この記事のポイント
- まず結論:血液検査は 感染症・貧血・臓器機能 など多くの情報を一度に
- 子ども特有の正常値 あり(成人とは異なる)
- 事前準備:説明・気を紛らわす方法・絶食指示の確認
- 対象:採血が必要なお子さんの保護者向け
受診のタイミング
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ受診(小児科・救急外来) | 高熱が続く/哺乳力↓・体重↓/顔色不良(貧血疑い)/血液疾患の家族歴/学校尿検査の異常 |
| 計画的に検査 | 発達相談・食物アレルギー評価/不明熱/長期治療の経過観察 |
| 健診の精密検査 | 学校健診で「要再検査」/鉄欠乏性貧血の疑い |
子どもの血液検査でわかること
日本小児科学会 より:
主な検査項目
| カテゴリ | 主な項目 | わかること |
|---|---|---|
| 感染・炎症 | CRP・白血球(WBC)・好中球・リンパ球 | 細菌性 vs ウイルス性の感染 |
| 貧血 | ヘモグロビン(Hb)・赤血球・MCV | 鉄欠乏性貧血等 |
| 鉄関連 | フェリチン・血清鉄・TIBC | 鉄欠乏の詳細 |
| 肝機能 | AST・ALT・γ-GTP | 肝臓のダメージ |
| 腎機能 | クレアチニン・BUN | 腎臓の機能 |
| 電解質 | Na・K・Cl・Ca | 脱水・代謝 |
| 血糖 | 血糖・HbA1c | 糖尿病 |
| 甲状腺 | TSH・FT4 | 内分泌 |
| アレルギー | 特異的IgE | アレルギー検査(別記事) |
子ども特有の正常値
- 多くの項目で成人と異なる
- 年齢別の基準値
- 「成人の基準で異常」も子では正常 のことが
- 医師が年齢を考慮して判断
なぜ血液検査をするか
主な目的
感染症の評価
- CRP:細菌感染で上昇
- 白血球:上昇・低下・分画
- 「ウイルス性 vs 細菌性」の参考
- 抗菌薬の適応判断
貧血の評価
- 鉄欠乏性貧血:6か月以降に多い
- 顔色不良・元気がない
- 離乳食での鉄不足
- 学校での「立ちくらみ」
臓器機能
- 肝機能:黄疸・薬剤性肝障害等
- 腎機能:尿検査異常・脱水
- 甲状腺:成長発達
経過観察
- 慢性疾患の管理
- 治療の効果判定
- 副作用のモニタリング
鉄欠乏性貧血
国立成育医療研究センター より、子どもに多い貧血:
多い時期
- 6か月以降の乳児:胎内貯蔵が枯渇、母乳で不足
- 離乳食が進まない子
- 早産児・低出生体重児
- 思春期女子:月経で
症状
- 顔色不良・蒼白
- 元気がない
- 食欲低下
- 発達への影響リスク:認知発達への懸念
- 学校での集中力↓・立ちくらみ
検査値の目安
- ヘモグロビン低下:年齢別基準値
- MCV低下:小球性
- フェリチン低下:鉄貯蔵の指標
- 血清鉄低下・TIBC上昇
対策
- 食事:赤身肉・魚・卵黄・大豆製品
- ビタミンC と一緒に:吸収↑
- 鉄剤投与:医師判断で
採血の準備
事前準備(数日前)
- 絶食指示の確認:項目による
- 血糖検査:絶食必要
- 一般項目:通常 不要
- 服薬中の薬 を医師に伝える
- 過去の検査結果 を持参
当日の朝
- 指示通りの飲食
- 十分な睡眠
- 服装:腕を出しやすいもの
- 水分補給:可能なら(脱水で採血困難)
持ち物
- 保険証・乳幼児医療証
- 母子健康手帳・お薬手帳
- 過去の検査結果
- 本人のお気に入りのもの:気を紛らわすため
採血を嫌がる子への対応
日本小児科学会 より:
事前説明
- 「血を採るよ」と正直に:嘘はNG
- 「ちくっと痛い」:誇張せず
- 「すぐ終わるよ」:時間感
- 「終わったら○○しようね」:楽しみを
気を紛らわす方法
- お気に入りのおもちゃ・絵本
- スマホで動画
- 歌・話しかけ
