この記事のポイント
- まず結論:WHO 「遊離糖は総カロリーの10%未満・できれば5%未満」
- 米AAP「2歳未満は添加糖ゼロ」 推奨
- 清涼飲料水・お菓子・調味料の隠れた糖分 に注意
- 対象:0〜12歳のお子さんを持つ保護者向け
「遊離糖」とは
世界保健機関 Guideline: Sugars intake for adults and children より:
定義
- 「遊離糖(Free Sugars)」:
- 食品・飲料に 添加される糖
- 果汁・蜂蜜・シロップ に含まれる糖
- 「含まれない」糖:
- 果物・野菜の中の糖(細胞内)
- 牛乳の乳糖
なぜ「遊離糖」と「内在性糖」を分けるか
- 遊離糖:吸収が早く血糖変動大、虫歯リスク
- 果物・野菜の糖:食物繊維と一緒で吸収緩やか
WHO の推奨
WHO ガイドライン より:
「強い推奨」
- 遊離糖は総エネルギーの10%未満
- 大人・子ども共通
- 「絶対守るべき上限」
「条件付き推奨」
- 遊離糖は総エネルギーの5%未満が望ましい
- 健康改善効果↑
- 「できればこのレベルに」
「総エネルギー10%」の量
| 年齢 | 1日推奨エネルギー | 10%(遊離糖上限) | 5%(推奨) |
|---|---|---|---|
| 1〜2歳 | 約950kcal | 約24g | 約12g |
| 3〜5歳 | 約1300kcal | 約33g | 約16g |
| 6〜7歳 | 約1500kcal | 約38g | 約19g |
| 8〜9歳 | 約1850kcal | 約46g | 約23g |
| 10〜11歳 | 約2150kcal | 約54g | 約27g |
→ 小学校低学年で1日約20〜30g が「できればこのレベル」
米AAP の「2歳未満は添加糖ゼロ」
米国小児科学会 より:
推奨
- 2歳未満は添加糖ゼロ
- 2歳以降は WHO の5%未満を目指す
理由
- 乳幼児期は味覚形成期
- 甘味への嗜好を作らない
- 栄養密度の高い食品で満たす
日本の食事摂取基準
厚生労働省 食事摂取基準 より:
- 日本では「上限」明示なし だが過剰摂取への注意
- 「目標量」:年齢に応じて
- 小児期の過剰摂取が指摘 されている
「隠れた糖分」を知る
清涼飲料水(200mLあたり)
| 飲料 | 糖分 |
|---|---|
| コーラ | 約22g |
| 果汁100% ジュース | 約20〜22g |
| スポーツドリンク | 約12g |
| 乳酸菌飲料 | 約16g |
| 加糖コーヒー | 約15g |
→ 1本でWHO 推奨量を超える ことも
お菓子(1食分目安)
| お菓子 | 糖分 |
|---|---|
| チョコレート板1枚(50g) | 約25g |
| ショートケーキ1個 | 約30g |
| ドーナツ1個 | 約15g |
| クッキー1枚 | 約5g |
| アイスクリーム1個 | 約20g |
「健康的に見える」食品
| 食品 | 隠れた糖分(100gあたり) |
|---|---|
| ヨーグルト(加糖) | 約12g |
| シリアル(一部) | 約20〜30g |
| 菓子パン | 約20g |
| 加糖豆乳 | 約7g |
| ケチャップ | 約25g |
| 焼肉のタレ | 約30g |
→ 「食事の調味料」にも糖分
食品表示の見方
厚生労働省 より:
「炭水化物」と「糖類」
- 炭水化物:糖質 + 食物繊維
- 糖質:糖類 + 多糖類 + 糖アルコール
- 糖類:単糖類 + 二糖類(白砂糖など)
- 「糖類0g」表示:原則として 0.5g未満
原材料表示の見方
- 「砂糖」「ぶどう糖」「果糖ぶどう糖液糖」 は遊離糖
- 「異性化液糖」:トウモロコシ由来の甘味料
- 「○○糖」「○○シロップ」 は糖
- 原材料は多い順に記載
「○○ゼロ」「○○オフ」
- 「カロリーオフ」:100mLあたり20kcal以下
- 「糖類ゼロ」:100mLあたり0.5g未満
- 人工甘味料が代わりに使われる ことも
過剰摂取のリスク
米AAP より、小児期の糖質過剰摂取のリスク:
短期
- 虫歯:糖分・酸
