この記事のポイント
- まず結論:ビタミンDは 食事(魚・きのこ・卵黄)+日光浴 で
- 日本でくる病が再増加、完全母乳・日光浴不足が背景
- 日光浴は1日15〜30分(紫外線対策とのバランス)
- 対象:0〜12歳のお子さんを持つ保護者向け
受診のタイミング
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 早めに受診(小児科・小児内分泌科) | O脚悪化/低身長/骨折を繰り返す/けいれん(低カルシウム血症)/頭の柔らかさが目立つ/完全母乳でサプリ未使用 |
| 健診で相談 | 偏食・日光浴不足/成長が気になる |
| 見守り | バランスの良い食事+適度な日光浴 |
ビタミンDの役割
厚生労働省 食事摂取基準 や 日本小児内分泌学会 より:
主な働き
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| カルシウム吸収 | 腸からのカルシウム吸収を促す |
| 骨形成 | 骨を強くする |
| 免疫機能 | 感染症予防の知見も |
| 筋肉機能 | 筋力維持 |
| 将来の骨粗鬆症予防 | 小児期の骨量蓄積が重要 |
食事摂取基準(厚労省)
厚生労働省 食事摂取基準 より、目安量:
| 年齢 | 1日の目安量 |
|---|---|
| 0〜5か月 | 5.0μg |
| 6〜11か月 | 5.0μg |
| 1〜2歳 | 3.5μg |
| 3〜5歳 | 4.5μg |
| 6〜7歳 | 5.5μg |
| 8〜9歳 | 6.0μg |
| 10〜11歳 | 8.0μg |
→ 「成人より子どもの方が必要量が多い時期もある」(骨成長期)
くる病の再増加
日本小児内分泌学会 より、日本での懸念:
くる病とは
- ビタミンD欠乏性骨軟化症
- 骨が柔らかくなる:O脚・X脚悪化・低身長・骨折
- 乳児では大泉門が閉じにくい
- 歯の発育異常
- 筋力低下
「ビタミンK欠乏性出血症」とは別物
- ビタミンK欠乏症は新生児の出血性疾患(K2 シロップで予防)
- ビタミンD欠乏症は骨の疾患
- どちらも乳児期に重要
日本での増加背景
- 完全母乳栄養の増加:母乳のビタミンDは少ない
- 日光浴の不足:紫外線対策の徹底
- 偏食:魚を食べない
- 皮膚の色(白人より色素が濃い)
- 室内生活
国際的にも
- 欧米でも子どものビタミンD不足が報告
- WHO・米AAP も注意喚起
食事からのビタミンD
厚生労働省 食事摂取基準 より:
ビタミンDの多い食品
| 食品 | ビタミンD(100gあたり) |
|---|---|
| 鮭 | 約25μg |
| さんま | 約15μg |
| いわし | 約30μg |
| ぶり | 約8μg |
| きくらげ(乾) | 約430μg |
| 干ししいたけ | 約13μg |
| 生しいたけ | 約0.4μg |
| 卵黄 | 約12μg |
「魚を食べる」が王道
- 週2〜3回の魚
- 鮭・さんま・いわし
- 離乳食では白身魚から
きのこの注意
- 「日光に当てたきのこ」のビタミンDが多い
- 干ししいたけ・きくらげ
- 生しいたけは少ない
卵黄
- 1〜2歳から食べられる:アレルギー慎重に
- 卵料理での摂取
日光浴
環境省 紫外線環境保健マニュアル や 厚労省 授乳・離乳の支援ガイド より:
日光浴の効果
- 皮膚で UV-B を浴びるとビタミンDが合成
- 食事だけでは不足することも
- 特に冬季・室内生活で不足
推奨される日光浴
- 1日15〜30分:顔・手程度
- 季節・地域で必要時間が違う
- 冬は長め、夏は短く
- 窓ガラス越しの UV-B は通らない:屋外が必要
日焼け対策との両立
- 過度な紫外線は皮膚がんリスク
- 短時間の日光浴で十分
- 日焼け止め+短時間外出 でOK
- 詳しくは別記事「子どもの日焼け対策」
季節・地域差
- 冬の北日本:日照時間↓、不足リスク↑
- 夏の南日本:短時間で十分
- 室内生活が長い子:要注意
