この記事の3つのポイント
食品添加物の基礎知識:子どもの食事で知っておきたいことについて、厚生労働省・食品安全委員会・消費者庁の情報をもとにまとめました。
- 結論から言うと:日本で使用が認められている食品添加物は、食品安全委員会がリスク評価を行い、ADI(一日摂取許容量)を設定した上で厚生労働省が認可しています。通常の食事で健康被害が起きる量を摂取することはまずありません。
- ただし注意点も:子どもは体重あたりの摂取量が大人より多くなりやすいため、加工食品に偏った食生活は避けたほうが安心です。「無添加」表示にも注意が必要で、2024年から不当な「無添加」表示への規制が強化されています。
- 対象年齢:0〜12歳のお子さんを持つ保護者向け
各機関の見解を比較
| 立場 | 機関・出典 | 見解の要旨 |
|---|---|---|
| 科学的評価 | 食品安全委員会 | 添加物のリスク評価を科学的に実施。ADI(一日摂取許容量)は動物実験の無毒性量の1/100に設定しており、十分な安全マージンを確保している。 |
| 規制・管理 | 厚生労働省 | 食品衛生法に基づき使用基準を設定。指定添加物(475品目)は安全性試験データが必須。既存添加物(357品目)は長年の食経験に基づく。 |
| 表示の透明性 | 消費者庁 | 2020年の食品表示基準改正により、添加物の表示ルールを明確化。一括表示(pH調整剤等)の見直しや、不当な「無添加」表示への対応を進めている。 |
詳しい解説
そもそも食品添加物とは?
食品添加物とは、食品の製造・加工・保存の過程で使用される物質のことです。厚生労働省の定義では、「食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するもの」とされています。
主な役割:
- 保存料:食中毒を防ぎ、食品を長持ちさせる(ソルビン酸など)
- 甘味料:砂糖の代わりに甘味をつける(アスパルテーム、ステビアなど)
- 着色料:見た目をよくする(カラメル色素、クチナシ色素など)
- 乳化剤:水と油を混ぜ合わせる(レシチンなど)
- 酸化防止剤:酸化による変質を防ぐ(ビタミンC、ビタミンEなど)
- 増粘剤:とろみや食感をつける(ペクチン、寒天など)
ADI(一日摂取許容量)のしくみ
食品安全委員会が設定するADIは、「人が一生涯にわたり毎日摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される量」です。
ADIの決め方:
- 動物実験で「影響が出ない最大量」(NOAEL:無毒性量)を特定
- NOAELを100分の1にする(安全係数:種差10倍×個体差10倍)
- この値がADI(体重1kgあたりの1日摂取量)
つまり、ADIの100倍食べても動物実験では影響が出なかった量ということです。実際の食品中の使用量はADIをさらに大きく下回るよう基準が設定されています。
子どもが気をつけたい添加物
科学的な安全性は確認されていますが、体重が軽い子どもは大人と同じ量を食べた場合に体重あたりの摂取量が多くなります。
注意したい場面:
| 添加物の種類 | よく含まれる食品 | 子どもへの配慮 |
|---|---|---|
| 合成着色料(赤色2号等) | 駄菓子、かき氷シロップ | EUでは一部に注意喚起表示あり。日常的に大量に食べなければ問題ない |
| 亜硝酸ナトリウム | ハム、ソーセージ、ベーコン | 発色剤として使用。加工肉の過度な摂取は避けたい |
| リン酸塩 | ハム、練り物、カップ麺 | 過剰摂取でカルシウムの吸収を阻害する可能性 |
| 人工甘味料 | 清涼飲料水、ガム | 甘味に慣れると自然な甘さを感じにくくなる可能性 |
| カフェイン | エナジードリンク、コーラ | 子どもは感受性が高い。体重1kgあたり3mg/日以下が目安 |
食品表示の読み方
2020年に完全移行した新しい食品表示制度では、添加物は原材料と区別して表示することが義務づけられています。
表示の基本ルール:
- 原材料名は重量の多い順に記載
- 添加物は「/(スラッシュ)」や改行で原材料と区別
- 物質名での表示が原則(例:「L-アスコルビン酸」)
- 一部は一括名での表示が認められている(例:「pH調整剤」「乳化剤」)
表示例の読み方:
原材料名:小麦粉(国内製造)、砂糖、卵、バター、牛乳 /
膨張剤、香料、着色料(カラメル)
「/」より前が原材料、後ろが添加物です。
「無添加」「不使用」表示の落とし穴
