この記事のポイント
- 作文は「正しく書く力」より「書きたい気持ち」が先。原稿用紙のマス目より、まず話したことを文字にする体験から育ちます。
- 書き出しでつまずく子が多い。「何があったか」「どう思ったか」の2つを口で言わせてから書くと進みやすくなります。
- 直しすぎは逆効果。赤ペンだらけにせず、書けたこと自体をまず認めるのが長続きのコツです。
- 対象:作文が苦手・書き出せない小学生(おおむね7〜10歳)の保護者。
まず確認したいこと(相談窓口)
| 気になること | まず相談する先 |
|---|---|
| 字を書くこと自体を強く嫌がる・極端に疲れる | かかりつけ小児科・発達相談 |
| 学校の作文や宿題でつまずきが続く | 担任・学校 |
| 読み書きの困難さが気になる | 地域の保健センター・発達相談 |
| 発達面の専門的な支援を相談したい | 児童発達支援センター |
重要:作文が苦手なこと自体は珍しくありません。ただし「字を書くと極端に疲れる」「読むのもとても苦手」が重なるときは、書く力だけの問題でないこともあります。気になるときは担任や、かかりつけ小児科・地域の発達相談に一度つないでおくと安心です。
作文力はどう育つ?学年ごとの目安
文部科学省「小学校学習指導要領(国語)」 より:書く力は「話す・聞く・読む」と関連づけながら段階的に育てるものとされています。
- 低学年は「したこと・思ったこと」を短い文で書ければ十分です。
- 中学年で、出来事を順序立てて、まとまりのある文章にしていきます。
- 作文の伸び方には個人差が大きく、学年どおりに進まなくても焦りすぎないことが大切です。
- まずは「書けた」体験を積むことが、次の作文への意欲につながります。
書き出しでつまずく子へのサポート
文部科学省「読書活動の推進」 より:読む経験の積み重ねが、語彙や表現の引き出しを広げると示されています。
- 書く前に「何があった?」「どう思った?」を口で言わせ、それをそのまま書かせます。
- 「楽しかった一つだけ」など、書く範囲を小さく絞ると進みやすくなります。
- 普段の読み聞かせや読書が、作文で使える言葉のストックになります。
- いきなり原稿用紙ではなく、メモや会話のメモ書きから始めても構いません。
直しすぎず、書く意欲を守る
国立教育政策研究所「教育研究・教育課程に関する調査研究」 より:学びの意欲を支える関わりが、力の定着につながると整理されています。
- 誤字や言い回しを全部直すより、まず「書けたこと」を認めます。
- 直すなら1〜2か所まで。赤ペンだらけは書く意欲をそぎます。
- 「ここ、すごく伝わったよ」と具体的に良い点を返すと次につながります。
- うまく書くことより、自分の言葉で書けることをゴールにします。
家庭でできる小さな積み重ね
国立教育政策研究所「幼児教育に関する研究」 より:言葉や表現の力は、日常の体験と対話のなかで育つとされています。
- 一日の出来事を会話で「実況」させると、作文の下地になります。
- 短い日記や、家族あての一言メモなど、生活に溶け込む書く機会をつくります。
- 季節の行事やお出かけなど、書きたくなる体験を一緒につくります。
- 比べる相手は他の子ではなく「前に書いたその子自身」にします。
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 書けた文を赤ペンで全部直す | 書く意欲そのものを失わせやすい |
| 「もっと長く」「もっと丁寧に」と量を急かす | 書くこと自体が苦痛になりやすい |
| 他の子やきょうだいと書く力を比べる | 自信を失い、書くのを避けるようになる |
| 親が代わりに文章を作ってしまう | 自分で考える経験が育たない |
| 一度に上手に書かせようとする | 段階を飛ばすと挫折につながりやすい |
よくある誤解
Q. 作文が苦手なのは練習不足ですか?
A. 必ずしもそうではありません。書く意欲や体験の量、発達のペースなど要因はさまざまです。練習量だけで判断しないことが大切です。
Q. 早くから書かせたほうが伸びますか?
A. 早ければよいわけではありません。話す・読むの土台が育つほど、書く力も自然に乗ってきます。
Q. 誤字や文法は厳しく直すべきですか?
A. 全部直すより、まず書けたことを認めましょう。直すのは1〜2か所に絞ると意欲が保てます。
Q. 読書感想文が書けないときはどうすれば?
A. 「一番心に残った場面」と「そのときどう思ったか」の二つに絞って口で言わせ、それを書き出しにすると進みやすくなります。
Q. 作文や読み書きのつまずきが気になるときは、どこに相談すればいい?
A. まずは担任や学校へ。書くこと自体を極端に嫌がる・疲れるなど発達面が気になるときは、かかりつけ小児科や地域の発達相談に相談すると安心です。
この記事の根拠
- 文部科学省「小学校学習指導要領(国語)」
- 文部科学省「読書活動の推進」
- 国立教育政策研究所「教育研究・教育課程に関する調査研究」「幼児教育に関する研究」
まとめ
- 作文は「正しく書く力」より「書きたい気持ち」が先に育ちます。
- 書き出しでは「何があった・どう思った」を口で言わせてから書かせると進みやすくなります。
- 直すのは1〜2か所に絞り、書けたこと自体をまず認めます。
- 比べる相手は他の子ではなく、前に書いたその子自身にします。
- つまずきが続くときは担任や、かかりつけ小児科・地域の発達相談に相談しましょう。
大切なお知らせ:この記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部がまとめた一般的な情報です。お子さんの発達や個別の状況については、かかりつけの小児科医や学校・地域の発達相談にご相談ください。

