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妊婦の労働権利:産前産後休業・母性健康管理・不利益取扱いの禁止

労働基準法と男女雇用機会均等法で守られている妊婦の権利を整理。産前6週(多胎14週)・産後8週の休業、時間外労働の制限、母性健康管理措置、解雇等の不利益取扱い禁止。厚生労働省の情報をもとに実務的にまとめました。

012.kids 編集部公開: 2026-03-11更新: 2026-05-298分で読めます
情報の信頼性

情報源:厚生労働省 ほか

作成:012.kids 編集部公開日:2026-03-11最終確認:2026-05-29参考文献:4
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この記事のポイント

  • まず結論:妊婦は 労働基準法 + 男女雇用機会均等法 で広く保護されている。産前6週(多胎14週)・産後8週の休業、時間外労働制限、母性健康管理措置、不利益取扱い禁止 が柱
  • 重要:請求しないと適用されない権利もある。何が請求できるかを知る ことが大事
  • 対象:妊娠中・妊娠を計画している方、その家族、職場の担当者向け

まず確認すべき相談先

状況 相談先
マタハラ・不利益取扱いを受けた 都道府県労働局雇用環境・均等部/労働組合/法テラス
会社と制度の運用で揉めている 同上+自治体の労働相談
健康管理措置の必要性で相談 産科医(母性健康管理指導事項連絡カードを発行可)
育休・産休の手続き 会社の人事/ハローワーク
産後の社会的支援 自治体の母子保健担当

妊婦を守る法律

厚生労働省 母性健康管理措置、母性保護規定について より:

主な法律

法律 主な内容
労働基準法 産前産後休業、時間外労働の制限、軽易業務への転換、深夜業の制限、危険有害業務の就業制限、育児時間
男女雇用機会均等法 母性健康管理措置、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止
育児・介護休業法 育児休業、子の看護休暇、所定外労働の免除等

① 産前産後休業(労働基準法第65条)

産前休業(請求制)

  • 出産予定日の6週間前から請求可能
  • 多胎妊娠は14週間前 から
  • 女性が請求した場合、就業させてはならない
  • 早く休みたければ早く休む権利あり

産後休業(強制)

  • 出産後8週間 は強制的に就業禁止
  • ただし産後6週間経過後に医師が認めた業務に女性が請求した場合は就業可能

出産日のずれ

  • 予定日より早い出産:産後8週から逆算
  • 予定日より遅い出産:実際の出産日まで産前休業
  • 給与の取扱いは会社規定(多くは無給)→ 出産手当金 を健康保険から受給

② 時間外労働・深夜業の制限

産前・産後の休業について より:

時間外労働の制限(請求制)

  • 妊産婦が請求した場合、1日8時間・週40時間を超える労働をさせてはならない
  • 時間外労働・休日労働・深夜業(午後10時〜午前5時)も同様

軽易業務への転換(請求制)

  • 妊娠中の女性が請求した場合、他の軽易な業務に転換 させなければならない
  • 立ち仕事・重い物を持つ仕事を避けることが可能

危険有害業務の就業制限(強制)

  • 重量物取扱い、有害物質取扱い等 妊娠・出産等に有害な業務は 法律で就業禁止

③ 母性健康管理措置(男女雇用機会均等法)

妊婦健診のための時間確保

  • 事業主は妊婦健診に必要な時間を 確保しなければならない
  • 健診頻度の目安(妊娠週数別):
    • 妊娠23週まで:4週に1回
    • 24〜35週:2週に1回
    • 36週以降:週1回

健診結果に基づく措置

医師から指導を受けた場合、事業主は 必要な措置 を講じなければならない:

  • 通勤緩和(時差通勤・短時間通勤)
  • 休憩時間の延長・回数増加
  • 症状に対応した作業の制限・軽減・休業

母性健康管理指導事項連絡カード

  • 医師が指導内容を 書面で会社に伝える カード
  • 厚労省サイトでダウンロード可能
  • これに基づいて会社は措置を講じる義務

④ 妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止

内閣府男女共同参画局 より:

禁止される取扱い

事業主は以下を理由として、解雇・降格・減給・配置転換・不利益な評価をしてはならない:

  • 妊娠・出産
  • 産前産後休業の取得
  • 育児休業の取得
  • 母性健康管理措置の利用
  • 時間外労働の制限の請求
  • 軽易業務への転換の請求

マタニティハラスメント(マタハラ)

  • 妊娠・出産・育児休業等に関する 嫌がらせ・パワハラ も法律で禁止
  • 事業主には 防止措置義務

違法と感じたら

  • 都道府県労働局 雇用環境・均等部:無料相談・調整
  • 労働組合
  • 法テラス
  • 自治体の労働相談窓口

⑤ 育児時間(労働基準法)

