この記事のポイント
- 1〜2歳は「つまむ」が育つ時期。手のひら全体でつかんでいた赤ちゃんが、親指と人差し指で小さな物をつまめるようになっていきます。
- 指さし・なぐり描き・積み木が遊びの中心。できる時期には数か月単位の幅があり、月齢が同じでも差は大きいものです。
- **「させる」より「やりたくなる環境」**が近道。手指の微細運動は、楽しい遊びのくり返しのなかで自然に伸びます。
- 対象:1〜2歳ごろの手指の発達が気になる保護者。
まず確認したいこと(相談窓口)
| 気になること | まず相談する先 |
|---|---|
| つまむ・指さしが見られず気になる | かかりつけ小児科 |
| 健診で発達を相談したい | 1歳6か月児健診・地域の保健センター |
| 発達の専門的な相談をしたい | 地域の発達相談・児童発達支援センター |
| 手や指の動きに左右差・固さを感じる | かかりつけ小児科 |
重要:微細運動の発達には大きな個人差があります。目安より少し遅くても、多くはその子のペースの範囲です。気になるサインが続くときは、1歳6か月児健診やかかりつけ小児科で相談しましょう。
1〜2歳の微細運動、何ができるようになる?
厚生労働省「乳幼児身体発育調査」 より:手指の動きは月齢とともに段階的に発達し、その時期には幅があるとされています。
- 1歳前後で、親指と人差し指で小さな物をつまむ動き(ピンチ)が育ちます。
- 1歳台後半には、積み木を2〜3個重ねる、コップを持って飲むなどが見られます。
- スプーンを握って口に運ぼうとする姿も出てきます(こぼすのは当たり前です)。
- できる時期には数か月の幅があり、月齢だけで早い遅いを判断しません。
指さし・なぐり描きの育ち方
こども家庭庁「乳幼児健康診査」 より:1歳6か月児健診では、指さしや手先の使い方も発達の様子として確認されます。
- 1歳台で「あれ見て」と伝える指さしが出てくると、言葉とのつながりも育ちます。
- クレヨンを握ってなぐり描き(点や線)をするのは、微細運動の大切な一歩です。
- 紙を破る・シールをはがすといった動きも、指先の力を育てます。
- 健診はできる・できないを採点する場ではなく、相談のきっかけと考えましょう。
家庭でできる手指を育てる関わり
国立成育医療研究センター「発達・成長に関する診療部門の情報」 より:日々の遊びの積み重ねが運動発達の土台になるとされています。
- 大きめのブロックや積み木など、つかみやすい物から始めます。
- 「入れる・出す」遊び(箱に物を入れる)はつまむ力を自然に育てます。
- なぐり描きは「上手に描く」ことより、手を動かす楽しさを大切にします。
- 大人がやって見せ、子どもが「やりたい」と思える雰囲気をつくります。
個人差をどう受け止める?
日本小児科学会「小児科診療ガイドライン」 より:発達は個人差が大きく、一人ひとりの経過を丁寧に見ることが大切とされています。
- 微細運動の発達は、粗大運動や言葉の育ちとも絡み合って進みます。
- 同じ1歳でも、得意な動きと苦手な動きに差があるのは自然です。
- 周りの子と比べて焦るより、その子なりの「前より少しできた」を見ます。
- 気になるサインが重なって続くときは、健診や小児科で相談します。
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 月齢の目安と厳密に比べて焦る | 微細運動の発達には大きな個人差がある |
| 小さなビーズやボタンで練習させる | 1〜2歳は口に入れやすく窒息の危険がある |
| 「上手にできない」と否定する | やりたい気持ちや遊びへの意欲をそぐ |
| 無理に手を持って描かせ続ける | 自分で動かす経験が減り逆効果になりやすい |
| 一度の様子だけで発達を決めつける | その日の機嫌や体調で見え方が変わる |
よくある誤解
Q. 1歳半でうまくつまめないのは遅いですか?
A. つまむ動きの育ちには幅があります。手のひらでつかめていれば、遊びのなかで少しずつ指先の動きが育つことが多いです。
Q. なぐり描きをしないと心配ですか?
A. 興味の出る時期には差があります。クレヨンを握る・線を引くことに興味が出てきたら一歩です。無理強いは避けましょう。
Q. 練習をたくさんさせれば早く上達しますか?
A. 訓練より「やりたくなる遊び」のくり返しが土台です。楽しい経験のなかで自然に手指は育ちます。
Q. 左右で手の使い方が違うのは大丈夫?
A. この時期は利き手が決まっておらず、両手を使うのが普通です。極端な左右差や固さが続くときは小児科で相談します。
Q. 手指の発達が気になるとき、どこに相談すればいい?
A. まずは1歳6か月児健診やかかりつけ小児科へ。より専門的な相談は地域の発達相談や児童発達支援センターが窓口になります。
この記事の根拠
- 厚生労働省「乳幼児身体発育調査」
- こども家庭庁「乳幼児健康診査」
- 国立成育医療研究センター「発達・成長に関する診療部門の情報」
- 日本小児科学会「小児科診療ガイドライン」
まとめ
- 1〜2歳は、手のひらでつかむ動きから、指先でつまむ微細運動へと育つ時期です。
- 指さし・なぐり描き・積み木重ねなどが見られ、できる時期には大きな幅があります。
- 訓練ではなく、つかむ・入れる・描くといった楽しい遊びのくり返しが土台です。
- 小さなビーズやボタンは窒息の危険があるため、つまむ練習には使いません。
- 気になるサインが続くときは、健診やかかりつけ小児科で相談しましょう。
大切なお知らせ:この記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部がまとめた一般的な情報です。お子さんの発達や個別の状況については、かかりつけの小児科医や健診などでご相談ください。

