この記事のポイント
- 実行機能とは、目標に向けて「計画する・集中する・がまんする」をまとめる脳の働き。学びや友だち関係の土台になります。
- 遊びや日常のやりとりの中で少しずつ育つ力。特別な教材より、見通しのある生活と適度な待つ経験が効果的です。
- 育ちには大きな個人差がある。年齢とともにゆっくり伸びるので、できないことより「少し前の本人」と比べましょう。
- 対象:幼児〜小学生ごろの実行機能(集中・切り替え・自制心)を家庭で支えたい保護者。
まず確認したいこと(相談窓口)
| 気になること | まず相談する先 |
|---|---|
| 園や学校での集中・切り替えの様子 | 担任・学校 |
| 工夫しても落ち着きのなさが強く続く | 発達相談・かかりつけ小児科 |
| 発達全体や学び方の特性が気になる | 地域の保健センター・児童発達支援センター |
| 体調や睡眠との関係が気になる | かかりつけ小児科 |
重要:集中が続かない・切り替えが苦手といった様子は、年齢や個人差の範囲であることがほとんどです。ただし工夫を重ねても困りごとが強く続く場合は、本人の努力不足と決めつけず、まず担任や発達相談に様子を伝えましょう。睡眠や生活リズムが影響していることもあります。
実行機能とは?子どもにとっての意味
文部科学省「幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続」 より:自分で考え行動を調整する力は、幼児期から小学校へとつながる学びの土台と位置づけられています。
- 実行機能は「計画する・集中を保つ・気持ちや行動をがまんする」を支える脳の働きです。
- この力は、勉強だけでなく、順番を待つ・気持ちを切り替えるなど生活全般に関わります。
- 幼児期から小学校にかけて、遊びや生活の積み重ねの中で少しずつ育ちます。
- 一度に完成する力ではなく、年齢とともにゆっくり伸びていくものです。
家庭でできる実行機能の育て方
国立教育政策研究所「非認知能力に関する調査研究」 より:自分を律する力ややり抜く力は、日常の関わりや遊びを通して育まれるとされています。
- 「次は何をする?」と見通しを一緒に立てると、計画する力が育ちます。
- ごっこ遊びやルールのある遊びは、集中やがまんを自然に練習する場になります。
- できた過程を具体的にほめると、最後までやり抜く意欲につながります。
- 失敗しても責めず、やり直す経験を重ねることが切り替える力を支えます。
集中・自制心を支える生活の工夫
文部科学省「学習指導要領」 より:自ら学びに向かう力は、整った環境と日々の積み重ねによって育つことが重視されています。
- 生活リズムと十分な睡眠は、集中力や気持ちの安定の土台になります。
- 取り組む場所をすっきりさせ、気が散るものを減らすと集中しやすくなります。
- やることを一度に詰め込まず、短く区切ると最後まで取り組みやすくなります。
- 待つ・順番を守る場面を少しずつ経験することで、自制心が育っていきます。
個人差が大きいときの見方と相談先
国立成育医療研究センター「脳と心の発達に関する診療・相談」 より:発達の困りごとは家庭だけで抱えず、専門的な視点を取り入れることがすすめられています。
- 集中や切り替えの育ちには大きな個人差があり、ゆっくり伸びる子もいます。
- 比べる相手は周りの子ではなく、「少し前の本人」にすると変化が見えやすくなります。
- 工夫しても困りごとが強く続くときは、本人のせいにせず学校に相談します。
- 発達全体が気になるときは、地域の保健センターや発達相談を利用できます。
やってはいけないこと
| やってはいけないこと | 理由 |
|---|---|
| 「集中が足りない」と繰り返し叱る | 自信を失い、かえって取り組む意欲が下がる |
| 一度にたくさんの課題を出す | 見通しが立たず、最後までやり抜けなくなる |
| 周りの子と比べて焦らせる | 個人差を無視し、プレッシャーになる |
| 睡眠や生活リズムの乱れを放置する | 集中や気持ちの安定の土台を崩す |
| 困りごとが続くのに様子見し続ける | 早めの相談や合った関わりの機会を逃す |
よくある誤解
Q. 実行機能は生まれつきで変わらないものですか?
A. いいえ。実行機能は遊びや日常の関わりの中で、年齢とともに少しずつ育つ力です。家庭の働きかけも後押しになります。
Q. 集中力は厳しくしつければ身につきますか?
A. 叱って身につく力ではありません。見通しを示し、できた過程をほめる関わりの方が、集中ややり抜く力を育てます。
Q. 切り替えが苦手なのは性格のせいですか?
A. 個人差や発達の途中であることが多いです。ただし困りごとが強く続くなら、性格と決めつけず相談すると安心です。
Q. 何歳までに育てないと手遅れですか?
A. 期限のある力ではありません。実行機能は年齢とともにゆっくり伸びるので、その子のペースを大切にしましょう。
Q. 集中や切り替えの困りごとが気になるときは、どこに相談すればいい?
A. まず担任・学校に様子を伝え、発達全体が気になるときは地域の保健センターや発達相談、かかりつけ小児科を利用しましょう。
この記事の根拠
- 文部科学省「幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続」
- 国立教育政策研究所「非認知能力に関する調査研究」
- 文部科学省「学習指導要領」
- 国立成育医療研究センター「脳と心の発達に関する診療・相談」
まとめ
- 実行機能は「計画・集中・がまん」をまとめる力で、学びや生活の土台になります。
- 特別な教材より、見通しのある生活や遊び、適度に待つ経験が育ちを後押しします。
- 生活リズムと十分な睡眠は、集中力や気持ちの安定の土台です。
- 育ちには個人差が大きく、周りより「少し前の本人」と比べる視点が役立ちます。
- 困りごとが強く続くときは学校に相談し、発達相談や保健センターも活用しましょう。
大切なお知らせ:この記事は公的機関の発信情報をもとに012.kids編集部がまとめた一般的な情報です。お子さんの発達には大きな個人差があります。個別の状況については、かかりつけの小児科医や学校、地域の発達相談にご相談ください。