  • 生後 満1年に達しない子 を育てる女性
  • 1日2回 各々少なくとも30分 の育児時間を請求できる
  • 給与の取扱いは会社規定

⑥ 育児休業(育児・介護休業法)

基本

  • 子が1歳になるまで 育児休業を取得できる
  • 特定条件下で 最長2歳まで 延長可
  • 父母ともに取得する場合 パパ・ママ育休プラス(最長1歳2か月まで)

出生時育児休業(産後パパ育休)

  • 男性向け:出生後8週間以内に 最大4週間(2回まで分割可)
  • 通常の育児休業と別枠

給付金

  • 育児休業給付金(雇用保険から)
  • 育休開始から180日まで:賃金の 67%
  • 181日以降:賃金の 50%

出産手当金(健康保険)

  • 産休中の収入補填
  • 給与の 約2/3 が支給
  • 健康保険から

妊娠を会社に伝えるタイミング

早めに伝えるメリット

  • 母性健康管理措置 を早く受けられる
  • 業務軽減 を相談しやすい
  • 健診のための時間確保

一般的な目安

  • 安定期に入る妊娠12〜16週ごろ に直属上司から伝える例が多い
  • ただし 法的義務はない、自分のペースで
  • つわりが重い・健診時間が必要な場合は早めに

伝える順序

  1. 直属上司
  2. 人事・労務担当
  3. 必要に応じて同僚

産後の職場復帰

復職前の準備

  • 保育園の確保
  • 時短勤務制度 の確認(短時間勤務、3歳まで義務)
  • 子の看護休暇(小学校就学前、年5日/2人以上は年10日)
  • 所定外労働の免除(3歳未満)

復職後の継続的サポート

  • 両立支援等助成金 等を会社が活用できる場合あり
  • 企業内託児所(一部企業)
  • ベビーシッター割引券

やってはいけないこと

やってはいけないこと 理由
「自分で頑張る」と権利を請求しない 多くの権利は請求制。知らないと使えない
マタハラを我慢・我慢の限界で退職 労働局への相談で改善・補償の可能性
「会社が認めない」と諦める 法律で守られた権利。労働局・労働組合へ
無理な仕事を続ける 切迫早産等のリスク、母児の健康優先
健診を仕事で休まない 母性健康管理措置で確保される権利
不当な解雇を泣き寝入り 妊娠等を理由とする解雇は違法、撤回・賠償可能性
産休・育休の制度を知らないまま退職 給付金・将来の再就職を考えると不利益
男性パートナーの育休を「気がひける」と諦める 出生時育児休業(産後パパ育休)も含め、男性の育休も法律で保障

よくある誤解

Q. 妊娠を会社に伝えなくていい?

A. 法的義務はない ですが、母性健康管理措置を受けるには伝える必要があります。安定期前後を目安に。

Q. 「正社員じゃないから産休は取れない」と言われた

A. 雇用形態に関係なく 産前産後休業は権利。パート・契約社員でも適用。給付金は要件あり。

Q. 健診のたびに有給を使うべき?

A. 母性健康管理措置で時間確保は法的権利。有給を消費する義務はないが、会社規定による。

Q. 育休は男性も取れる?

A. 取れます。出生時育児休業(産後パパ育休)4週間 + 通常の育児休業。給付金も同じ。

Q. マタハラを受けた

A. 証拠を残し(メール・録音・日記)、労働局雇用環境・均等部に相談。無料・秘密厳守。

Q. 何科を受診すれば?

A. 健康関連は 産科。労働関連の相談は 労働局・労働組合・法テラス

この記事の根拠

  • 厚生労働省 働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について
  • 厚生労働省 産前・産後の休業について(働く女性の心とからだの応援サイト)
  • 内閣府男女共同参画局 妊娠・出産などによる不利益が起こらない職場づくり
  • 労働基準法 第65条 ほか
  • 男女雇用機会均等法
  • 育児・介護休業法

まとめ

  • 妊婦の権利は 労働基準法・男女雇用機会均等法・育児介護休業法 で広く保護
  • 産前6週(多胎14週)・産後8週の休業、出産手当金で収入補填
  • 時間外労働制限・軽易業務への転換 は請求制、必ず請求を
  • 母性健康管理措置(健診時間・通勤緩和・休憩等)は医師の指導カードで
  • 妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いは違法
  • マタハラは 都道府県労働局 に無料相談可

大切なお知らせ:本記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめた一般情報です。個別の労働問題については、最新の法律・通達と専門家(社労士・弁護士・労働局)へのご相談を推奨します。

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