完全母乳栄養の場合
厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド や 日本小児内分泌学会 より:
リスク
- 母乳のビタミンD含有量は少ない
- 完全母乳でビタミンD不足のリスク
- 特に日光浴不足の場合
推奨
- 乳児用ビタミンD補充:医師相談で
- 欧米・WHO は乳児サプリ推奨
- 日本では医師判断で
サプリの選び方
- 乳児用ビタミンD製剤
- 医師処方 が望ましい
- 過剰投与に注意:脂溶性ビタミン
ミルク(人工乳)の場合
- 多くの粉ミルクにビタミンD強化
- 必要量を満たす配合
- 混合栄養なら半分は補える
サプリメントの判断
日本小児内分泌学会 より:
サプリが推奨される場合
- 完全母乳栄養(医師相談)
- 極端な日光浴不足
- 偏食で魚を食べない
- 基礎疾患:吸収不良等
- 早産児・低出生体重児
「念のためサプリ」は不要
- 食事+日光浴で十分なことが多い
- 過剰摂取の害:高カルシウム血症
- 医師相談で量を
過剰摂取の害
- 脂溶性ビタミンで蓄積
- 高カルシウム血症:嘔吐・脱水・腎障害
- 稀だが重大
検査と治療
日本小児内分泌学会 より:
検査
- 血液検査:ビタミンD(25-OH-VitD)・カルシウム・リン・ALP
- X線:骨の状態
- 必要時に小児内分泌科で
治療
- ビタミンD製剤:欠乏症の場合
- カルシウム補充
- 原因疾患の治療
骨の健康と将来
日本小児内分泌学会 より:
小児期の骨量蓄積が大事
- 約90%の骨量が18歳までに蓄積
- 小児期のビタミンD・カルシウム不足は将来の骨粗鬆症リスク
- 「子どもの骨は将来の貯金」
運動も重要
- 骨に重力負荷:骨密度↑
- 適度な運動
- 室内ばかり はリスク
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 完全母乳でビタミンD補充せず | くる病リスク |
| 「日光浴は危険」と完全に避ける | ビタミンD不足 |
| 「念のためサプリ大量」 | 過剰摂取で高カルシウム血症 |
| 「日焼け止めだけで完全カバー」 | 日光浴ゼロでビタミンD↓ |
| 魚を全く食べさせない | 食事からの摂取↓ |
| 「窓越しの日光浴で十分」 | UV-B はガラスを通らない |
| 室内ばかり | 日光浴・運動不足 |
| くる病サインを見落とす | O脚悪化・低身長を放置 |
よくある誤解
Q. 「日光浴は皮膚がんリスクで避けるべき」?
A. 過度は危険、短時間(15〜30分)は必要。日焼け止め+短時間外出で両立。
Q. 母乳だけで十分?
A. 母乳のビタミンDは少ない。日光浴不足ならサプリ検討。
Q. 「魚嫌い」は問題?
A. 他の食材で補える(卵黄・きのこ)。サプリも選択肢。
Q. 窓越しの日光浴で十分?
A. UV-B はガラスを通らない、屋外での日光浴が必要。
Q. ビタミンDサプリは安全?
A. 適量なら安全、過剰で高カルシウム血症のリスク。
Q. 何科を受診すれば?
A. 小児科が入口、専門は 小児内分泌科。
この記事の根拠
- 厚生労働省 食事摂取基準(2025年版)
- 日本小児内分泌学会 小児内分泌疾患
- 厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド
- 環境省 紫外線環境保健マニュアル
まとめ
- ビタミンDは 食事(魚・きのこ・卵黄)+日光浴 で
- 日本でくる病が再増加、完全母乳・日光浴不足が背景
- 食事摂取基準:小児で年齢別の目安量
- 日光浴 1日15〜30分:紫外線対策との両立
- 完全母乳栄養 はサプリ検討(医師相談)
- 小児期の骨量蓄積 が将来の骨粗鬆症予防
- 過剰摂取 で高カルシウム血症リスク
大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。気になる症状・サプリ判断は、必ず小児科・小児内分泌科にご相談ください。

