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0〜2歳🏥健康・医療🤱妊娠・出産

妊娠糖尿病(GDM):診断基準・食事療法・産後の2型糖尿病移行リスク

妊娠糖尿病は妊娠中に初めて発見される糖代謝異常で、巨大児・新生児低血糖など母児リスクがあります。75gOGTTで診断、食事療法と必要に応じてインスリン治療。産後20-50%が2型糖尿病に移行するため長期フォローが大事です。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-05-299分で読めます
情報の信頼性

情報源:日本産科婦人科学会・日本糖尿病・妊娠学会 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-05-29参考文献:4
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この記事のポイント

  • まず結論:妊娠糖尿病(GDM)は妊娠中に初めて発見される糖代謝異常。75gOGTTで診断食事療法+運動+必要時のインスリン で管理
  • 母児リスク:巨大児・新生児低血糖・妊娠高血圧症候群の合併
  • 産後20〜50%が2型糖尿病に移行 するため長期フォローが必須
  • 対象:妊娠中・妊娠を計画している女性、その家族向け

⚠️ 本記事の取り扱い

妊娠糖尿病は母体・胎児の合併症リスクがある重要疾患です。本記事は 一般情報、診断・治療は必ず医療機関で行われます。

まず受診のタイミング

状況 対応
すぐ受診 強いのどの渇き+多量の尿/意識がぼんやり/吐き気・嘔吐が続く(DKAの可能性)/自己測定の血糖が極端に高い(200mg/dL以上)
その日のうちに産科 健診で「血糖が高い」と指摘/食欲増加・体重増加が急激/家族に糖尿病が多い で気になる
健診で経過観察 GDMと診断され治療中/食事療法・運動療法を実施中

妊娠糖尿病(GDM)とは

日本産科婦人科学会 によれば、妊娠糖尿病は 妊娠中に初めて発見または発症した、糖尿病に至っていない糖代謝異常 です。

なぜ妊娠中に起こるのか

  • 胎盤ホルモン(hPL等)が インスリン抵抗性 を高める
  • 妊娠中期以降に インスリンの効きが悪くなる
  • 通常はインスリン分泌が増えて代償するが、追いつかないと 血糖が上昇
  • 妊娠20〜30週ごろに発症 することが多い

「糖尿病合併妊娠」との違い

種類 内容
妊娠糖尿病(GDM) 妊娠中に初めて発見、糖尿病基準には達さない
妊娠中の明らかな糖尿病 妊娠中に初めて発見、糖尿病基準に達する
糖尿病合併妊娠 妊娠前から糖尿病があった

診断:75gOGTT

日本糖尿病・妊娠学会(平成27年改訂)の診断基準:

検査方法

  • 空腹で来院(10時間以上絶食)
  • 75g のブドウ糖を飲む
  • 0分(空腹時)/60分/120分 で採血

診断基準(1点でも満たせば GDM)

時点 基準値
空腹時 ≧100 mg/dL
1時間値 ≧180 mg/dL
2時間値 ≧150 mg/dL

以前は2点以上で診断でしたが、現在は 1点で診断 に変更されています。

スクリーニング

  • 妊娠初期:随時血糖検査
  • 妊娠中期(24〜28週):75gOGTT または50gGCT(スクリーニング)
  • リスク因子がある妊婦はより早期にチェック

リスク因子

カテゴリ リスク因子
年齢 35歳以上(特に40歳以上)
体重 肥満(BMI 25以上)、急激な体重増加
家族歴 糖尿病の家族歴
既往 過去のGDM、巨大児出産歴、流産・死産歴
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) インスリン抵抗性
今回の妊娠 多胎妊娠、羊水過多

リスクが複数あれば 妊娠初期からの注意した管理 が必要。

母児への影響

胎児・新生児への影響

  • 巨大児(4000g以上):難産・分娩トラブルのリスク
  • 肩甲難産:分娩時に肩が引っかかる
  • 新生児低血糖:母体高血糖→胎児インスリン分泌増加→出生後低血糖
  • 新生児呼吸窮迫症候群:肺の発達遅延
  • 新生児黄疸
  • 電解質異常
  • 将来の肥満・2型糖尿病・心血管疾患リスク

母体への影響

  • 妊娠高血圧症候群 の合併率上昇
  • 羊水過多
  • 早産
  • 帝王切開率上昇
  • 産後の2型糖尿病移行(20〜50%)

治療:食事療法・運動・インスリン

① 食事療法(治療の柱)

日本糖尿病・妊娠学会 の指針より:

基本の考え方

  • 適正カロリー(医師・栄養士が計算)
  • 糖質量を適切に:極端な制限はせず、配分を均等に
  • 3食 + 必要に応じて間食(分割食):食後の血糖上昇を抑える
  • 食物繊維を多く

食事のポイント

推奨 控える
野菜から食べる(食物繊維で血糖上昇を緩やかに) 砂糖入りジュース・ケーキ・お菓子
未精製の炭水化物(玄米・全粒粉) 白米の大盛り
タンパク質をしっかり(魚・大豆・赤身肉) 果物は1日2切れ程度
ナッツ類・ヨーグルト 揚げ物・脂質の多いもの

