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3〜5歳🏥健康・医療

子どもの歯のケガ:抜けた・折れたときの応急処置と30分ルール

永久歯が抜けた場合は30分以内が再植成功の鍵。歯を水で洗わず、歯の銀行液または牛乳で保存し急いで歯科を受診します。乳歯は原則再植しません。日本外傷歯学会の指針に沿って整理しました。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-05-298分で読めます
情報の信頼性

情報源:日本外傷歯学会・日本小児歯科学会 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-05-29参考文献:4

受診の目安

  • 高熱が続く・ぐったりしている・水分が取れない場合はすぐに受診
  • 症状が3日以上改善しない場合はかかりつけ医に相談
  • 夜間・休日の急な症状は#8000(子ども医療電話相談)

この記事は情報提供を目的としたものであり、医療上の助言ではありません。

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この記事のポイント

  • まず結論永久歯が抜けたら30分以内 が再植成功の鍵。歯の根を持たない・水道水で洗わない・歯の銀行液 or 牛乳で保存
  • 乳歯は再植しない:永久歯への影響を避けるため
  • 歯科より先に頭部外傷の有無を確認:強い打撃なら救急対応も検討
  • 対象:1〜12歳のお子さんを持つ保護者向け

まず:歯のケガが起きたらやること

ステップ 行動
1. 全身状態の確認 意識ある?けがの場所は歯だけ?頭を打っていない?呼吸大丈夫?
2. 必要なら救急 意識消失・嘔吐・けいれん → 救急車(頭部外傷の対応)
3. 出血の止血 清潔なガーゼで圧迫(出血部位による)
4. 歯の状態の確認 抜けた・折れた・ぐらつく・位置がずれた・歯ぐきが裂けた
5. 歯科に電話 できれば事前連絡。「歯が抜けた」と伝える
6. 抜けた歯の保存 後述の正しい保存方法で
7. すぐ受診 永久歯なら30分以内、乳歯も早めに

すぐ救急・歯科・経過観察

状況 対応
救急車(119) 頭を強く打って意識消失・嘔吐・けいれん/顎の骨折が疑われる/大量出血が止まらない/呼吸が苦しい
すぐ歯科を受診 永久歯が抜けた(30分以内)/歯が折れて欠片が見える/歯がぐらつく/歯の位置がずれた/歯ぐきが裂けた/乳歯が抜けた(再植はしないが治療相談)
当日中に歯科 ぶつけて時々痛む/歯の色が変わってきた/転倒数日後に痛み・腫れ(遅発性炎症の可能性)
経過観察 軽くぶつけたが歯はしっかり・痛みなし/本人元気・1〜2週間で問題なければOK

夜間・休日で歯科の対応に迷うときは #8000 で相談、または 休日歯科診療所 を確認。

抜けた歯の正しい保存方法

日本外傷歯学会 によれば、抜けた歯(特に永久歯)の保存方法が 再植成功の鍵 です。

大原則:歯根膜を死なせない

歯には 歯根膜(しこんまく) という大事な組織があります。

  • 歯と顎の骨をつなぐ役割
  • 乾燥に極めて弱い
  • 30分で半分以上が死滅
  • 120分で大半が死滅

歯根膜が生きていれば再植成功率が上がり、死んでいると再植が困難になります。

抜けた歯の取り扱い(してはいけないこと・正しいこと)

してはいけない 正しい方法
歯の根を持つ 歯冠(白く見える部分)を持つ
水道水で洗う 保存液 or 牛乳の中で軽くゆすぐ
アルコール消毒 絶対NG
ティッシュ・ガーゼで包む 乾燥するのでNG
ポケットに入れる(乾燥) 必ず液体保存
何時間も放置 30分以内に歯科へ

保存液の優先順位(上から良い順)

  1. 歯の銀行液(Teeth Keeper等):学校・スポーツ施設に置いてある場合あり
  2. 牛乳:浸透圧が歯根膜に近い、最も身近な保存液
  3. 生理食塩水
  4. 本人の唾液(保存容器に取って中に入れる)
  5. 水道水は最後の手段(短時間のみ)

牛乳での保存方法

  1. 小さな清潔な容器(コップ・ペットボトルの蓋など)
  2. 牛乳をたっぷり入れる(歯が完全に浸る量)
  3. 歯を歯冠を持って入れる
  4. すぐ歯科へ持参
  5. 移動中は 冷やさない(常温)

永久歯 vs 乳歯:対応の違い

永久歯が抜けた場合

  • 再植が可能(30分以内が理想)
  • 保存液・牛乳で保存して急いで歯科へ
  • 歯科で 位置を戻して固定(数週間)
  • 歯髄治療 が必要なことがある
  • 数年後に 歯の根が短くなる(吸収)こともあるが、機能を保てる

乳歯が抜けた場合

  • 原則として再植しない
  • 理由:永久歯への影響(生え方異常・色変化)を避けるため
  • 歯科で 永久歯への影響を確認
  • 早期に乳歯が抜けた場合は 保隙装置(場所を保つ装置) を検討

