この記事のポイント
- 6〜9歳は「いろいろな動き」を覚える時期。一つの種目より、走る・跳ぶ・投げるなど多様な動きが体力づくりの土台です。
- 運動が苦手でも大丈夫。タイムや勝敗より「体を動かすのは楽しい」という気持ちを優先します。
- 習い事より日常の遊び。公園・外遊び・お手伝いなど、毎日の中で体を動かす習慣が一番効きます。
- 外遊びも含めて、息が少しはずむくらいの運動を1日合計60分以上(1週間の平均で。詳しくは「小学生は1日何分体を動かせばいい?」の節)。
- 対象:6〜9歳ごろの子どもの体力づくりを考えたい保護者。
まず確認したいこと(相談窓口)
| 気になること | まず相談する先 |
|---|---|
| 体力や疲れやすさが気になる | かかりつけ小児科 |
| 極端に転びやすい・不器用が続く | 発達相談・かかりつけ小児科 |
| 運動の発達のペースが気になる | 地域の保健センター・発達相談 |
| 学校での体育の様子が気になる | 担任・学校 |
重要:体力づくりは「鍛える」より「楽しく続ける」が基本です。運動が苦手でも焦る必要はありません。ただし、年齢のわりに極端に転びやすい・不器用さが続くなど気になるときは、かかりつけ小児科や発達相談で落ち着いて確認すると安心です。
6〜9歳の体力づくりの考え方
文部科学省「幼児期運動指針」 より:子どもの時期は多様な動きを経験することが、生涯の運動の土台になるとされています。
- この時期は一つの種目より、いろいろな動きの経験が大切です。
- 走る・跳ぶ・投げる・転がるなど、多様な動きを遊びで覚えます。
- 体力づくりの目的は記録より「動くのが楽しい」と感じることです。
- 体格や発達には個人差があり、上達のペースも子どもごとに違います。
運動が苦手な子への関わり方
国立成育医療研究センター「成長・発達のみかた」 より:発達には幅があり、比較ではなくその子の歩みを見る姿勢が大切とされています。
- タイムや勝敗で評価せず、できた動きを一緒に喜びます。
- 他の子と比べる言葉は、運動への意欲を下げてしまいます。
- 苦手な子には、勝敗のない外遊びから誘うのが入りやすいです。
- 「上手」より「楽しかったね」を合言葉にします。
日常でできる体を動かす習慣
文部科学省「学校保健の推進」 より:日常的に体を動かす習慣は、健康と発達の基盤になるとされています。
- 公園遊びや外遊びを、毎日の生活に組み込みます。
- 階段を使う・歩いて出かけるなど、日常の動きも体力づくりです。
- 雨の日は室内でできる体遊びやストレッチを取り入れます。
- お手伝いで体を使う場面も、立派な運動の機会になります。
小学生は1日何分体を動かせばいい?目安は「60分」
厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:こども版 より:WHO のガイドラインを紹介する形で、こどもの目安として次の点を挙げています。
- 中強度以上の身体活動(主に有酸素性の運動)を、1日60分以上。
- 高強度の有酸素性の運動や、筋肉・骨を強くする運動(ジャンプなど)を、週3日以上。
- 座りっぱなしの時間、とくにスクリーンタイム(テレビ・ゲーム・スマホ)を減らす。
- 体を動かす時間が少ない子は、まず少しでも体を動かすことから始める。
WHO「Physical activity」(ファクトシート) より:この60分は「1週間を通じた1日平均」として示されています。
家で使うときのコツ(編集部):
- 「中強度」は、息が少しはずむくらいの動き(早歩き・自転車・鬼ごっこなど)と考えると数えやすくなります。
- 登下校の早歩き・休み時間に外で体を動かして遊んだ分・放課後の公園遊びを足して数えると、60分をゼロから新しく作らなくて済みます(座って過ごした時間は数えません)。
- 「週3日以上」の運動は、なわとび・ケンケン・鬼ごっこ・アスレチックなど、跳んだり走ったりする遊びで十分です。
- 雨の日や習い事の日に届かなくても、週の中で取り戻せば大丈夫です。
- 暑い日は日差しの強い時間を避け、こまめに水分をとらせましょう。
- 数値は目安です。疲れやすさや痛みが気になるときは、かかりつけ小児科に相談してください。
体力づくりで気をつけたいこと
国立障害者リハビリテーションセンター「発達性協調運動障害について」 より:不器用さが日常生活に影響する場合は、専門的な相談につながることが安心とされています。
- 一つの種目の過度な反復は、体や意欲に負担になることがあります。
- 勝敗のプレッシャーをかけすぎると運動嫌いにつながります。
- 極端に転びやすい・不器用が続くときは相談先を頼ります。
- 痛みや強い疲れを訴えるときは無理をさせず受診を検討します。
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| タイムや勝敗で能力を評価する | 運動そのものを嫌いになりやすい |
| 他の子と比べて優劣を言う | 自信と意欲を同時に下げる |
| 一つの種目を過度に反復させる | 体への負担や燃え尽きにつながる |
| 苦手を無理強いして続けさせる | 運動への拒否感が強まる |
| 痛みの訴えを我慢させる | けがや不調を見逃す恐れがある |
よくある誤解
Q. 体力づくりには習い事が必要ですか?
A. 必須ではありません。公園遊び・外遊び・お手伝いなど、日常で体を動かす習慣が一番の土台になります。
Q. 早くから一つのスポーツに絞った方が伸びますか?
A. この時期は多様な動きの経験が大切です。一つに絞りすぎるより、いろいろな動きを楽しむ方が土台が育ちます。
Q. 運動が苦手な子はどうすればいい?
A. 勝敗のない外遊びから誘い、できた動きを一緒に喜びます。「楽しい」が続けば体力は後からついてきます。
Q. 体力がないのは生まれつきですか?
A. 体格や得意不得意の個人差はありますが、日常的に体を動かす習慣で体力は育ちます。比べず、その子のペースを大切にしましょう。
Q. 運動の発達や体力が気になるときは、どこに相談すればいい?
A. 疲れやすさや不器用さが気になるときは、かかりつけ小児科や発達相談へ、体育の様子は担任に相談すると安心です。
この記事の根拠
- 文部科学省「幼児期運動指針」「学校保健の推進」
- 国立成育医療研究センター「成長・発達のみかた」
- 国立障害者リハビリテーションセンター「発達性協調運動障害について」
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」推奨シート:こども版
- WHO「Physical activity」(ファクトシート)
まとめ
- 6〜9歳の体力づくりは、多様な動きを楽しく経験することが土台です。
- タイムや勝敗より「体を動かすのは楽しい」気持ちを優先します。
- 習い事より、公園遊びやお手伝いなど日常の習慣が効果的です。
- 一つの種目の過度な反復や勝敗のプレッシャーは避けます。
- 疲れやすさや不器用さが気になるときは、かかりつけ小児科や発達相談へ相談しましょう。
大切なお知らせ:この記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部がまとめた一般的な情報です。お子さんの発達や個別の状況については、かかりつけの小児科医や地域の保健センターにご相談ください。