- 抱っこ・手をつなぐ
- 「窓の外を見ようね」
麻酔シール
- ペンレステープ等:採血部位の麻酔
- 事前に貼る:30〜60分前
- 採血の痛みを軽減
- 医療機関で確認
「採血恐怖」を作らない
- 過度に怖がらせない
- 頑張りを認める:「えらかったね」
- 次回への不安 を減らす
結果の見方
「異常値」と「正常値」
- 年齢別の基準値で判断
- 「成人の基準で異常」も子では正常 のことが
- 「軽度異常」は経過観察 のことも
- 必ず医師の説明を聞く
よくある結果
CRP 上昇
- 細菌感染を疑う:高値ほど
- ウイルス感染でも軽度上昇 あり
- 臨床症状と合わせて判断
白血球異常
- 上昇:感染・炎症・ストレス
- 低下:ウイルス感染・薬剤性
ヘモグロビン低下
- 貧血:原因の評価が必要
- MCV と合わせて判断
肝機能異常
- 薬剤性・ウイルス性・代謝性
- 軽度なら経過観察
「再検査」の意味
- 「異常」ではなく「再確認」のこともある
- 必ず指定通りに再検査
- 時系列の変化 を見る
採血後のケア
採血部位
- 5分以上 圧迫:止血
- 揉まない
- 当日の入浴OK:採血部位は擦らない
- 激しい運動は控える(半日程度)
子どもの様子
- 頑張りを褒める
- 「もう終わったよ」と安心
- 痛みが続けば医師相談
- 採血部位の腫れ・あざ:徐々に消える
結果待ちの間
- 即日結果:迅速検査
- 数日〜1週間:詳細な検査
- 不安があれば電話確認
検査結果を活用する
経過観察
- 数値の経時変化:改善傾向 or 悪化
- 治療効果の判定
- 疾患の活動性評価
治療方針
- 抗菌薬の選択
- 鉄剤投与
- 入院の判断
- 専門医紹介
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 「採血しないよ」と嘘 | 信頼関係崩壊 |
| 絶食指示を無視 | 正確な結果が出ない |
| 服薬中の薬を伝えない | 結果の解釈に影響 |
| 「異常値」を自己判断 | 年齢別基準で違う、医師の説明を |
| 再検査を「面倒」と無視 | 早期発見の機会を逃す |
| 採血部位を揉む | 内出血 |
| 「痛い」と恐怖を植え付ける | 次回の採血が困難に |
| 顔色不良を「いつものこと」と放置 | 鉄欠乏性貧血の見逃し |
よくある誤解
Q. 子どもに血液検査は危険?
A. 適切な量で安全、小児用の少量採血。
Q. CRP 高値 = 必ず細菌感染?
A. 可能性は高いが絶対ではない、臨床症状と総合判断。
Q. 「軽度異常」は治療必要?
A. 必ずしも、経過観察のこともある。医師判断で。
Q. 採血を嫌がる、どう対応?
A. 事前説明・気を紛らわす・麻酔シール。「頑張ったね」で締める。
Q. 結果はいつ出る?
A. 項目による:即日〜1週間。「迅速検査」は当日。
Q. 何科を受診すれば?
A. 小児科、専門評価は 小児血液・がん専門医・小児内分泌科 など。
この記事の根拠
- 日本小児科学会 子どもがかかりやすい病気
- 日本小児血液・がん学会 小児血液・腫瘍
- 国立成育医療研究センター 新生児・乳幼児の血液疾患
- 厚生労働省 授乳・離乳の支援ガイド
まとめ
- 血液検査は 感染症・貧血・臓器機能 など多くの情報を一度に
- 子ども特有の正常値 あり、医師が年齢を考慮して判断
- 鉄欠乏性貧血 は6か月以降に多い、離乳食での鉄不足
- 採血前:絶食指示確認・服薬報告・気を紛らわす方法準備
- 麻酔シール(ペンレステープ等)で痛みを軽減
- 採血後:5分以上圧迫・揉まない・褒める
- 結果の解釈 は必ず医師の説明を
大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。検査・治療は必ず小児科の医師にご相談ください。

