この記事のポイント
- まず結論:夏のトラブルは あせも・とびひ・水いぼ が代表
- 基本ケア:洗う・保湿・通気
- 疾患別に対応が違う:あせも=スキンケア、とびひ=抗菌薬、水いぼ=経過観察 or 除去
- 対象:0〜12歳のお子さんを持つ保護者向け
受診のタイミング
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| すぐ受診(小児科・皮膚科) | とびひの広範囲拡大/発熱を伴う皮膚症状/膿が広がる/全身症状 |
| 早めに受診 | スキンケアで改善しない/繰り返す/プール・登園の可否を知りたい/市販薬で悪化 |
| 家庭ケアでOK | 軽度のあせも/少数の水いぼ(数か月で自然軽快待ち)/日焼け後の軽い赤み |
夏の皮膚トラブル:4代表疾患
① あせも(汗疹)
日本小児皮膚科学会 より:
基本
- 汗管の閉塞 で起こる
- 首・脇・背中・おむつ周囲 に多発
- 乳児・幼児に多い
- 赤い小さな丘疹
種類
- 水晶様汗疹:透明な小水疱、痒みなし
- 紅色汗疹:赤いブツブツ、痒みあり
- 深在性汗疹:稀
対策
- 汗をかいたらシャワー・濡れタオル
- 通気のいい服(綿素材)
- エアコン・除湿
- 保湿:乾燥はバリア低下
- 悪化したらステロイド外用:医師処方
② とびひ(伝染性膿痂疹)
基本
- 黄色ブドウ球菌・連鎖球菌 の感染
- 「とびひ」:あちこちに飛び火するから
- 夏に多発、虫刺され・あせもから二次感染
- 学童期に多い
症状
| 型 | 特徴 |
|---|---|
| 水疱性(多くの子) | 透明〜濁った水ぶくれ、すぐ破れる、湿潤性 |
| 痂皮性 | 厚いかさぶた、A群溶連菌、まれ |
治療
- 抗菌薬:内服・外用
- 湿潤環境を保つ:乾燥はかえって悪化
- 掻かない:爪を短く・ガーゼ保護
学校保健安全法
- 第三種感染症(その他の感染症)
- 多くの自治体・園・学校で「医師判断で登園可」
- 病変をしっかり覆う + 抗菌薬治療開始 で可とすることが多い
- 規定を確認
③ 水いぼ(伝染性軟属腫)
日本皮膚科学会 より:
基本
- 伝染性軟属腫ウイルス(MCV)
- 2〜10歳に多い
- 真ん中がへこんだ小さなブツブツ:1〜5mm
- 接触感染:プールのビート板・タオル共有
治療
- 多くは6か月〜2年で自然軽快
- ピンセット除去:希望に応じて、麻酔テープ使用も
- 冷凍凝固・薬剤:施設により
- アトピー性皮膚炎合併 で広がりやすい
プールは入れる?
- 学校保健安全法:出席停止対象外
- 「プールを禁止すべき積極的な理由はない」:日本学校保健会・日本臨床皮膚科医会
- タオル・ビート板の共用は避ける
- 多くの自治体・園・学校では参加可能:規定を確認
④ とこずれ・おむつかぶれ・接触皮膚炎
- 湿気・摩擦・洗剤の刺激
- おむつ部位は特に注意:清潔・乾燥・保湿
- 市販薬は症状に応じて、悪化なら皮膚科
スキンケアの基本
洗う
- 石鹸を泡立てて優しく
- ゴシゴシしない
- ぬるま湯で十分にすすぐ
- タオルで押さえて拭く:擦らない
保湿
- 入浴後5分以内 に保湿
- 量はたっぷり:「ティッシュが貼り付くくらい」
- 顔・体全身
- 乳児期からの保湿でアトピー予防 とも
通気
- 綿素材の服
- 重ね着しすぎない
- エアコン・除湿
- 汗をかいたら着替え
紫外線対策
- 日焼け止め(6か月以降)
- 日陰・帽子・衣服
- 詳しくは別記事「子どもの日焼け対策」
ステロイド外用の使い方
日本皮膚科学会 より:
「弱いものを長く」より「適切な強さで短期間」
- 症状の重さに合わせた強さ
- 短期間で集中的に:弱いものを漫然と使うより
- 医師処方 で
ステロイドの強さ(5段階)
| 強さ | 例(処方薬) |
|---|---|
| Strongest(I群) | デルモベート等 |
| Very strong(II群) | アンテベート等 |
| Strong(III群) | リンデロン等 |
| Medium(IV群) | キンダベート等 |
| Weak(V群) | ヒドロコルチゾン等 |
部位別の使い分け
- 顔・陰部:吸収率↑、弱いものを
- 体・四肢:通常の強さ
- 乳児:医師処方の必要量
- 「素人判断はNG」:必ず処方を
ステロイド忌避の誤解
- 「ステロイド怖い」で塗らない → 治療が遅れ慢性化
- 適切に使えば安全
- 医師指示通り
プール・登園基準
日本学校保健会 より:
| 疾患 | プール | 登園・登校 |
|---|---|---|
| あせも | OK | OK |
| とびひ | 病変を覆って治療中ならOK(園規定確認)、広範囲ならNG | 病変覆い + 治療で多くは可 |
| 水いぼ | OK(ビート板・タオル共有しない) | OK |
| アトピー性皮膚炎 | OK(ローション・薬で対応) | OK |
→ 「絶対ダメ」は少ない、医師判断と園の規定で。
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 「ステロイド怖い」で塗らない | 慢性化リスク |
| とびひを乾かす | 湿潤環境が治癒に必要 |
| 水いぼで親が無理に潰す | 拡散・感染 |
| タオル・ビート板共有(とびひ・水いぼ) | 周囲に感染 |
| 市販ステロイドを長期使用 | 適切な強さの判断必要 |
| 汗の放置 | あせも悪化・とびひ |
| 石鹸でゴシゴシ | 皮膚バリア破壊 |
| 保湿しない | バリア低下・トラブル↑ |
よくある誤解
Q. あせもは「子どもの定番」だから様子見?
A. 基本はスキンケアでOK、悪化や繰り返しは皮膚科で。
Q. とびひでプール禁止?
A. 病変を覆って治療中ならOK とすることが多い、規定確認。
Q. 水いぼは取らないとプール禁止?
A. 学校保健安全法は禁止していない。タオル・ビート板共有を避ければOK。
Q. ステロイドを長期使うと薄くなる?
A. 長期・強いステロイドの誤用で稀。適切な使用なら安全。
Q. 保湿は「乾燥肌の子だけ」?
A. 全員に有効、乳児期からの保湿でアトピー予防の知見も。
Q. 何科を受診すれば?
A. 小児科・皮膚科・小児皮膚科。
この記事の根拠
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A
- 日本小児皮膚科学会 こどものスキンケアQ&A
- 日本学校保健会 学校において予防すべき感染症の解説
- 日本小児科学会 子どもがかかりやすい病気
まとめ
- 夏のトラブル:あせも・とびひ・水いぼ・かぶれ
- 基本:洗う・保湿・通気・紫外線対策
- とびひは黄色ブドウ球菌・連鎖球菌、抗菌薬と湿潤環境
- 水いぼは 多くは自然軽快、プール禁止すべき理由なし
- ステロイド外用は「適切な強さで短期間」、忌避で慢性化を避ける
- 学校保健安全法での扱いは「絶対禁止」は少ない、医師判断と園規定
大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。診断・治療は必ず小児科・皮膚科の医師にご相談ください。

