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0〜2歳🏥健康・医療

停留精巣の基礎知識:男児の約3%(早産児は約30%)──6か月までの自然下降を待ち、1〜2歳までに手術が標準

停留精巣は陰嚢内に精巣が触れない状態。満期産児で約3%、早産児で約30%。生後6か月までは自然下降を期待、1〜2歳までに手術(精巣固定術)が標準。放置すると将来の不妊・精巣がんリスク↑。1か月健診・3〜4ヶ月健診で発見、両親が入浴時にチェックする方法、移動精巣との見分けまで整理しました。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-06-106分で読めます
情報の信頼性

情報源:日本小児泌尿器科学会・日本小児外科学会・日本小児科学会 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-06-10参考文献:4
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この記事のポイント

  • まず結論:男児の 約3%(早産児は約30%) に見られる
  • 生後6か月までは自然下降を待つ、それまでに下りなければ手術検討
  • 1〜2歳までに精巣固定術 が標準
  • 対象:男児を持つ保護者向け

受診のタイミング

状況 対応
すぐ受診(救急外来) 陰嚢の急な腫れ・激痛(精巣捻転の可能性)/触ると激痛
早めに受診(小児泌尿器科・小児外科) 6か月時点で陰嚢内に精巣が触れない1〜2歳までの手術検討/健診で指摘された
健診で確認 1か月・3〜4ヶ月健診で必ずチェック
見守りOK 移動精巣(陰嚢内に下りる時間がある)

停留精巣とは

日本小児泌尿器科学会 停留精巣日本小児外科学会 より:

基本

  • 陰嚢内に精巣が触れない状態
  • 精巣が下降途中で止まっている
  • 満期産児で約3%、早産児で約30%
  • 生後6か月までは自然下降が期待される
  • 6か月以降は自然下降は稀

病態

  • 胎児期に精巣はお腹の中で発生
  • 下降経路を通って陰嚢内へ
  • 生後7か月までに完了が一般的
  • 下降が止まると停留精巣

部位による分類

部位 内容
腹腔内停留 お腹の中に精巣
鼠径部停留 足の付け根に精巣
高位陰嚢停留 陰嚢入口に精巣
滑動性精巣 引き出すと陰嚢に下りるが戻る

「移動精巣」との見分け

日本小児泌尿器科学会 より、重要な区別:

移動精巣(生理的)

  • 「陰嚢内に下りている時間がある」
  • 暖かい・リラックスしている時に下りる
  • 寒い・緊張で上に引っ込む
  • 「精巣挙筋反射」が活発な乳児に多い
  • 多くは治療不要

停留精巣(病的)

  • 「陰嚢内に下りる時間がない」
  • 常に陰嚢外
  • 手で押しても陰嚢内に保持できない
  • 治療が必要

入浴時のチェック

  • 温かいお湯につかると下りやすい
  • リラックス状態で陰嚢を確認
  • 左右両方をチェック
  • 健診時に医師に確認

健診での確認

厚生労働省 乳幼児健康診査の手引き より:

主な確認時期

  • 新生児期(出産後の入院中)
  • 1か月健診:必ずチェック
  • 3〜4ヶ月健診:継続確認
  • 6か月時点:手術検討の節目

「自然下降」を待つ期間

  • 生後6か月まで
  • 6か月以降の自然下降は稀
  • 「待ちすぎない」ことも大事

治療

日本小児泌尿器科学会日本小児外科学会 より:

精巣固定術

  • 標準術式
  • 精巣を陰嚢内に下ろして固定
  • 腹腔鏡下手術 が主流
  • 入院数日
  • 予後良好

手術のタイミング

  • 6か月で自然下降なし → 手術検討
  • 1〜2歳までに手術が標準
  • 「早すぎず・遅すぎず」
  • 理由:精巣の温度環境(腹腔は陰嚢より高温)が長期だと精巣機能↓

手術の方法

  • 腹腔鏡下精巣固定術:腹腔内停留に
  • 鼠径部アプローチ:従来法
  • 2段階手術:高位停留で

麻酔・入院

  • 全身麻酔
  • 入院 1〜数日
  • 小児専門麻酔科

放置のリスク

日本小児泌尿器科学会 より:

不妊リスク

  • 長期放置で精巣機能低下
  • 両側性で不妊リスク↑
  • 片側性でも軽度低下 の報告
  • 早期治療で温存

精巣がんリスク

  • 停留精巣は精巣がんリスク↑:通常の数倍〜数十倍
  • 手術しても若干高い:ただし大幅に減る
  • 思春期以降の自己触診 で早期発見

精巣捻転

  • 停留精巣は捻転リスク↑
  • 激痛・嘔吐:救急
  • 時間勝負

「左右非対称」も注意

日本小児泌尿器科学会 より:

片側性 vs 両側性

  • 片側性:80〜90%
  • 両側性:10〜20%
  • 両側性は不妊リスク↑

「片方だけ」も治療対象

  • 対側の精巣を守る ためにも
  • 精巣捻転予防
  • 「片方あるから大丈夫」ではない

思春期以降の自己触診

日本小児泌尿器科学会 より:

精巣がんの早期発見

  • 思春期以降の月1回程度
  • 入浴時にチェック
  • しこり・腫れ・大きさの違い
  • 両側比較

異常時は

  • 泌尿器科
  • 早期発見で治療可能

親の心構え

「気づきにくい」疾患

  • おむつ替え時に気づかないことも
  • 健診で必ず確認 されるが、家庭でも
  • 入浴時のチェック が重要

入浴時のチェック方法

  1. 温かいお湯に浸かる:リラックス
  2. 両側の陰嚢を観察:左右対称か
  3. 指で軽く触る:精巣の存在確認
  4. 「下りていない」「左右違う」が続けば受診

手術への不安

  • 小児外科で標準的な手術
  • 腹腔鏡で傷も小さい
  • 「将来のため」と捉える
  • 小児専門麻酔の安全性は高い

鑑別する疾患

鼠径ヘルニア

  • 足の付け根の膨らみ
  • 「精巣がない」と思っていたら実は」のことも
  • 停留精巣と合併 することも
  • 詳しくは別記事「子どものヘルニア

精索水腫

  • 陰嚢内の液体貯留
  • 透光性あり
  • 多くは自然軽快

精巣捻転

  • 激痛・嘔吐:緊急
  • 数時間で精巣壊死:救急手術
  • 停留精巣でリスク↑

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
健診を「気にしすぎ」と受けない 早期発見の機会
「6か月で下りるはず」と1〜2歳超えても待つ 治療適齢期を逃す
「片側だけだから大丈夫」と放置 対側保護・捻転予防のため必要
入浴時のチェックを怠る 健診間の変化を見逃す
思春期以降の自己触診を教えない 精巣がん早期発見の機会
手術を「怖い」と先延ばし 不妊・精巣がんリスク
「移動精巣」と「停留精巣」を自己判断 専門医評価が必要
激痛・嘔吐を様子見 精巣捻転で精巣壊死

よくある誤解

Q. 停留精巣は珍しい?

A. 満期産児で約3%、早産児で約30%。稀ではない。

Q. 自然下降を待っていればいい?

A. 6か月までは待つ、それ以降は自然下降稀。1〜2歳までに手術が標準。

Q. 片側だけなら大丈夫?

A. 対側保護・精巣捻転予防 で治療対象。

Q. 手術で精子作れなくなる?

A. 。放置するほど精巣機能↓。早期手術で温存。

Q. 思春期にも気をつける?

A. 自己触診で精巣がん早期発見を教える。

Q. 何科を受診すれば?

A. 小児泌尿器科・小児外科。健診で気づけば紹介。

この記事の根拠

  • 日本小児泌尿器科学会 停留精巣
  • 日本小児外科学会 小児外科の病気
  • 日本小児科学会 子どもがかかりやすい病気
  • 厚生労働省 乳幼児健康診査の手引き

まとめ

  • 停留精巣は 満期産児約3%・早産児約30%、稀ではない
  • 6か月までは自然下降を待つ、それ以降は手術検討
  • 1〜2歳までに精巣固定術 が標準
  • 放置すると不妊・精巣がん・捻転リスク↑
  • 移動精巣(自然下降あり)との見分けが重要
  • 入浴時の家庭チェック で異常を見逃さない
  • 思春期以降の自己触診 で精巣がん早期発見

大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。診断・治療は必ず小児泌尿器科・小児外科の医師にご相談ください。

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