この記事のポイント
- まず結論:子どもの鼻血の多くは「座って下向きで、小鼻を10分しっかりつまむ」だけで止まります。仰向け・上向きは血をのどに流し込むのでNG
- 時間の目安:正しく圧迫しても20分以上止まらないときは耳鼻咽喉科または救急へ
- 対象:3〜10歳ごろのお子さんを持つ保護者向け
すぐ受診・数日以内に相談・家庭ケアで様子見
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ救急・受診 | 20〜30分しっかり圧迫しても止まらない/ボタボタ大量に出る・止まってもすぐ大量に再出血/頭を打ったあとの鼻血/顔色が悪い・ふらつく・意識がぼんやり |
| 数日以内に相談 | 週に何度も繰り返す/毎日のように出る/止まってもすぐ再出血する/鼻以外にも青あざが増える・歯ぐきから出血する |
| 家庭ケアで様子見 | 少量〜中等量で、10分前後の圧迫で止まる/本人は元気で顔色も普通/よくある「片方の鼻からのいつもの鼻血」 |
夜間・休日で判断に迷うときはこども医療電話相談 #8000 に連絡できます。頭部外傷の後の鼻血は鼻だけの問題ではないので、ためらわず救急へ。
子どもに鼻血が多い理由
子どもの鼻血のほとんどは、鼻の入口の内側(キーゼルバッハ部位) という、毛細血管が集まる薄い粘膜から出ます。
- 指でいじりやすい場所 にあるため、鼻ほじり・鼻こすりで出血しやすい
- 鼻づまりの強いとき(風邪・花粉症・アレルギー性鼻炎)は粘膜が荒れて出血しやすい
- 乾燥した季節・暖房の効いた室内では粘膜が傷つきやすい
- 一度傷つくと 同じ場所から繰り返し 出やすい
つまり、子どもの鼻血の多くは「血が止まりにくい病気」ではなく「入口の傷つきやすい場所から、ちょっとした刺激で出ている」状態です。
家庭でできること(正しい止め方)
5分以内にやること
- 座らせて、顔をやや下に向ける:仰向け・上向きは血がのどに流れて、飲み込んで気持ち悪くなる原因に
- ティッシュを詰めない:抜くときに固まったかさぶたが取れて再出血の原因になる
- 小鼻(鼻の硬い軟骨より下のやわらかい部分)を、親指と人差し指で約10分しっかりつまむ:途中で確認のために緩めない
- のどに流れた血は吐き出す:飲み込むと胃を刺激して吐き気の原因に
- 冷たいタオルを鼻の付け根や首の後ろにあてる:血管が収縮して止まりやすくなる(補助的)
2歳以下のお子さんや風邪で鼻づまりが強いお子さんは、両方の鼻をつまむと息が苦しくなることがあります。その場合は 出血している側の鼻だけ を真横から押さえてください(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)。
止まったあと
- 当日の入浴は短く、湯船には長く浸からない(血流が増えて再出血しやすい)
- 当日は激しい運動・鼻をかむ・鼻をいじるを避ける
- 就寝時は枕を少し高めに
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 仰向けに寝かせる/顔を上に向ける | 血がのどに流れて咳・嘔吐の原因になる |
| ティッシュを詰める/脱脂綿を入れる | 抜くときに再出血する。詰め物がずれて気道に入る危険も |
| 首の後ろをトントン叩く | 止血効果はない(昔ながらの俗説) |
| 鼻の上(骨の部分)を押さえる | 出血点は下のやわらかい部分。骨を押さえても止まらない |
| 5分おきに確認のためにつまむ手をゆるめる | 固まりかけたかさぶたが剥がれて出血が再開する |
| 止まった直後に鼻をかむ | かさぶたが取れて再出血する |
受診の詳しい目安
耳鼻咽喉科を予約
- 月に何回も繰り返す(鼻の入口に治りにくい傷がある可能性)
- アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎の症状を併発している
- 片側ばかり繰り返し出る(鼻の中の異物の可能性)
- 出血点の確認・止血処置を希望する
すぐ救急 / 夜間休日相談を
- 正しく圧迫して 20〜30分 止まらない
- ボタボタと大量に出続けている
- 止まってもすぐにまた大量に出る
- 頭部外傷(転倒・衝突)のあとの鼻血
- 顔色が悪い、ふらつく、意識がぼんやりしている
- 鼻血以外にも青あざが増えている、歯ぐきから出血する(血が止まりにくい病気のサインのことも)
夜間・休日で判断に迷うときは #8000 に連絡できます。
よくある誤解
Q. 上を向いて寝かせれば止まりますか?
A. 逆効果 です。血がのどに流れ込んで吐き気や咳の原因になります。座って顔を下向き が正解です。
Q. 鼻にティッシュを詰めれば早く止まりますか?
A. 詰めること自体に止血効果は弱く、抜くときにかさぶたが取れて再出血 の原因になります。指で圧迫する方が確実です。
Q. 子どもがよく鼻血を出します。病気ですか?
A. ほとんどは 鼻ほじり・乾燥・アレルギー性鼻炎 が原因です。週に何度も繰り返す、量が多い、青あざが増える等があれば耳鼻科または小児科を受診してください。
Q. 鼻血のあとは安静にすべき?
A. その日は 激しい運動・長風呂・鼻をかむ・鼻をいじる を避けてください。翌日からは通常通りで構いません。
Q. 鼻血を予防するには?
A. 室内の乾燥を防ぐ・鼻をほじらせない・爪を短く切る・アレルギー性鼻炎を治療する が基本です。ワセリンを鼻の入口に薄く塗ると粘膜を保護する効果があるとされます。
この記事の根拠
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 鼻出血(小児疾患)
- 日本小児科学会 こどもの救急 ONLINE-QQ
- こども家庭庁 こども医療電話相談事業(#8000)
- 厚生労働省 e-ヘルスネット
まとめ
- 子どもの鼻血のほとんどは 鼻の入口(キーゼルバッハ部位) からの出血で、正しい圧迫で家庭で止まる
- 正しい止め方:座って下向き/小鼻を10分しっかりつまむ/ティッシュを詰めない
- やってはいけない:上を向く/首をトントン/途中で確認のため緩める
- 20〜30分止まらない/頭部外傷後/繰り返す ときは耳鼻咽喉科または救急へ
大切なお知らせ:本記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。医療行為の指示ではありません。お子さまの個別の症状については、必ずかかりつけ医や耳鼻咽喉科・小児科の医師にご相談ください。

