この記事の3つのポイント
在宅勤務と育児の両立について、厚生労働省・こども家庭庁の情報をもとにまとめました。
- 結論から言うと:在宅勤務と育児の「完全な両立」は不可能です。仕事と育児を同時にこなそうとするのではなく、時間帯で切り分ける「タイムブロッキング」が現実的な解決策です。
- ただし注意点も:在宅勤務=育児ができる、という誤解が職場や家族にあると、保育園の利用ができなかったり、パートナーの協力が得られにくくなることがあります。在宅勤務中でも保育は必要です。
- 対象年齢:0〜6歳のお子さんを持つ保護者向け
各機関の見解を比較
| 立場 | 機関・出典 | 見解の要旨 |
|---|---|---|
| テレワーク推進 | 厚生労働省 | テレワークガイドラインで、育児・介護との両立支援としてのテレワーク推進を明記。事業主に柔軟な勤務体制の整備を推奨。 |
| 両立支援 | 厚生労働省 | 育児・介護休業法に基づき、3歳未満の子を持つ労働者へのテレワーク措置を事業主の努力義務として規定(2025年改正)。 |
| 子どもの視点 | こども家庭庁 | 在宅勤務中でも子どもにとっての保育の必要性は変わらない。自治体による保育の必要性認定は在宅勤務を理由に不利に扱わないよう通知。 |
詳しい解説
タイムブロッキング:時間で切り分ける
仕事と育児を同時にやろうとすると、どちらも中途半端になりストレスが溜まります。時間帯で「仕事モード」「育児モード」を明確に分けましょう。
モデルスケジュール(保育園利用の場合):
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 6:00〜7:00 | 起床・朝食・保育園準備 |
| 7:30〜8:30 | 保育園送り |
| 8:30〜12:00 | 集中ワークタイム①(最も重要なタスクをここに) |
| 12:00〜13:00 | 昼食・休憩・家事(洗濯干し等) |
| 13:00〜16:00 | 集中ワークタイム② |
| 16:30〜17:30 | 保育園お迎え |
| 17:30〜21:00 | 夕食・入浴・寝かしつけ |
| 21:00〜22:30 | 残務処理タイム(必要な場合のみ) |
保育園に預けていない場合:
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 5:00〜7:00 | 早朝ワークタイム(子どもが寝ている間が最大の集中タイム) |
| 7:00〜9:00 | 朝食・遊び |
| 9:00〜11:00 | 子ども:一人遊び・動画タイム → 親:メール・軽作業 |
| 11:00〜13:00 | 昼食準備・食事・片付け |
| 13:00〜15:00 | 昼寝タイム=ワークタイム(最重要。ここに打ち合わせを入れない) |
| 15:00〜17:00 | 公園・外遊び |
| 17:00〜21:00 | 夕食・入浴・寝かしつけ |
| 21:00〜23:00 | 夜間ワークタイム |
仕事スペースの確保
専用の部屋がなくても工夫次第でワークスペースは作れます。
おすすめの方法:
- パーテーションで区切る:ダイニングの一角にパーテーションを置くだけで「仕事の場所」と認識させやすい
- 折りたたみデスク:使わないときは畳めるタイプ(IKEAのNORDEN等)
- ウォークインクローゼット:小さなデスクと椅子を入れれば即席の個室に
- 車の中:オンライン会議だけ車内で参加する親も多い
ポイント:「ここにいるときはお仕事中」と子どもに視覚的にわかる仕組みが大切です。「お仕事ランプ」(赤いライトを点ける等)を導入している家庭もあります。
オンライン会議中の対策
子どもが乱入するのは「在宅あるある」。完全に防ぐのは難しいので、備えと割り切りが大切です。
事前対策:
- 会議の前に授乳・おむつ替え・おやつを済ませる
- お気に入りの動画やおもちゃを用意しておく
- パートナーが在宅なら会議時間だけ子どもを別室で見てもらう
会議中の設定:
- バーチャル背景で生活感を隠す
- マイクはミュートをデフォルトに(発言時だけオン)
- チャットで事前に「在宅で子どもがいるため、音が入る場合があります」と伝えておく
乱入されたら:
- 焦らない。多くの職場で在宅勤務中の子どもの乱入は許容されている
- 「少しお待ちください」と一言断って対応すれば十分
一時預かり・ファミサポの活用
在宅勤務でも、集中が必要な日は外部サービスを使いましょう。
| サービス | 内容 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 一時預かり保育 | 保育園で1日単位で預かり | 1日2,000〜3,000円 |
| ファミリーサポート | 地域の援助会員が自宅で預かり | 1時間700〜1,000円 |
| ベビーシッター | 自宅に来てもらう | 1時間1,500〜3,000円 |
| 一時預かり(自治体) | 子育て支援センター等 | 無料〜1,000円/回 |
| 企業主導型ベビーシッター券 | 勤務先を通じて利用 | 割引あり(1回4,400円→最大2,200円補助) |
パートナーとの分担
うまくいく分担のコツ:
- 「手が空いているほうがやる」ではなく、担当を明確に決める
- 朝のルーティン(送り担当)・夜のルーティン(お迎え担当)で分ける
- 週に1回は各自の「フリータイム」を確保する
- 家事の基準をすり合わせる(「毎日掃除機」は本当に必要?)
シフト制の例:
- 月・水・金:ママが送り&パパがお迎え
- 火・木:パパが送り&ママがお迎え
- 会議が多い日は早めに共有して調整
子どもへの説明
年齢に応じて「お仕事」の概念を伝えましょう。
- 2〜3歳:「ママ(パパ)はパソコンでお仕事するね。終わったら遊ぼうね」
- 4〜5歳:時計を見せて「長い針がここに来たらお仕事おしまい」
- 6歳〜:「お仕事中は声をかけないでね。でも困ったことがあったらメモに書いて置いてね」
相談できる窓口
| 窓口 | 連絡先 | 対応時間 |
|---|---|---|
| 厚生労働省 仕事と育児の両立相談 | 0120-811-610 | 平日17:00〜22:00 |
| 子育て支援センター | お住まいの市区町村 | 平日日中 |
| 労働基準監督署 | 各都道府県 | 平日日中 |
| かかりつけ小児科 | ー | 診療時間内 |
この記事のまとめ
在宅勤務と育児の両立について、厚生労働省・こども家庭庁の情報をもとに解説しました。
ポイントの振り返り:
- 「同時にやる」のではなく「時間で切り分ける」タイムブロッキングが基本
- 仕事スペースを視覚的に区切り、子どもに「お仕事モード」を認識させる
- 保育園利用は在宅勤務でも認められている
- 一時預かりやファミサポは積極的に使う
- パートナーとの分担は「担当制」で明確に
完璧な両立は幻想です。「今日はここまでできた」で十分。子どもが安全で、仕事が最低限回っていれば、それは立派な両立です。
大切なお知らせ: この記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部が独自にまとめたものです。お子さまの個別の状況については、かかりつけ医や専門家にご相談ください。