- 食欲低下:甘味で他の食事を拒否
- エネルギー過剰:肥満
- 血糖変動:気分・集中力に影響
長期
- 肥満・メタボリックシンドローム
- 2型糖尿病:小児期の発症が増加
- 非アルコール性脂肪肝
- 心血管疾患リスク
- 「甘味依存」
子どもの肥満は将来に
- 小児肥満の約7割が成人肥満に
- 生活習慣病の若年化
- 早期介入が大事
「適切な糖質」を選ぶ
厚生労働省 食事摂取基準 より:
「良い炭水化物」
- 全粒穀物:玄米・全粒粉パン
- 果物:丸ごと
- 野菜:食物繊維豊富
- 豆類:タンパク質も
- 乳製品(無糖)
「制限したい遊離糖」
- 砂糖・蜂蜜(追加分)
- 清涼飲料水
- 菓子類
- 加工食品の添加糖
家庭での実践
飲み物
- 水・お茶を基本に
- ジュースは AAP 指針の量で(別記事「子どものジュースの量」)
- スポーツドリンクは運動時のみ
お菓子
- 「特別な日のお菓子」と「日常のおやつ」を区別
- 「果物・乳製品(無糖)・無糖シリアル」 を日常に
- チョコ・ケーキ・アイスは特別な日
食事
- 加糖調味料を控えめに
- 手作りで糖分管理
- 市販品の表示を読む
段階的に
- 「いきなり完全制限」は逆効果
- 少しずつ甘さを減らす
- 「薄味・薄甘味」に慣らす
「お菓子・ご褒美」の管理
日本小児歯科学会 より:
「ご褒美 = お菓子」を習慣化しない
- 食べ物以外のご褒美:シール・遊び・お出かけ
- 「ご褒美ジュース」を毎日にしない
- 甘味依存を作らない
おやつの時間を決める
- 時間を固定:3時など
- 量を見える化:1日分を別皿に
- 「ダラダラ食い」を避ける
虫歯予防
- 食後の歯磨き
- 間食の時間を区切る
- 「お口を清潔に保つ時間」
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 2歳未満に添加糖 | AAP「ゼロ」推奨 |
| 「果汁100% = 健康的」と大量 | 糖分は清涼飲料水並み |
| 清涼飲料水を水代わりに | 糖分過剰・肥満リスク |
| 「ご褒美 = お菓子」を習慣化 | 甘味依存 |
| 食品表示を読まない | 隠れた糖分を見逃す |
| 食事中の頻繁なジュース | 食事の妨げ・血糖変動 |
| 極端な糖質制限 | 成長期のエネルギー不足 |
| 「○○ゼロ」表示を過信 | 人工甘味料の影響を理解 |
よくある誤解
Q. 「果物 = 糖分過剰」?
A. 果物の糖は食物繊維と一緒で吸収緩やか。WHO も「果物を食べる」を推奨。
Q. 蜂蜜は健康的?
A. WHO 定義の「遊離糖」に含まれる。蜂蜜も砂糖と同じく制限対象。1歳未満は乳児ボツリヌス症でNG。
Q. 人工甘味料なら安全?
A. 「糖質ゼロ」になるが、子どもへの長期影響は議論中。「水・お茶」が一番。
Q. 朝食のシリアルは健康的?
A. 「加糖シリアル」は糖分多い。表示確認、無糖シリアル + 果物 推奨。
Q. 極端な糖質制限は良くない?
A. 成長期に必要なエネルギー不足リスク。「遊離糖を減らす」「炭水化物全部減らす」は別物。
Q. 何科・誰に相談?
A. 保健センター・管理栄養士、小児肥満は 小児科・小児内分泌科。
この記事の根拠
- WHO Guideline: Sugars intake for adults and children
- 米国小児科学会(AAP)添加糖の摂取に関する勧告
- 厚生労働省 食事摂取基準
- 日本小児歯科学会 こどものお口の健康Q&A
まとめ
- WHO 「遊離糖は総エネルギーの10%未満、できれば5%未満」
- 米AAP 「2歳未満は添加糖ゼロ」
- 遊離糖:添加糖 + 果汁・蜂蜜の糖(果物・野菜の糖は除く)
- 隠れた糖分:清涼飲料水・お菓子・調味料・加糖ヨーグルト等
- 過剰摂取リスク:虫歯・肥満・糖尿病・脂肪肝
- 食品表示の見方:原材料・栄養成分
- 段階的に減らす:「いきなり完全制限」は逆効果
大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。お子さまの食生活については、保健センター・管理栄養士にご相談ください。