消費者庁は2022年に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を策定し、不当な無添加表示への規制を強化しました。
注意すべきケース:
- 「保存料無添加」:保存料は使っていなくても、pH調整剤など他の添加物で同様の効果を得ている場合がある
- 「化学調味料不使用」:「化学調味料」は法令上の用語ではない。たんぱく加水分解物や酵母エキスで旨味を出している場合も
- 「無添加」だけの表示:何が無添加なのか不明確。もともとその食品に使わない添加物を「不使用」とアピールしているケースも
年齢別の実践アドバイス
離乳食期(5〜18か月)
- ベビーフードは厚生労働省の「乳児用規格適用食品」の基準を満たしたものを選ぶ
- ベビーフードに使われる添加物は種類・量とも厳しく制限されている
- 手作り離乳食なら添加物を最小限にコントロールできる
- だしは昆布やかつお節から取るのが理想。無添加の顆粒だし(茅乃舎だし、リケン「素材力だし」など)も活用可
幼児食期(1歳半〜3歳)
- 大人と同じ食品を食べ始める時期なので、加工食品の選び方が重要に
- ウインナー・ハムは添加物の少ないものを選ぶ(信州ハム「グリーンマーク」シリーズなど)
- おやつは果物、おにぎり、蒸し芋などを中心にし、市販の菓子は補助的に
- ジュースよりも牛乳、麦茶を基本にする
幼児期後半〜学童期(3〜6歳)
- 友だちとの交流でお菓子をもらう機会が増える時期
- 完全に排除するのではなく、日常の食事で添加物の少ない食品を選ぶことでバランスを取る
- 子どもと一緒に食品表示を見る習慣をつけると、食育にもつながる
家庭でできる具体的な対応
過度に恐れず、かといって無関心にもならないのが大切です。
- 加工食品に偏らない食生活を:手作りの食事を基本に、加工食品は「便利なサポート役」として活用
- 同じものばかり食べない:特定の添加物の摂取が偏らないよう、食品のバリエーションを意識
- 表示を読む習慣をつける:買い物のとき裏面表示をチェック。慣れると10秒で判断できる
- 子どもと一緒に考える:小学生なら食品表示を一緒に読むのも食育の一環
- 信頼できる情報源を持つ:SNSの「添加物は毒」系の情報ではなく、食品安全委員会などの公的情報を参照
- 加工食品は「湯通し」する:ハム、ウインナー、油揚げなどは湯通しで表面の添加物・塩分を減らせる
- だしは天然素材で取る:昆布+かつお節の合わせだしを多めに作り、製氷皿で冷凍ストック
- 「原材料がシンプルな製品」を選ぶ:原材料欄の項目数が少ないものほど添加物も少ない傾向
よくある疑問Q&A
Q: コンビニ弁当やお惣菜を毎日食べても大丈夫? A: 添加物の観点からは、ADIを超える心配はほぼありません。ただし栄養バランスの面で野菜不足・塩分過多になりやすいので、サラダや果物を追加するのがおすすめです。
Q: ベビーフードの添加物は安全? A: ベビーフードは厚生労働省が定める乳幼児食品の基準に基づき、使用できる添加物が一般食品より厳しく制限されています。安心して使えます。
Q: オーガニック食品なら添加物ゼロ? A: 有機JAS認証食品でも、一部の添加物(にがり、重曹など)は使用が認められています。「オーガニック=添加物ゼロ」ではありません。
相談できる窓口
| 窓口 | 連絡先 | 対応時間 |
|---|---|---|
| 食品安全委員会 食の安全ダイヤル | 03-6234-1166 | 平日10:00〜17:00 |
| 消費者ホットライン | 188 | 平日日中 |
| 子育て支援センター | お住まいの市区町村 | 平日日中 |
| かかりつけ小児科 | ー | 診療時間内 |
この記事のまとめ
食品添加物の基礎知識について、厚生労働省・食品安全委員会・消費者庁の情報をもとに解説しました。
ポイントの振り返り:
- 日本の食品添加物は科学的な安全性評価を経て認可されており、通常の食事で問題になることはまずない
- ただし子どもは体重が軽い分、加工食品に偏りすぎない食生活が望ましい
- 「無添加」表示を鵜呑みにせず、食品表示を読む習慣をつけよう
- 不安なときは食品安全委員会など公的機関の情報を参照
「添加物=悪」でも「添加物=安全」でもなく、正しい知識をもとに冷静に判断することが、子どもの食生活を守る第一歩です。
大切なお知らせ: この記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめたものです。お子さまの個別の状況については、かかりつけ医や専門家にご相談ください。

