この記事のポイント
- まず結論:消費者庁 「無添加・不使用表示ガイドライン」(2022年3月) で誤解を招く表示を整理
- 添加物は ADI に基づき安全性評価、基準内なら科学的に安全
- 「無添加 = 安全」「添加物 = 危険」の二分は誤り
- 対象:3〜12歳のお子さんを持つ保護者向け
食品添加物の4区分
厚生労働省 食品添加物 より:
区分一覧
| 区分 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 指定添加物 | 厚労省が指定したもの(化学合成・天然問わず) | アスパルテーム・キシリトール |
| 既存添加物 | 1995年改正前から使用、安全性評価済み | 柿タンニン・カラメル色素 |
| 天然香料 | 自然由来の香料 | バニラ・コーヒー |
| 一般飲食物添加物 | 通常食品だが添加物として使用 | イチゴジュース(着色目的) |
「天然 = 安全」ではない
- 天然由来でも安全性評価あり
- 「化学合成 = 危険」も誤り
- 「使用可能リスト + 基準値」で管理
ADIによる安全評価
ADI(一日摂取許容量)
- 「一生涯毎日摂取しても健康に影響のない量」
- 動物実験での「無毒性量」÷ 安全係数100
- 国際的に確立
- 複数の添加物を摂取しても合算で安全
使用基準値
- 食品ごと・添加物ごとに設定
- 「ADIを超えない」よう設計
- モニタリング調査も実施
添加物の主な役割
厚生労働省 より:
種類別の役割
| 種類 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| 保存料 | 微生物の増殖を抑える | ソルビン酸・安息香酸 |
| 酸化防止剤 | 酸化を防ぐ | ビタミンC・ビタミンE |
| 着色料 | 見た目を整える | カラメル色素・ベニコウジ色素 |
| 甘味料 | 甘み | アスパルテーム・スクラロース |
| 増粘剤・安定剤 | 粘り・とろみ | キサンタンガム・寒天 |
| 乳化剤 | 油と水を混ぜる | レシチン |
| pH調整剤 | 酸性度の調整 | クエン酸 |
| 発色剤 | 色を保つ | 亜硝酸ナトリウム |
「安全性を高める」役割も
- 保存料:食中毒予防
- 酸化防止剤:腐敗防止
- 「添加物 = 悪」ではない
消費者庁「無添加・不使用表示ガイドライン」(2022年3月)
消費者庁 より、最重要のルール:
背景
- 「無添加」表示の誤解を生む乱用 が問題に
- 「消費者の合理的な選択」を支援
- 食品表示法の枠組みで整理
「禁止される表示」10類型
- 単に「無添加」とだけ表示:何が無添加か不明
- 食品表示基準に規定のない用語
- 添加物の使用が法令で認められていないものに対する不使用表示
- 同一機能を持つ食品添加物を使用したものに対する不使用表示
- 同一機能をもつ原材料を使用したものに対する不使用表示
- 健康・安全と関連付けた表示
- 健康・安全以外と関連付けた表示
- 食品添加物の使用が予期されないものへの「不使用」表示
- 加工食品の原材料に対しての不使用表示
- 不使用表示と排他的な使用がないことを示す表示
実例
- NG:「保存料無添加」「合成着色料不使用」を強調しすぎ
- OK:「保存料を使用していません(ただし他の添加物使用)」と具体的に
- 誤解を生む「無添加」を控える
「無添加 = 安全」の誤解
食品安全委員会 より:
「無添加・自然」のイメージ vs 現実
- 「無添加 = ヘルシー」のマーケティング
- 実際は「特定の添加物を使っていない」だけ
- 他の添加物を使っているケースも
- 天然由来でも添加物
「無添加」のリスクの可能性
- 保存料無添加 → 食中毒リスク↑
- 酸化防止剤無添加 → 酸化・劣化
- 「賞味期限が短い」
- 「適切に保存しないと危険」
子どもへの実用的な選び方
厚生労働省 や農水省より:
食品表示の見方
- 原材料名は多い順
- 添加物は「/(スラッシュ)」の後:原材料と区別
- 「○○(〇〇由来)」:何由来かの確認
- 読みやすい表示の製品を選ぶ
