この記事のポイント
- まず結論:5歳児健診は こども家庭庁が全国実施を推進 する新しい健診(2024年度〜)
- 意義:3歳児健診と就学時健診の 「空白期間」を埋める
- 重点:発達特性・集団生活への適応・就学準備
- 対象:5歳前後のお子さんを持つ保護者向け
親のリアルな本音
「5歳児健診って初めて聞いた。うちの自治体やってる?」
「集団行動が苦手なうちの子、就学前に何か準備した方がいい?」
「発達のことを指摘されたら、小学校どうなる?」
SNSや子育てコミュニティでよく聞かれる本音です(編集部が想定した典型例として整えています)。就学を控えた発達・適応の不安 が中心です。
受診・相談のタイミング
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 早めに相談(保健センター・小児科・発達相談) | 集団行動が極端に苦手/指示が通りにくい/会話のやりとりが難しい/落ち着きが極端にない/こだわりが強く生活に支障 |
| 健診で相談 | 就学に向けた不安/生活習慣/友達関係 |
| 就学相談(教育委員会) | 特別な支援が必要かもしれない/通常学級か支援学級か迷う |
| 見守りでOK | 多少の個人差/集団生活を概ね楽しめる/会話が成り立つ |
就学前の発達が気になる、どこに相談する?窓口ごとにできること
「健診で『様子を見ましょう』と言われた」「園の先生から『一度相談してみては』と言われた」。そんなとき、どこで何を聞けばいいかを窓口ごとにまとめました。
迷ったら入口は市区町村の保健センター(子育て相談窓口)、療育は障害福祉の担当課、就学は教育委員会。
窓口ごとにできること
- 市区町村の保健センター・子育て相談窓口:障害かどうかの判断がまだ難しい段階でも相談できる窓口として案内されています(発達障害ナビポータル「相談できる窓口を教えて欲しい」)。健診で経過観察と言われたあとも、ここに戻って相談してかまいません
- 市区町村の障害福祉の担当課(福祉課など):療育などの福祉サービスの相談・申請の窓口です。担当課の名前は自治体ごとに違うので、住んでいる市区町村のホームページで確かめましょう(発達障害ナビポータル「相談」)
- 児童発達支援センター:主に未就学の子が通い、日常生活の基本的な動作の指導や集団生活への適応訓練などを集団・個別で受けられます。家族を含めた相談にものり、通っていない子についても保育園・幼稚園を訪ねて助言しています(発達障害ナビポータル「療育」)
- 発達障害者支援センター:都道府県・指定都市が直接または委託して運営する、より専門的な相談の窓口です。相談は無料で、診断がなくても相談できます(発達障害ナビポータル「相談できる窓口を教えて欲しい」)
- かかりつけ小児科:専門の医療機関にかかる前に、育ちをよく知るかかりつけの小児科医に意見を聞くよう勧められています。発達を専門に診る医療機関はほとんどが予約制で、予約が取れるまで待つこともあります(発達障害ナビポータル「医療機関への受診について」)
- 教育委員会(就学相談):就学についての心配は市区町村の教育委員会に相談します。就学相談の時期や申し込み方法も教育委員会に問い合わせます(発達障害ナビポータル「小学校へあがる前に」)
相談の始め方:この順で動けば大丈夫
- 気になる場面をメモする:いつ・どこで・何に困っていたか。園と家庭で様子が違えば、その違いも書いておく
- まず保健センター(子育て相談窓口)に電話する:「就学前の子どもの発達のことで相談したい」と伝え、メモを見ながら様子を話す。療育・受診・就学のどれを先に考えるかも、ここで一緒に相談できます
- 療育を考えるなら、障害福祉の担当課へ:児童発達支援を使うには、市区町村が交付する受給者証が必要です(発達障害ナビポータル「相談」)。申請の手順や必要な書類は、担当課で確かめます
- 受診するなら早めに予約を:多くの医療機関は問診票やかかりつけ医の紹介状の持参を求め、母子健康手帳を頼まれることもあります(発達障害ナビポータル「医療機関への受診について」)
- 就学の心配は、年中〜年長のうちに教育委員会へ:就学時健診の通知は入学する年の前の年の9月ごろに教育委員会から届くので、まだ相談していなければ、その機会に相談の希望を伝えておくのもよいとされています(発達障害ナビポータル「小学校へあがる前に」)。通知の時期を過ぎていても、入学前なら教育委員会に問い合わせてかまいません。就学相談や就学先を決める手続きは秋から冬に進む自治体が多いので、迷っているなら早めに
療育の費用は?満3歳になったあとの4月から3年間は利用者負担が無償
児童発達支援などの就学前の発達支援は、「満3歳になって初めての4月1日から3年間」利用者負担が無償です(こども家庭庁「就学前障害児の発達支援の無償化について」)。
窓口の名前・手続き・時期は自治体によって違います。ここに書いたのは目安なので、最終的にはお住まいの市区町村の窓口で確かめてください。
5歳児健診の位置づけ
こども家庭庁 母子保健 より:
新しい健診
- こども家庭庁が2024年度から全国実施を推進
- 国の補助 で自治体の実施を後押し
- 従来は一部自治体のみ だった
- 実施状況は自治体により異なる:確認が必要
なぜ5歳児健診か
| 理由 | 内容 |
|---|---|
| 空白期間を埋める | 3歳児健診(3歳)と就学時健診(就学直前)の間が空く |
| 発達特性が見えやすい | 集団生活での適応が評価できる年齢 |
| 就学準備に間に合う | 支援の準備に時間が取れる |
| 早期支援 | 困りごとへの対応を就学前に |
就学時健診との違い
| 健診 | 時期 | 主目的 |
|---|---|---|