歯が折れた・欠けた場合

軽度(エナメル質のみ折れた)

  • 歯のかけらを保存して歯科へ(接着できる場合あり)
  • 痛みなければ翌日でもOK
  • 鋭い断面で口の中を傷つけないように

中度(象牙質まで折れた)

  • 冷たい・熱いものでしみる
  • 当日中に歯科を受診
  • レジン充填等で修復

重度(歯髄が露出)

  • 強い痛み、血が見える
  • すぐ歯科を受診
  • 神経の治療が必要

歯がぐらつく・位置がずれた

  • すぐ歯科で 位置を戻して固定
  • ぐらつき方によって治療法が異なる

家庭での止血・痛み対策

止血

  1. 清潔なガーゼ で出血部位を 15分間圧迫
  2. 子どもには 「ガーゼをかむ」 ように指示
  3. 止まらなければ歯科 or 救急へ

痛み

  • アセトアミノフェン(カロナール)を医師・薬剤師の指示通り
  • 冷たいタオル で頬を冷やす(外側から)
  • 冷たい飲み物・アイス は痛みを和らげる
  • 熱いもの・固いもの・甘いもの は避ける

受傷後の経過観察

歯のケガは 数日〜数週間後 に問題が出ることがあります。

観察ポイント

  • 歯の色の変化:黒っぽくなる、茶色になる→歯髄壊死の可能性
  • 歯ぐきの腫れ・膿 → 感染
  • 歯のぐらつき増加
  • 打撲の数日後に痛み・腫れ → 遅発性炎症
  • 顔の腫れ・発熱 → 重症化のサイン

これらが見られたら 歯科を再受診

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
抜けた歯の根を持つ・水で洗う 歯根膜が死んで再植困難になる
歯をティッシュで包む・乾燥させる 30分で歯根膜の半分が死ぬ
「乳歯だから」と歯科受診をしない 永久歯への影響を確認する必要
抜けた歯のスペースを舌でいじる 出血・感染の原因
強い力でうがいする 血餅が外れて再出血
歯の銀行液がないからと諦める 牛乳でOK。保存液の優先順位を覚えておく
頭部外傷の評価をスキップ 歯のケガに集中して、頭部外傷の重要サインを見逃す
「治った」と思って数か月後の歯の色変化を放置 歯髄壊死の可能性。歯科で確認

予防:歯のケガを防ぐ

スポーツ時

  • マウスガード の使用(ボクシング・空手・ラグビー等)
  • ヘルメットの使用(自転車・スケートボード)

日常生活

  • 転倒しやすい年齢(1〜3歳)の家具配置:角ガード
  • 抱っこ紐・ベビーカーの安全帯:転落防止
  • 歩きながらの飲食を避ける(つまずいて歯を打つ事故)
  • 学校・園での 遊具の安全確認

よくある誤解

Q. 抜けた歯はもう戻せませんよね?

A. 永久歯なら30分以内なら再植可能 なことが多い。歯の銀行液・牛乳で保存して急いで歯科へ。

Q. 抜けた歯は綺麗に洗ってから持っていくべき?

A. 水道水で洗うのはNG。歯根膜が死にます。保存液 or 牛乳の中で軽くゆすぐ程度に。

Q. 乳歯も再植するの?

A. 基本的にしません。永久歯への影響を避けるため。歯科で永久歯のチェックを。

Q. 当日歯科がしまっている場合は?

A. 休日歯科診療所・救急歯科を探す。#8000でも相談可。永久歯は30分以内の対応が理想なので、近隣を急いで探す。

Q. 抜けた歯のスペースはどうなる?

A. 永久歯は再植、乳歯は 保隙装置 で場所を保つことも。後の永久歯萌出に影響しないよう歯科で評価。

Q. 折れた歯の欠片は持っていく?

A. 持っていく。接着できることがあります。乾燥させないように保存液 or 牛乳に入れて。

Q. 何科を受診すれば?

A. 歯科(できれば 小児歯科・歯科口腔外科)。頭部外傷を伴う場合は 救急外来 → 歯科 の順で。

この記事の根拠

  • 日本外傷歯学会 外傷歯ガイドライン
  • 日本小児歯科学会
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット 歯と口の健康
  • こども家庭庁 こども医療電話相談事業(#8000)

まとめ

  • 永久歯が抜けたら30分以内 が再植成功の鍵
  • 抜けた歯:根を持たない/水で洗わない/歯の銀行液 or 牛乳で保存/急いで歯科へ
  • 乳歯は原則 再植しない、永久歯への影響を確認
  • 折れた歯の欠片も 乾燥させずに歯科へ
  • 頭部外傷の合併にも注意、強い打撃なら救急対応も
  • 数日〜数か月後の歯の色変化 を見逃さず、再受診を

大切なお知らせ:本記事は学会・公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。医療行為の指示ではありません。お子さまの個別の症状については、必ずかかりつけ歯科医師にご相談ください。

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