減らす
- 食後の歯磨き
- 規則的な食事
- キシリトール(補助)
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 「乳歯はいずれ抜ける」と治療放置 | 永久歯への影響 |
| 就寝中の哺乳瓶でジュース | 哺乳瓶虫歯 |
| だらだら食い | 口内が酸性に長時間 |
| 仕上げ磨きを早く卒業 | 自己磨きの限界、小学校入学頃まで継続 |
| 甘いお菓子・ジュースを頻繁 | むし歯リスク |
| 「自費でフッ化物塗布」を「お金がもったいない」と省略 | 多くの自治体で乳幼児医療証で無料 |
| 学校歯科健診の「要受診」を放置 | むし歯進行 |
| 3〜6か月の定期検診をしない | 早期発見の機会を逃す |
よくある誤解
Q. 乳歯のむし歯は治療不要?
A. NG。永久歯の土台・歯並び・本人の痛みに影響。
Q. フッ化物は有害?
A. 適切な濃度で安全、むし歯予防に大きな効果。日本小児歯科学会推奨。
Q. 仕上げ磨きは何歳まで?
A. 小学校入学頃まで 推奨、自己磨きの限界を補う。
Q. 哺乳瓶で寝かしつけてはダメ?
A. 水・お茶ならOK、ジュース・ミルク・甘い飲み物は哺乳瓶虫歯リスク。
Q. 子どもの矯正はいつから?
A. 症例による、気になれば小児歯科・矯正歯科で相談。
Q. 何科を受診すれば?
A. 小児歯科、矯正は 矯正歯科。
この記事の根拠
- 日本小児歯科学会 こどものお口の健康Q&A
- 日本歯科医師会 テーマパーク8020
- 厚生労働省 歯科口腔保健の推進
- 日本学校保健会 学校保健の手引き
まとめ
- 法定歯科健診:1歳半・3歳児健診・学校歯科健診
- 3〜6か月ごとの定期検診 を推奨
- むし歯予防3本柱:仕上げ磨き・フッ化物・食習慣
- 就寝中の哺乳瓶でジュース・ミルクはNG:哺乳瓶虫歯
- 仕上げ磨きは小学校入学頃まで 継続
- 歯磨き粉のフッ化物濃度:年齢別の量で
- 「乳歯はいずれ抜ける」と治療放置はNG
大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。気になる症状があれば、必ず小児歯科にご相談ください。