過剰な不安より「バランス」
- 「無添加」を最優先せず、品質・価格・栄養で
- 「すべて手作り」も非現実的
- 加工食品の活用で家庭の負担↓
アレルギー対応
- 特定原材料の表示確認:別の優先課題
- 添加物より「アレルゲン」のチェック が小児にとって重要
「保存料無添加品」の扱い
- 賞味期限を厳守
- 開封後は早く食べる
- 「無添加 = 長持ち」ではない
「自然派」マーケティング
消費者庁 より:
注意すべき表示
- 「○○ゼロ」「不使用」を強調
- 「天然」「自然」のイメージ訴求
- 科学的根拠の確認
- 値段が高くなる
「子ども専用品」
- 「子ども向け = 安全」のイメージ
- 通常食品との成分差を確認
- 値段が高いことが多い
- 必須ではない
添加物への過剰な不安のリスク
食品安全委員会 より:
デメリット
- 加工食品を全否定 で家庭の食事が困難に
- 保存料無添加でも食中毒リスク
- 高額な「無添加食品」依存
- 食育の機会↓:「添加物 = 悪」の単純化
合理的な姿勢
- 「ADIに基づき安全性評価されている」を理解
- 過度な不安は不要
- 食品表示を読んで「自分で判断」
食育の機会として
農林水産省 食育 より:
子どもと一緒に
- 食品表示を読む:原材料・添加物
- 「これは何のため?」
- 「ADI」「安全性評価」を高学年で
- 「無添加 vs 添加物」の二分を超えて学ぶ
食品表示の役割
- 「消費者の選択を支援」
- 「自分で判断する力」
- 食育の重要要素
「化学物質過敏症・特定の体質」の場合
食品安全委員会 より:
個別の体質
- アレルギー反応:アレルゲンとして
- 「特定の添加物で体調不良」:医師相談
- 科学的根拠が乏しい主張も多い:「化学物質過敏症」
医師相談
- 症状がある場合は具体的な原因を
- 「すべての添加物」を漠然と避けるのではなく
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 「無添加 = 安全」と盲信 | 表示の意味を確認 |
| 「添加物 = 危険」と二分 | ADI に基づき安全評価 |
| 「無添加」だけで選ぶ | 賞味期限・他成分の確認 |
| 過剰なマーケティングを信頼 | 科学的根拠の確認 |
| 加工食品全否定で家庭疲弊 | 現実的なバランス |
| 「子ども専用品」を盲信 | 通常食品で十分 |
| 保存料無添加品の長期保存 | 食中毒リスク |
| 食品表示を読まない | 自分で判断する力 |
よくある誤解
Q. 「無添加」食品は子どもに安全?
A. 「特定の添加物を使っていない」だけ、他の添加物使用や保存性低下を確認。
Q. 添加物は子どもに悪い?
A. ADIに基づき安全性評価、基準内なら科学的に安全。
Q. 天然添加物なら安心?
A. 「天然 = 安全」ではない、すべての添加物が安全性評価対象。
Q. 「子ども専用」は必要?
A. 通常食品でも十分、表示を読んで選ぶ。
Q. 全部手作りすべき?
A. 現実的でない、合理的なバランスで。
Q. 何に相談?
A. 食品安全情報は 食品安全委員会・消費者庁、健康相談は 小児科・管理栄養士。
この記事の根拠
- 消費者庁 食品添加物の不使用表示に関するガイドライン(2022年3月)
- 厚生労働省 食品添加物
- 食品安全委員会 食品の安全(食品添加物)
- 農林水産省 食品の安全に関する情報
まとめ
- 食品添加物は 4区分(指定・既存・天然香料・一般飲食物)
- ADI に基づく安全性評価、基準内なら科学的に安全
- 消費者庁ガイドライン(2022年) で誤解を招く「無添加」表示を整理
- 「無添加 = 安全」「添加物 = 危険」の二分は誤り
- 保存料・酸化防止剤 は食品の安全性を高める役割も
- 食品表示を読む ことが「自分で判断する力」
- 過剰な不安より合理的なバランス
大切なお知らせ:本記事は公的機関・専門機関の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。お子さまの食生活については、保健センター・管理栄養士にご相談ください。