1日6回程度の分割食

  • 1日のエネルギーを 3食 + 3回の間食 に分けて摂る
  • 食後の急激な血糖上昇を抑える
  • 空腹で来てしまう摂取量増加も防ぐ

② 運動療法

  • 食後 30〜60分の散歩:血糖を下げる
  • 医師の許可下で
  • マタニティヨガ・スイミング など

③ 血糖自己測定(SMBG)

  • 朝食前 + 食後2時間 など
  • 目標:空腹時 ≦95 mg/dL、食後2時間 ≦120 mg/dL
  • 記録ノートをつける

④ インスリン療法

食事療法・運動療法で目標血糖が達成できない場合:

  • インスリン注射 を導入
  • 自己注射の指導を受ける
  • 経口糖尿病薬は妊娠中は使わない(一部例外あり、医師判断)
  • 量・回数は血糖値に応じて調整

産後のフォロー:重要

日本産婦人科医会 より:

産後検査

  • 分娩後 6〜12週 で 75gOGTT が推奨
  • 産後すぐは血糖が正常化する人が多いが、潜在的な異常を見つける ため
  • 検査結果次第で内科フォロー

長期リスク

  • 20〜50%が将来 2型糖尿病 に移行
  • 次の妊娠での再発リスク も高い
  • 子も将来の糖尿病・肥満リスクが上がる
  • 生涯にわたる生活習慣の管理が必要

産後の生活習慣

  • 適正体重の維持
  • バランス食・適度な運動を継続
  • 年1回の健診 で血糖チェック
  • 次の妊娠の前 に内科で評価

家庭でできること

食事の工夫

  • 野菜から食べる(ベジファースト)
  • よく噛んでゆっくり食べる
  • 朝食を抜かない
  • 間食は果物・ナッツ・ヨーグルト など
  • 甘い飲み物を水・お茶に

運動の習慣

  • 食後の散歩を習慣化
  • 階段を使う
  • マタニティ向け運動教室の参加

自己管理

  • 血糖測定の記録
  • 食事ノート
  • 体重記録
  • 受診時に持参

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
「妊娠糖尿病だから極端な糖質制限」を自己判断 胎児の発育にも影響。医師・栄養士の指導を
インスリンを「赤ちゃんに影響」と拒否 妊娠中で使える安全なインスリンがある。高血糖の方がリスク大
「妊娠中だけの病気」と産後の検査をスキップ 2型糖尿病移行リスクを見逃す
「自分は大丈夫」とリスク因子の無視 家族歴・肥満・高齢妊娠は要注意
果物・甘いものを「健康だから」と多量に 果糖も血糖に影響。1日2切れ程度
食事を抜く・極端な絶食 低血糖・ケトン体産生のリスク
次の妊娠の準備を「いつか」と先延ばし 妊娠前から血糖管理を

よくある誤解

Q. 妊娠糖尿病は出産すれば治る?

A. 多くは正常化 しますが、20〜50%が将来2型糖尿病に移行 します。産後の検査・生涯の生活習慣が大事。

Q. インスリンは赤ちゃんに影響する?

A. インスリンは胎盤を通過しません。母体の血糖が安定する方が胎児に良い。

Q. 食事制限はどれくらい厳しい?

A. 極端な制限ではなく、配分の調整 が中心。医師・栄養士に相談を。

Q. 経口糖尿病薬を妊娠中に使える?

A. 基本的に使いません。インスリン療法が選択されます(医師判断で例外あり)。

Q. 何科を受診すれば?

A. 産科と内科(糖尿病科)の連携診療。専門医療センターでは合同で診ます。

Q. 自分のせい?

A. 違います。妊娠中のホルモン変化が原因。リスク因子は管理できますが、責任を感じる必要はありません。

Q. 子どもにも影響する?

A. 適切な管理で 多くの合併症は予防可能。ただし出生後の長期的な肥満・糖尿病リスクが少し上がる可能性があるので、子の生活習慣にも注意。

この記事の根拠

  • 日本産科婦人科学会 妊娠糖尿病
  • 日本糖尿病・妊娠学会 妊娠中の糖代謝異常と診断基準(平成27年8月改訂)
  • 日本産婦人科医会 糖尿病・妊娠糖尿病
  • こども家庭庁 こども医療電話相談事業(#8000)

まとめ

  • 妊娠糖尿病(GDM)は 妊娠中の糖代謝異常、75gOGTTで診断
  • 治療:食事療法(分割食)+ 運動 + 必要時のインスリン
  • 自己測定の目標:空腹時 ≦95mg/dL、食後2時間 ≦120mg/dL
  • 母児リスク:巨大児・新生児低血糖・妊娠高血圧症候群合併
  • 産後 6〜12週の75gOGTT を必ず受ける
  • 20〜50%が将来 2型糖尿病 に移行→生涯の管理が必要

大切なお知らせ:本記事は公的機関・学会の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。診断・治療は必ず医療機関で行われます。お子さまの個別の状況については、必ずかかりつけ産科・内科の医師にご相談ください。

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