| 5歳児健診 | 5歳 | 発達・集団適応・就学準備 |
| 就学時健診 | 就学の前年秋(文科省) | 就学に向けた健康診断 |
チェック内容
5歳児健診で見ることの多い項目を、編集部が目安としてまとめました。実際に何をどう確かめるかは自治体によって違うので、届いた案内で確かめてください(5歳児健診の実施はこども家庭庁「乳幼児健診に関する取組み」が後押ししています)。
発達・行動
| 項目 | 5歳の目安 |
|---|---|
| 指示の理解 | 複数の指示に従える |
| 会話 | 大人と自然な会話 |
| 集団行動 | ルールを守って遊ぶ |
| 順番・我慢 | 待てる |
| 自分のこと | 名前・年齢・住所が言える |
| 手先 | はさみ・ボタン・箸 |
集団生活への適応
- 保育園・幼稚園での様子
- 友達との関わり
- ルールの理解
- 指示の通りやすさ
- 感情のコントロール
身体・健康
- 身長・体重
- 視力・聴力(自治体による)
- 全身の診察
- 生活習慣
発達特性の評価
国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害ナビポータル より、5歳児健診で気づかれやすい特性:
気づかれやすい困りごと
- 集団行動が苦手:一斉指示が通りにくい
- 落ち着きがない:座っていられない
- こだわりが強い:変化が苦手
- 対人関係:友達とのトラブル
- 感覚過敏:音・光・触感
- 不器用:手先・運動
「グレーゾーン」も支援対象
- 診断がつかなくても支援は受けられる
- 「困っている」が支援の基準
- 就学に向けた環境調整
早期支援の意義
- 本人の自己肯定感を守る
- 「できない」を減らす環境調整
- 就学先の選択に余裕
- 保護者の理解と準備
就学に向けた準備
就学相談(教育委員会)
文部科学省 就学時健康診断 と合わせて:
- 通常学級・通級指導教室・特別支援学級・特別支援学校 の選択肢
- 本人の特性に合った環境
- 早めの相談:年中〜年長で
- 見学・体験 も可能
支援の引き継ぎ
- 保育園・幼稚園からの申し送り
- 就学支援シート:自治体による
- 医療・療育機関との連携
- 小学校への情報共有
家庭での準備
- 生活リズム:早寝早起き
- 「自分でやる」経験
- 集団でのルール
- → 詳しくは別記事「入学前の不安を和らげる」も参照
当日の流れ・持ち物
一般的な流れ
- 受付・問診票提出
- 身体測定
- 問診・発達のチェック
- 診察
- 保健指導・個別相談
- 必要に応じて発達相談・就学相談へ
持ち物
- 母子健康手帳
- 問診票(事前記入)
- 保育園・幼稚園での様子のメモ(あれば)
- 気になることのメモ
健診を活用するコツ
事前準備
- 園での様子を担任に聞いておく
- 気になる行動を記録
- 就学への不安を整理
- 問診票は正直に
相談のポイント
- 「集団での困りごと」を具体的に
- 家庭と園での違いも伝える
- 就学への希望・不安を率直に
- 必要なら専門機関の紹介を依頼
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 「指摘されたら終わり」と恐れる | 早期支援・就学準備の機会 |
| 発達特性の指摘を拒否 | 本人が困り続ける |
| 「就学までに治る」と放置 | 環境調整の準備が遅れる |
| 問診票に見栄を張る | 必要な支援を逃す |
| 他の子と過剰に比較 | 個人差が大きい |
| 健診の有無を確認しない | 自治体により実施状況が違う |
| 園での様子を確認せず | 集団での困りごとを見逃す |
| 就学相談を先延ばし | 選択肢を検討する時間が必要 |
よくある誤解
Q. 5歳児健診はどこでもある?
A. 実施状況は自治体による。2024年度から全国展開が進むが、確認を。
Q. 発達特性を指摘されたら支援学級?
A. 必ずしも。グレーゾーンも含め、通常学級+通級など多様な選択肢。
Q. 「就学までに治る」?
A. 発達特性は「治す」より「環境調整」。早めの準備が本人のため。
Q. 診断がつかないと支援は受けられない?
A. 「困っている」が支援の基準。診断がなくても環境調整・配慮は可能。
Q. 就学相談はいつから?
A. 年中〜年長で。見学・体験を含め余裕を持って。
Q. 何科・どこに相談すれば?
A. 迷ったら 保健センター(子育て相談窓口) が入口。療育(児童発達支援など)は 障害福祉の担当課、受診は かかりつけ小児科 に相談してから専門の医療機関へ、就学は 教育委員会。
この記事の根拠
- こども家庭庁 5歳児健康診査・母子保健施策
- こども家庭庁 乳幼児健康診査
- 文部科学省 就学時健康診断
- 国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害ナビポータル(「相談できる窓口を教えて欲しい」「相談」「療育」「医療機関への受診について」「小学校へあがる前に」)
- こども家庭庁 就学前障害児の発達支援の無償化について
まとめ
- 5歳児健診は こども家庭庁が全国実施を推進 する新しい健診(2024年度〜)
- 3歳児健診と就学時健診の空白を埋める
- 発達特性・集団生活への適応・就学準備 を評価
- 実施状況は自治体による、確認が必要
- 「グレーゾーン」も支援対象:困っていることが基準
- 就学相談(教育委員会) で環境を整える
- 指摘を恐れず 早期支援・就学準備の機会に
大切なお知らせ:本記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。お子さまの発達・就学の個別の状況については、保健センター・小児科・教育委員会にご相談ください。

